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親より先に死んだ俺。異世界で徳を積んで無双したい【改稿版】  作者: 田舎浪漫


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第35話「そして、さようなら。」

 コーセー達がガチバトルをしている時、レンレンとクルスは珍しく動揺していた。


「……これは少しマズイかもな」


「クルスちゃん、少しじゃなくて、相当まずいわよん。これ。」


 二人の目の前には、無残な姿になった、デロリアンがあった。そう、当然だがレンレンとクルスの飴の効果も切れたのだ。デロリアンの中で。飴効果が切れてビックリしたレンレンに至っては思わず「やだん、どらっちゃったわぁん」とドラゴンの姿に戻るほどだ。面影は何も無い。


「…これは不可抗力だ」


 クルスが呟く。


「そうよん、不可抗力よん。コーセーきゅん、すっごく怒ると思うけど」


「「………」」


 2人は無言で見つめあった。


「良いこと思いついたわん。2人で過去と未来の精霊を先に捕まえて、このタイムマシーンの時間を巻き戻させて直させるのよん」


「その前に、皆戻ってきてバレるんじゃないか」


「大丈夫よん。この頃の私は反抗期だったものん。今ごろバトルしてるだろうから、そうね………5時間ぐらいは時間に余裕があるはずよん」


−−−−−−−−−−−−−−−−−−−


「――死ねえええッ!!」


 ニコタールが咆哮をあげ戦鎚を振り下ろしてくる。


「私にお任せを〜」


俺が受け止めようとすると、さっきまでは可愛らしい角が生えた少女だったのに、いつの間にか赤い甲冑を装備し禍々しい金棒を持ったアカリが飛び出し、応戦しだした。


「アカリ、大丈夫か!?そいつ馬鹿力だろ」


「まだこれくらいなら余裕っすねー」


 アカリの返答の頼もしさに、俺は思わずロジとエラを冷めた目で見る。何しに来たんだあいつら。


「ほう?俺様のフルスイングを受け止めるなんて、ただの虫けらじゃなさそうだな。だが、次はねえぞ!」


「アカリ、コーセーも伏せて!」


 エマの声が響くと同時に、漆黒の炎がニコタールの足元から吹き上がった。ノッテの闇魔法だろう。炎がニコタールの動きを制限する。それをエマは見逃さなかった。


「即死魔法ヘル·ジャッジメント!!」


 青白い光がニコタールに襲いかかる。 


「即死魔法って言った!?言ったよね?もう教育じゃなくて殺しにかかってるじゃねーか!エマ、殺したらダメだろ!」


「コーセー、油断しないで。あれで死ぬほど弱くないわ」


 光が収まり見えたニコタールはピンピンしていた。バケモノか。


「ハハッ! 楽しくなってきた!魂も1個持っていかれたか!」


「やっぱりね。あなた魂を何個持ってるのよ」


「さぁーな。そんな事よりお前こそ俺様が唯一認める神の力を真似しやがって」


「知らないわよ。その神が私の真似してるんじゃないの」


 あー、鑑定にあったな。闘神の眷属だったか?エマも闘神なみに強いってことか?


 でも4対1にも関わらず、ひけを取らないニコタールの強さはヤバいな。


 しかし、このバトルは唐突に終わりを告げた。俺たちが一進一退の攻防を続けている時にマミがブチ切れたのだ。


「あー、もう! レンレンっち、マジ空気読んでよー! 全然面白くないしー!エイッ!」


 俺は油断していた。マミはマリンと一緒にニコタールの部下たちを任せたはずなのに。


 俺は慌ててマリンを見たがすでに敵全てを制圧している。くそ。出来る女め。


 マミの放った瓶がニコタールに当たりピンク色の煙が出る。ニコタールは鼻で笑って言う。


「フン、面白くねえのは、こっちだ! 俺が毒の煙ごときでやられるわけねーだろ! クソガエル、貴様の差し金か知らねえが、この程度で俺様が討てると思ったかぁ!」


 隅っこでロジとエラに抱きつかれて震えている精霊王を、ニコタールが恫喝する。が、今はそれどころじゃなくなった。確認しなければ!


「マミ! 今の煙は何の薬だ!?」


「あれはねー、レンレンっちに頼まれてた、レンレン増産計画の薬だよー!あれ浴びると皆レンレンみたいになれるはず?」


 は?今なんつった?レンレン増産計画だと?……あー、あ。ニコタールがレンレンになった理由が分かったわ。俺は叫んだ。


「犯人お前じゃねーか!!」


 マミはガチで手綱握っとかないと、俺たちが今追っているロザリーよりタチが悪い気がしてきた。


「アカリ、疲れたわ。お茶持ってきてないの?」


「エマ様ー。地獄茶ならありますよー」


「お姉様、私もご一緒しても?」


 俺の叫びをスルーしてお茶を飲み始めるエマたち。遠い目をして現実から逃避するな。 


「マミ。これも時間限定なのか?しかし、何でこんな危ない物を作ったんだ」


「う~ん、試作段階だし効果時間は分かんない?作ったのは〜 レンレンっちが『私がもう一人いたら最強じゃない?』って言ってたしー」


「もう一人いたらホラーだよ!」


「あぁ!? お前らさっきから、何抜かしてやがる!早死にしたいのかしらぁん?」


 ああ、変化が始まったか。ご愁傷様です。変わりゆくニコタールに俺は手を合わせた。


「嫌だわぁん、俺様ったら何を……でも、悪くないわぁん。……俺様はニコタール・スカイだ……これから私は恋に恋する乙女…恋…レン……レンレン…そう!レンレンよん」


「レンレンっち〜はい、これ!」


 マミがピンクフリフリ魔法少女服一式を渡した。


 レンレンをレンレンたらしめたのはマミだったんだなぁ。


 ごめんな、ニコタール·スカイ。そして、さようなら。


《ピコーン! さようならじゃありません。マミをしっかり教育しましょうって言いましたよね△956ポイント》


《ピコーン! あと、いきなり時空を超えないでください。管轄が違うので時空神の許可を取るのが大変でした。迷惑料△1000ポイント》


 ……今日は静かだなって思ってたのに。


「アカリー、俺にも地獄茶くれー。苦めで頼む」


 俺も現実から目をそらすのだった。


徳ポイント:△542,887ポイント

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