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白黒出版・白版~本が売れない時代だから出版を考える~  作者: 伊阪証


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『肉と呼ばれた僕を、君はまだ名前で呼ぶ』のレビュー

https://kakuyomu.jp/works/2912051602309442141

優れた心理描写と台詞・地の文の分離といった技術が組み合わさった点が強く、本作は単なる「裏社会モノ」の枠を超え、極限状態における「人間としての尊厳の回復」を描く切実な人間ドラマに昇華されている。極道の真壁からも「肉の壷になれ」と最悪な野球漫画の監督みたいなことを言われ道具として扱われ、ムサシだけは決して彼をモノとして扱わず、「お前は、俺の――恩人だ。気持ち悪いとか、絶対に思わねえ」という複雑で直接言わず強制する邪悪とストレートで分かり易い救済、「人間でいられるかどうか」という瀬戸際の執着の勢力争いにはかなり良質なものである。

首輪をつけられ、暴力の気配が漂う異常な裏社会、図書室で一緒に勉強し、おにぎりやコロッケパンを分け合った普通の高校生活は先を読まずにはいられない渇望としては確かに良い。

ただ言うが露悪的過ぎない?となる。露悪に加えて大隈重道とかほぼ実在の人名等を相手取ってやるのはやっぱ不味いし、

仮にその辺の描写除いても露悪に対してのアンサーが無い、それが描写の装置にしかなってないのと、BLって見出すものであってこれBLですって提供されてもなんか違う。友情があって、愛情との区別がつかなくて段々踏み込むというのを上手く描写するのがいいもののこれ最初から女でよくね?となってしまう。なんなら一般ウケを切り捨てた分商売的にも損である。露悪面でも話題性を狙うなら闇バイトとか闇案件みたいな感じで元々インフルエンサーしてたアイドルやってみたいってなった子がそっちの道に行ってしまった、とかで良いと思うのだ。

露悪は話題性、BLは表向き隠そうとしてちゃんと学校生活を事細かに送って支障が出ていない上に悪くないと思った中で、自分に優しい愛情を向けてくれる人、体を多く重ねてそれだけの筈なのに上っ面の筈なのに虐待ばかりしているのに愛情を感じてしまう、といった一目瞭然なのに混乱して決めかねるとか、バージンばっかり好むならそれなりに捨てられてニューハーフヘルスで頑張ってる先輩みたいな人に接触出来たとか、その人から手ほどきとか準備を受けた、みたいな描写があれば露悪さにリアリティが増して引き込まれる。

そういう風に性描写を補強する説得力というものがない。

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