不用品の山
地球にダンジョンが産まれたら ~100万円の衝撃と心の余裕~
第十七章:不用品の山
「さて……食えない分は整理するか」
天は自室で、新スキル『無限収納』を意識した。
頭の中に広がる広大な亜空間には、これまで仕留めた魔物たちの「残骸」が山積みになっていた。
自分が食べる肉やゼリーは大切に保管してあるが、それ以外の骨、牙、硬い皮、そして換金専用の魔石。
これらは今の天にとって、ただの「在庫」に過ぎない。
「レッサーボアの牙に、ボアポークの骨……それにスライムから出た謎の核か。これ、売れるのかな」
天はリュック一つ背負わず、身軽な格好で再びダンジョン庁の換金窓口へと向かった。
第十八章:窓口の戦慄
「……ええと、守屋様。本日も換金ですね。……えっ?」
窓口の職員が絶句した。
天がカウンターに手をかざすと、そこからボロボロと、高品質な魔石や希少な素材が溢れ出したからだ。
「これ、全部ですか……!?」
「ああ。あと、このボアの皮と牙も。あ、これ、ボアポークの骨なんだけど、買い取れる?」
周囲の探索者たちがざわつき始める。
「おい、あのおっさん……無限収納持ちか?」「ボアポークの素材なんて、地下4階か5階クラスのベテランが持ち帰る代物だぞ」
職員の手が震えながら査定端末を叩く。
数分後、表示された数字に天自身も目を見開いた。
【査定結果】
魔石(中・小・金含む合計):650,000円
ボアポークの骨・牙・皮一式:250,000円
スライムコア、その他の素材:100,000円
合計:1,000,000円
第十九章:100万円の重み
「ひゃ、百万円……?」
「はい。即日お振込み、または現金でのお渡しも可能ですが……」
「……現金で頼む」
厚みのある封筒を受け取った天は、足早にセンターを後にした。
非常勤の月収が数ヶ月分。いや、ボーナスのない自分にとっては、一年かけて貯められるかどうかの大金だ。
懐にある封筒の重みが、これまでの不安をすべて押し流していく。
「これがあれば……電気代も、ガス代も、卵の値段も、もう怖くない」
第二十章:変化する日常
帰り道、いつものスーパーに立ち寄った。
以前なら、棚の前で1円単位の計算をして、一番安い「見切り品」のパンを手に取っていた。
だが、今の天は違う。
「国産の高級果物……1パック1,500円か。よし、買おう。ダンジョン食材の口直しにちょうどいい」
カゴに迷いなく商品を入れていく。
100万円という「安全マージン」が、男の心に圧倒的な余裕を生んでいた。
しかし、天は知っている。
この100万円は、あくまで「いらないもの」を売った結果に過ぎない。
本当に価値があるのは、自分の収納の中に眠る「肉体を変造する至高の食材」たちだ。
「……金はできた。次は、生活の拠点をもっと『ダンジョン仕様』にするか」
40代の逆襲は、まだ始まったばかり。
100万円を懐に、天の視線はすでに、次なる「美味」が潜む未踏の階層へと向けられていた。
プロンプト
いらないドロップ品売却
魔石、ボアの骨、牙、皮、スライムコア
100万円………!?




