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神位の書  作者: KATSUMI


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第一章 狂戦士 〜其の弐〜

遠い記憶



何かが壊れる音がした...

意識が薄れる...

...そして別の誰か?が自分の中から現れる

...誰?...



風景が止まったようにスローモーションになり

心の底から破壊衝動が湧き出る。


眼前に映る全ての景色を『無』に.......



…まもなくして意識が薄れていく………







※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※


陽炎は腰に挿していた短剣を取り出す。


「そ、そんな短剣で何ができる! わ、笑えるぜ」

夜叉はできる限りの虚勢を張る。


しかし、仮にもソードマスターである夜叉にはわかった。対峙しただけで感じる、ただならぬ陽炎の実力を。


なんだ…この異様感じは…この感覚は…

剣使いソードマスターではなく別の感覚…それでいて完全に俺よりも上位ランカーの剣使いと対峙した時のような絶望を感じる…何なんだ!?…クソッ…


夜叉は息を呑み込む。









何が起こったかは分からない。


一瞬

瞬きをするかしないか程度の時


気がついた時、目の前に剣を握りしめた一本の腕が転がっていた。

と、同時に右の肩から激痛が走る。想像する以上の痛み。


「う、うわあ!!!」


少し遅れ血しぶきが後からついてくる。

やっと認識する、、、自分の腕が切り落とされた事を。




この星は剣が支配する世界。

絶対者であるソードマスターは法である。

しかし強者は象徴であるか故に、強者で居続けなければならない弱肉強食の世界。


負ければそこで潰えるのである。


この法を定めた者はスサノウと並び地上最強三人衆の一人であり、この星を統治する『帝』である。

最強にしてソードマスター最高の地位である"大天位"の称号を持つ人物。


帝の思考、行動、存在は読めぬ、見えぬ、唯一である。

その者が統治する世界。




夜叉は痛みと同時に死を切望した。

剣使いにとって剣を握る事ができなくなった時点、即ち負けは存在そのものの死を意味する。


「は、早く…ら、楽にして…くれ!!」

仮にも剣使いの端くれ。夜叉は覚悟をした…





※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※


やっちゃん


やっちゃん!


ヤシャったら聞いてるっ??!



「…何だよ?聞いてるよ…」

夜叉はその声の主をウザく(めんどくさく)感じていた。

【いつも説教してくる…もう聞き飽きた…はぁ〜】


「なんなのっ!やっちゃんの剣術はすごいか知らないけど

そんな考えだといつか痛い目みるよ!」

その言葉を発しながら困った顔をした少女が、夜叉の目の前に立っていた。

夜叉とその少女の歳は10歳程度で、幼なじみでなにかと夜叉の心配をずっとしていた。


【俺は剣使いになって全てを手に入れてやるんだっ…】

幼い夜叉にも野望があった。

貧しい家に生まれたが、剣の才がありその力を利用し自分を見下している奴らに復讐し、富と名声を手してやると。


「人が話してるのに!…何考えてるの!?…もう」


※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※



こんな時に、とうに忘れていた記憶がよみがえりやがるなんて…


夜叉は目を閉じ、ニヤッと笑った。



【…秋穂、お前の言う通りだったな……】


【剣使いになっても最下位…上には上がある…………………か…】



ドサッ


鈍い音ともに、夜叉と名乗る男の人生は幕を降ろした




※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※



「いつもありがとねー

男手がいないからいつもたのんでばっかだねー

感謝してるよ」


一人の中年の女が屋根を見上げて言った。


「いやいや、大したことじゃない(笑)」

その男は屋根の上で修理をしていたようで、声を掛けられたと同時に終えたようだった。


「こんな事ぐらいしかお礼できないけど、食べておくれ」

女はそう言うと、屋根から降りてきた男に二切れのパンと牛乳らしきものを差し出した。


男は、優しく言う。

「サキさん、ありがとう。これで十分だ」

男はサキと名乗る女から受け取った。


男は、この小国ザ・スーンの端に位置しているケヤブという名の貧困街で皆から『シン』と呼ばれている。

10年前、この街に突然現れそこから暮らし始めた。正直、誰も現れた以前の素性は知らない。しかし、何故か人を惹きつけるものがあり街の皆から慕われていた。


すると、どこからともなくシンと名乗る男へ、皆が声をかけてる。

「サキさんの次は俺ん家の塀を直してくれよな」

「いやいや、シンさんワシの所が先だぞっ」

「シンおじさん私と遊んでくれる約束は」


シンは笑顔で声をかける。

「ははは、皆んな待ってくれよ。順番に必ず直すよ。カヨともその後ちゃんと遊んでやるからな」




大勢が集まるその向こうで、建物の陰に身を潜めているフードを被り姿が確認できない者がいた。


見つけた…


そう一言呟くと、建物の陰の中へ姿を消した。




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