第9話 憑依の検証結果
第一章 量子重力理論に基づく特異点結合
第9話 憑依の検証結果
憑依は強制的に解除されて、わしはまた、マメノスケの身体に戻ってきた。
あの女に琢磨が殴られ、意識を失ったら、強制終了じゃったな。
なるほど。
相手の意識がある状態じゃないと、憑依はできないということだな。
寝ているときはどうなのじゃろうか?
今度試してみるとするか。
あとは、あいつの魔法を使用したいという意志の力が膨大に来た時、あいつの中にある魔力が急激に活性化したな。
普段の魔力は眠りについているようじゃが、わしが憑依した事で活性化されたのか?
あの時は、風魔法を使用したいという意志が伝わってきたので、あいつの魔力を利用して、わしがLV1の風魔法を発動してやった。
あいつも喜んでいたようで何よりじゃが、なぜかあいつはあの女に殴られて意識を失ったようじゃな。
しかし、あいつもあの女のこぶしぐらいよけられるはずじゃろうが。
白い布切れなんぞ見て心拍数が上がっていたようじゃが・・・。
情けない。
わしもそうじゃが、あいつも鍛えてLVアップさせてやらんとな。
謎なのは、なんであいつの左腕への憑依じゃったのか?ということかの。
身体全体ではなく、なぜ左腕なのか?
あいつが包帯で常に巻いていることに秘密があるのか?
これも要検討じゃな。
よし、ステータスを確認してみよう。
◇◇ステータス◇◇
名前:豆の介
種族:犬(豆柴犬)
年齢:1
レベル:1
HP:32/50
MP:22/72
力:4
知力:76
素早さ:25
器用さ:5
固有スキル:
・鑑定LV1
・万能言語
・憑依LV1
・時空魔法LV1
称号
・龍王
・時空渡航者
・・・
なるほど。MPが減っておるな。
感覚的には憑依一回あたりでMP10くらいの消費かな?
わしのレベルが低すぎてまだまだ多用はできんな。
不思議なのは風魔法を使用したときにはMPを消費した感覚はなかったな。
ということは、憑依しているときは、憑依先のMP消費になるのか?
う~ん、これもまた検証じゃな。
あとは、他には憑依できないのかの?
『どうぞ、豆さま』
丁度わしにミルクを運んできてくれた白装束の女性に憑依を試みてみる。
わん「憑依」
が、ダメだった。
憑依できそうではあるが、はじかれてしまう。
白装束の女性は少し不思議そうに首を傾げた後、笑顔でわしをもふもふしていった。
魔素の相性なのか、それとも血筋的なものが影響するのか?
あとは、どのくらい離れていても憑依できるのかも検証したいのぉ。
琢磨の父親、斗真はどうだ?
流れ込んできた知識から、アメリカ共和国という所にいるらしいことはわかった。
約1万キロメートル離れておるみたいじゃな。
斗真を思い浮かべて
「憑依!」
空間が光に包まれゆがんでいく・・・。
おっ、成功だ!
斗真の左腕に憑依できたようだ。
『おっ?この気配は豆の介かな?何かの魔術で来ちゃったのかな?でも今はまだダメだぞ。』
斗真の右手が左手をつかんだ瞬間、元の部屋に戻っていた。
強制的に憑依が終了させられてしまったらしい。
むぅ。
わしのスキル魔法を簡単に打ち破るとは・・・。
ほんとにあいつは一体何者なんだ?
距離的なところは問題ないようじゃが、憑依できる対象はまだ限られているようじゃな。
よし、憑依に関してはこれぐらいでいいか。
次は「鑑定LV1」を検証してみようかの。




