表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
それはよくある異世界転生  作者: 乙屋敷


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

31/323

31 ヤバい奴ら

ゴールデンウィークなので初投稿です

 再び町長の屋敷に向かうべく馬に跨り街道を行く。

 空が夜の黒から瑠璃色に変わってきており夜明けが近い事を告げていた。


「なぜ町長さんは山賊を襲わせたのでしょうか」

「可能性としては補償金詐欺……山賊襲撃で受けた損害を王都から貰える支援金をそのまま掠め取ろうとしているって感じか?」


 しかし現代日本ならともかくこの世界観(中世ファンタジー)では大抵の場合借金という形になると思うが。

 それに国境付近の重要度の高い場所ならともかく、ここは国内でも王都付近で聞いた話では街道に勝手に出来た宿場町だ。その要求だって突っぱねる可能性すらある。


「でしたら本当に襲わせなくても嘘をつくだけでよいのでは……?」

「ここまで王都に近いと王都に住む民に影響が出かねない。実際に騎士団なりが調査に来るだろうし、もしその時、嘘とバレたら飛ぶのは町長の首だけでは済まないかもしれない」


 まあ全部想像の域を出ないモノばかりだし町長に聞けば分かる話だ。スレイは聖女(イザベラ)が危ないと言っていたがどういう事なのだろうか……

 街道から町長の屋敷へ続く道に入り、坂を一気に駆け上がる。

 屋敷に近づくと剣戟が聞こえてきた。誰かが戦っている?門を通るとスレイが黒ずくめの者達と戦っていた。


「スレイ!」

「ユート、こいつ等は聖罰者(インクイジター)だ!聖女様を連れて逃げてくれ!」

「聖罰者?よくわからんがヤバそうなのは分かった!」


 そもそも500人の山賊を無傷で滅多切りにしたスレイが数人相手に防戦一方の時点で相当の手練れであることは間違いない。

 馬車を見ると同じような格好をした黒ずくめが馬車のドアを開けようとしていた。


「いくぞ!」

「はい!」


 スキルを発動して黒ずくめに切りかかると、黒ずくめはこちらに気付き手甲から生えた剣を交差させて受け止める。


「そりゃパタか?随分難しい武器使ってんな!」

「……」

「無言かよ、アリス!」

「せいっやぁ!」


 アリスは黒ずくめと俺の間を縫うように通り抜け、その間に二つの短剣で切り刻む。

 やったか、と思ったら切りつける度にギャリギャリと金属音が鳴り響く。黒ずくめがアリスの攻撃で怯んだ隙に上段蹴りで相手の顎を蹴りぬいた。

 黒ずくめは崩れ落ちた、どうやらいい感じに入って気を失ったようだな。アリスの斬った部分を見ると楔帷子のようなものが見えた、それにこの色、スレイと同じ白銀の鎧だ。


「なんだか厄介なことになってきたな……イザベラ、無事か?」

「外から急にすごい音が聞こえたと思ったらドアを無理やり開けようとする奴がいるし、一体何がおきてるのよ!」


 うん、元気そうだ。スレイの馬を馬車に繋ぎ直す余裕はないな。スレイの方を見れば何人か倒しているし、どこかで守りに徹した方が良さそうだ。となると肝心の場所だが、馬車周辺は広いが逆に複数人で攻められる危険性がある。遠くに行こうにも馬車は動かせないし、もし殺られたらスレイが助けに来るのに時間がかかる。ならば行くべきは1つ。


「屋内なら敵の方向も絞りやすいし、町長の屋敷に行くか。イザベラもついて……来るにはその服装は難しいか、よっと」

「へっ?あんたなにを……きゃっ」


 片腕をイザベラの腋に通し、もう片腕で膝を抱える。所謂お姫様抱っこになったがまあ時間も無いしこれで行こう。


「ちょっと!何してんの……」

「悪いけど非常事態なんだ、少し我慢してくれよ」

「〜〜っ!分かったからもうちょっと離れなさいよ!顔が近いのよ!!!」


 グイグイ顔を押されているがそう言われてもこの状態じゃあこれ以上離れられないのだが。


「よしアリス、町長の屋敷に向かうから護衛を頼む……?」

「お姫様抱っこ……お姫様抱っこ……」

「アリス?どうした?おーい?」

「はっ?!何でもありません。それでいかがしましょうか?」

「いやだから、屋敷に移動するから護衛をしてくれって」

「わかりました。お姫様抱っこですね」

「言ってないが?」

「失礼しました。聞き間違えました」

「どうしたらそう聞こえるの?!」

「いいからさっさと行きなさいよ!」


 屋敷に入ると先ほどとは打って変わって静まり返っていた。明かりはついているものの人の気配が無い。

 ともかく町長が居た部屋に行ってみよう。


「町長、また来ました!」

「ひぃっ!お、お前!守護騎士(ガーディアン)殿の腰巾着!私を助けろ!」


 へたり込む町長、倒れている兵士、外の連中とは格段に違う雰囲気を持っている黒ずくめの男……男?、ヤッベ来るタイミング間違えた。


「失礼しました!」

「まって!助けて!」


 扉を急いで閉めると剣の切先が飛び出してきた、あっぶな。

 距離を離すと扉が破壊され、黒ずくめが出てきた。急いで廊下を走る。


「町長さん、置いて来てしまってよかったのでしょうか?」

「あの黒ずくめ、こっちを見た途端に襲ってきたし、目的は町長じゃなくて俺達なんだろう」


 だから大丈夫とは限らないが、兵士全員倒れていたし。


「ねえ、さっきから襲ってきてる黒頭巾って誰なのよ?」

「スレイは聖罰者と言っていたが……」

「聖罰者!?嘘でしょう!」

「知っているのかライ、イザベラ」

「真聖教でも異教徒を滅すべしって過激な派閥が作ったって噂の異教狩りの部隊よ。噂話でしか聞かなかったけどまさか本当に居るなんて……まって、あたし達アレに狙われてるの?!」

「そういう事になるな……っと突当りだ」

「はあ?!どうするのよ絶体絶命じゃない!」

「ご主人様、いかがなさいますか?」

「決まってる、ここで迎え撃つ」

多分明日も更新する

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ