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召喚師と竜の誉れ  作者: 柴光
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第87話 栄光竜対?竜

 


 この山を拠点としている悪魔は驚いていた。


『誰だ?我は疲れている。後にしろ』

『そうはいかない。ここは私の寝床だ。君みたいな大きな者に居座られたらたまらん』

『ふん、悪魔か。貴様等の所業は聞いている。この地に魔物がおらんのは貴様のせいだな?』

『そうだね。食べ尽くしたからね。君も食べてみたい所なんだけど、どうだい?私と一緒に来ないかい?』

『断る』

『連れないなぁ。私もね、君の悪行は知ってるんだよ。なんでそんなことしてるの?』

『悪魔に話す舌など持たぬ』

『ハァ。なら死んでよ。私の血肉になって!!』


 悪魔の前に魔法陣が広がった。


『さぁ来い、カヴァードドラゴン!』


『ただでさえ狭いのに、竜を出すとは愚か者め。栄光竜に我は倒せんよ』

『竜の君がそれを言うかい。私も巻き込まれたくないんでね』


 そう言うと、栄光竜が突っ込んでいく。



 壁を突き破って外へ出た竜は雲の中へ消えていった。

 その狭間からは雷と炎が激しく入り乱れるのが見える。二体は円を描くように撃ちつ撃たれつを繰り返す。

 やがて距離が縮まると互いに爪による攻撃を仕掛けた。

 裂かれたのは栄光竜のほうだった。


 雲から出てきたのは落下する栄光竜だが、体勢を立て直し再び羽ばたいた。

 もう一体の竜もそれを追いかけ、雲から出てくる。


 立て直したが、空から降ってきた炎が全身を繰るんだ。それでも雷を真上と放つと、放った直ぐ近くで拡散した。

 動揺する栄光竜だが、何故だかすぐに解った。

 拡散した直後に先程よりも深く爪跡が首から腹部にかけて刻まれた。


 その竜は爪の斬撃を行うと、空を見上げ栄光竜に炎を吐いた。

 力尽き、落ち行く竜を捕まえ、悪魔が高みの見物をかましている所に放り投げた。


『おのれぇー!ブルードラゴン!!』


 焼かれたまま放たれた竜は悪魔を岩壁へと押し潰した。

 退かそうにも退かせない。解除もされないということはまだ生きている。だが意識がない。


『なぜ解除出来ない!?何が起きてる?!熱い!!ブルードラゴン!お前の目的はなんなんだ!天使なのか?悪魔なのか?誰の味方をしているんだ!』


 しかし答えない青竜。


 生きたまま焼かれていく悪魔は言い放つ。


『このティファレトを破ったことを後悔するがいい!私の兄ミカエルがお前を伐つ!ハーァハッハッハ…』

『愚かな』



 悪魔と栄光竜は焼かれ、消えていった。












[栄光竜]

 カヴァードドラゴン。上級種。

 力よりも技で翻弄する竜。大きさは一般的な竜種と同じ。

 黄色の鱗を持ち、幸運の竜とされ崇めている国も多い。


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