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神位の書  作者: KATSUMI


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第一章 狂戦士 〜其の参〜

陽炎は、倒れたまま恐怖で動けなくなっていた雫にそっと手を差し出した。


「立てるか?」

そこには、先程の危機迫るような異様な殺気はなく何処にでもいるような年齢相応の青年であった。

逆に、照れを隠すような仕草が、女性が苦手なようにも感じる。


雫はコクっと頷き立ち上がったが、安堵からかよろめく。


「だ、大丈夫か?!」


倒れないように手を引いた瞬間、抱きしめたような体制になってしまい、顔を赤らめる陽炎。


どうしたらいいのかわからず困った顔をした陽炎を見て、雫はクスッと笑い笑顔を見せた。


「お前、さっきのアイツが言ってた通り喋れないのか?」


コクっと雫が頷く。


「そ、そっか。ま、まぁー気をつけろよ。なんだかおっかないやついるみたいだし、そ、それに…」(お、おれ何言ってるんだトホホ……)


「じゃ、じゃあー俺行くわ。今からあの街に行って会わなきゃいけない人がいるんだ。じゃーな!」


陽炎が行こうとした瞬間何かに引っ張られた。

(な、なんだ?!!)


よく見ると、雫が陽炎の腕の裾を掴んでいた。


(え〜な、なんだぁ??)

ん?


雫が手振りで何か必死で訴えている。

自分に指でさした後、街の方に向け指を指して、自分の胸をポンと叩いた。


「もしかして、案内してくれるのか?…お礼に。」


コク、コクと雫が笑顔で頷く。


(そーだな、俺初めての街だし、何もわかってないしな…)

陽炎は笑顔になった。

「…よし!お願いするぜっ」




※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※


陽炎は雫に案内され、ケヤブの街へと辿り着いた。


(なんとか、日が暮れるまでにはつく事ができたな。 )

「ん、こっちにこい?」

雫が陽炎の腕の袖を引っ張り、足早に歩いていく。幾分か歩いた時、建物が立ち並ぶ外れに一本の大きな大木があり、その横にある一軒家に目をやる。

「あの家が雫の家なのか?」


雫が頷き、目の前の一軒家に辿り着いた時、ドアが開いた。

「雫、帰ってきたのか?遅かったな」

声と共に、中から出てきたのはシンであった。


んっ?


一瞬、時が止まったかのようにシンと陽炎は顔を見合わせた。


???雫は二人の異変に気づく。

(なに?)


「す、スサ…」陽炎が声を発した瞬間、シンが目にも止まらぬ速さで口を塞ぐ。


「いや〜まいったなー陽炎じゃないか、ハハハ。」

「俺だよ、お〜れっ!シンちゃんだよ!し・んっ!!

忘れてないよなーシンだぞっ''陽炎、今俺はシンだ。わかったな”」

口を塞がれたままの陽炎は小さく頷く。


???雫がキョトンとした顔になる。

(えっシンさんと知り合いだったの??)


「よく来た!突っ立ってないで、中に入れ、入れハハハ。雫も早く入れハハハ」




その後、俺はスサ…じゃないシンさんに、たまたま居合わせた雫を助けた事も話し、大いに感謝され夕食もいただいた。

雫は気丈にしていたが、今日あんな事があってよほど疲れたのであろう。疲れて眠ってしまった。


「陽炎、ちょっと夜風でもあたりに行かないか」

そう一言告げ、シンと陽炎は街が見渡せる、小高い高台になっている場所へと移した。


「あれから15年…陽炎お前と別れて10年か…」


陽炎はその言葉を聞き、声を押し殺しながらも震えながらに言葉を発した。

「シンさん…いや、須佐能袁さん。俺はあなたにずっと会いたかった。なぜ、突然に俺の前から居なくなったんだ?」


「悪かった。俺にはやらなければならい使命があった。小さかったお前を連れてできる程、甘くない使命だ」

須佐能袁は静かに話し始めた。




※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※


ー10年前ー

「須佐能袁様、帝がお呼びしております」


須佐能袁はこの世界の中心である【天空城ウラノス】の浮遊城の窓から外を眺めていた。


「わかった、今行く」

須佐能袁は、何かを決意した顔をした。


帝直属の騎士【影の騎士団】を従え、須佐能袁が最上階の部屋の前に立つ。

同時に巨大な扉が自動で開く。


いきなり一人の人物が抱きついてきた。

「待ってたよ!スサ!」

抱きついてきた人物の見た目はかなり若く見える。年齢は15歳ぐらい。姿は女性で髪は黄金で長くいい香りがする。女性としてならスタイル申し分なく、誰がみても一瞬で虜にしてしまいそうな容姿だ。

しかし、声だけを聞くと女性ではなく少年の声である。見た目と声のギャップがあり、何ともしがたい不思議な少女?少年である。


グイっと須佐能袁が抱きついて離さない人物を引っぺがす。

「やめろ。ほんとにお前は帝だろ、何度も言ってるが自分の立場を理解しろっ」


「だって…久々に会ったから嬉しくて、つい…(笑)」

須佐能袁の顔をチラッと見たあと、つまらなそうな顔をする。


「そろそろ本題に入ろう、シャナ」


帝と言われる人物の名は天明(アマテラス)。隠し名を〈シャナ〉。須佐能袁は、帝と二人の時は【シャナ】と呼んでいた。


「…わかったよ」

シャナいや、帝の雰囲気が一瞬に変わる。表情は落ち着きはらい、目は遥か遠くを見渡すような視点となり、静かに目を閉じる。


「扉を閉めよ。今より、私と須佐能袁以外、誰一人入るべからず!!!」

言い放った声は、聞こえるというより、脳へ直接に響くといった言霊のように伝わる。平民であれば聞くだけで平伏してしまう力を秘めていた。


扉が自動で閉まっていく。

ズンッ…




「今から話す事は、須佐能袁あなただけしかできない使命だ」

















































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