第10話 鑑定
第一章 量子重力理論に基づく特異点結合
第10話 鑑定
よし、次は「鑑定LV1」を検証してみようかの。
これも発動条件は対象をイメージもしくは目にしっかりとらえ、トリガーワードを唱えればよいのかな?
何から鑑定しようか?
そうだ、まずは、このわしが飲んでいる「ミルク」を鑑定してみよう。
「鑑定」
◇ミルク◇
富士宮市にある龍禅寺家所有の牧場で育てられたミルク。
日本でも有数の濃い魔素地域で育てられたこのミルクを飲むとHPとMPがわずかに回復する。
◇◇
ほう、なるほど。
おいしさだけでなく、飲むと調子がよくなった気がしていたのは、魔素のおかげもあると。
わしが気に入っただけはあるな。
説明もなかなか丁寧じゃな。
次は部屋の中で光っている照明器具とやらを鑑定してみるかの。
◇照明◇
電気のチカラを使用した照明器具。
◇◇
ふむ。簡潔な説明じゃな。
電気か・・・。
イビルデシア世界には無かった技術じゃな。
次は、部屋に隅にある、あの小さな建造物を鑑定してみるかの。
◇犬小屋(未完成)◇
マメノスケの犬小屋。龍禅寺琢磨がマメノスケのために制作中。
龍禅寺家所有の神木を勝手に伐採し日夜DIYしている。
畳3畳分ほどの大きさがあり、犬小屋というよりもミニハウス。
持ち前の凝り性が発揮され、伊勢神宮の正殿のようないわゆる“神明造”である。
◇◇
・・・。
そうか、わしのためにタクマがのう。
せっかく作ってくれているのであれば、完成したら喜んで使ってやろうではないか。
うむうむ。
おお、しっぽが勝手にふるふるしてしまうのう。
・・・。
ふ~、落ち着いた。
どうも、犬の本能に翻弄され始めておるの。
次は、さっきからわしの世話をしてくれている白装束の女を鑑定してみるかの。
◇藤宮 咲◇
ふじみや さき。19歳。
執事頭の藤宮幸三の次女。
代々龍禅寺家に努める藤宮家は、主に内務的な業務を担当している。
着やせするタイプで豊満なボディをしている。
癒し系の清楚な感じに、隠れファンが多い。
タクマのことは、主家ではあるものの弟のような感情を抱いている。
マメノスケにはメロメロになっている。
もふもふ好き。
◇◇
ふむ。鑑定レベルは1なのに、やたら詳しい説明じゃな。
自分に関わり合いの深いものほど説明が詳しくなる傾向があるのかの?
しかも、感情までわかってしまうのか。
これは便利じゃ。
イビルデシア世界でも鑑定スキル持ちの者は様々な分野で重宝されておったのがよくわかるの。
よし、次は、奥の部屋から漂ってくる怪しげな気配を鑑定してみるかの。
ぽてぽて歩く。
扉の前に来たが、なかなか凄まじい気配じゃな。
何があるというのじゃ?
手前に引くと開く扉のようじゃな。
わしは短い手足を器用に使い扉を開けた。
『あ、豆さま。勝手に開けてはダメですよ。』
わしを連れ戻しに藤宮咲が来た。
が、もう遅い。
開けてしまったもんねー。
わしは部屋の中を見る。
そこに鎮座されていたのはなんと、巨大な魔石だった。
魔石?
この世界にもあるのか?
ともかく鑑定じゃ。
◇龍母神の魔石◇
鑑定不可。
◇◇
・・・。
・・・。
龍母神じゃと!
我らドラゴニュート族の始祖とされるあの、龍母神か!?
どういう事だ?
なぜ、この世界にそんなものが?
しかもなぜ魔石状態に?
魔石になるということは、生きていた状態で討伐されたということか?
寿命で死ぬ場合には、魔石は残らんはずじゃ。
まさか、この龍禅寺の一族が、我らの始祖を討伐したとでもいうのか?
だとしたら許されんことじゃが・・・。
いや、しかし。
始祖様が、神の龍にまで上り詰めた龍母神が、人間などに討伐できるはずがない。
わからん。
わからんことだらけじゃ。
鑑定レベルが上がればもう少しわかるようになるのか?
やはりレベルを上げていくことを優先しなければいけないのか・・・。
レベルを上げるには「ダンジョン攻略」と「鬼退治」か。
まずは、そこの調査から始めてみるかの。
よし、明日からは、さっそくレベル上げ作戦を実行じゃ!
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