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エッセイとフィクションのはざまで サングラスの人 ②
エッセイとフィクションのはざまで
サングラスの人 ②
いつの時代も
視線が合わない人がいる
まったく見えない
濃いサングラスの人
誰の心にも浮かぶあの人が
今日もサングラス姿でにんまり笑う
暑い夏に
熱い歌を造語で歌って
暑い夏に
汗を拭いては散歩して
暑い夏に
長袖をまといながら
暑い夏に
熱い歌を歌っている
だけど
誰が浮かんだのかと問えば
きっと違う人が出てくる
意外と多いサングラスの人
濃すぎると目によくないらしいと
現代科学が言う
視線が合うのは恥ずかしいと
視線が合うのは怖いからと
今日も薄暗い世界を見ている
イヤフォンにも近い自分だけの世界で
今日もサングラス星人は生きている




