③変態、再び…!
いつの間にか、千葉先生の目は赤く充血し、肌の色は緑色へと変化している。
徐々に口も裂け、ギラギラとした沢山の牙が、音を鳴らし始めた。
「食わせろぉぉぉぉぉぉ!」
突然、凶暴な声を出し、千葉先生が襲いかかって来た。
「うっぎゃあぁぁぁ!」
私は悲鳴を上げて、茜と共に逃げ出した。
体育館から飛び出すと、無我夢中に来た道を辿る。
途中に、トイレがあった。
私は茜に小声で話しかけた。
(茜っ! トイレに隠れようよ!)
茜は一瞬「えっ」と、小さな声を漏らしたが、すぐに頷いた。
私達は、女子トイレの一番奥の個室へと、身を潜めた。
両手で口を塞ぎ、乱れた呼吸を押し殺す。
隣にいる茜も、口を真一文字に閉じて、気配を消そうとしている。
シーンと、異様な静けさに包まれた。
「どこだぁぁぁぁ!」
突然、静寂を引き裂く、怒鳴り声が響いた。
怪物になった、千葉先生だ。
私は身体を強張らせた。
今、ドスッドスッと、不穏な足音がトイレ前を通過している。
緊張はピークに達した。
フーッ、フーッ。
口を押さえる指と指の間から、息が漏れた。
ドスッ、ドスッ……。
千葉先生の足音が遠くなると、周囲は再び静けさに包まれた。
引っ張っていた輪ゴムが緩む様に、硬直した体から緊張が解かれる。
はぁ……助かった……。
しかし安息の時間は、束の間だった。
ガタガタガタ……。
目の前にある、便器が震えている。
えっ……何……?
私と茜は息を飲んで、便器をジッと見つめた。
と言うか、目が離せない。
ガタガタ……。
ゆっくりと。
それは、ゆっくりと。
閉じていた便座のフタが、持ち上がった。
もう嫌な予感しかしない。
やめて……本当にやめて、と心の中で叫ぶが、私の願いは、あっさりと打ち砕かれた。
やはり便器から、何かが出てくるのだ。
——あの変態おじさんの顔だ!
『キシシシ……ワシの創り出した変態異世界からは、逃れられんぞい……』
首だけ出して、ニタリと笑う変態おじさん。
私は意識が遠くなりかけた。
「出たなぁ、変態ジジイ……!」
こんな状況でも、茜は勇敢だった。
隅に置いてある消臭スプレーを掴むと「悪霊たいさーん!」と叫んで、変態おじさんの顔面に噴射する。
プシューーー‼︎
『ふんぎゃぁぁぁぁぁ‼︎ 目がぁぁ‼︎ 目がぁぁぁ‼︎ しみるぅぅぅぅ‼︎』
さらに茜は、洗浄レバーを捻った。
「地獄に帰れー‼︎」
バシャアーーーー‼︎‼︎
『おごぉぉぉぉ‼︎ 溺れるぅぅぅ‼︎』
変態おじさんの頭が、クルクルと回転して、水と共に流れていく。
ゴボゴボ……ゴボボ……。
. 。o
o
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o
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……え? 何?
やっつけたの?
つづく……




