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エッセイとフィクションのはざまで いつも返ってくるとは限らない
エッセイとフィクションのはざまで
いつも返ってくるとは限らない
電車で席を譲る
バスで席を譲る
なんで毎回自分だけ
同じ場所にいたのに
自分だけが叱られる
同じ事をしたのに
自分だけが罰金を取られる
財布を拾って届けたけれど
なくした定期は返ってこない
他の人と同じ対応なのに
今日もクレームが降ってくる
小さな親切をしても
今日もそれは返ってこない
そんな日常で溜息をつきながら
前を向いて歩いているのに
携帯見ながら歩いてくる奴に
舌打ちされる
いい人にだけ良いことをすればと
やってみたけれど
自分よりも褒められて
落ち込むだけの日々
親切なんかやめちまえ
今日も明日も囁かれる
誰も見ていないならそんな無駄なこと
そう誰かの声が聞こえる日もあるけれど
そこに自分がいる
返ってこなくても
小さな親切で大事にしているのは
相手もだけど
自分
自分の声だけ聞いて
今日も前を向く
