表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
召喚師と竜の誉れ  作者: 柴光
87/308

第85話 獅子王

 


 村に戻った俺達はそのまま休むことにした。

 屍竜を倒したのだが、それの原因となった鋼竜が残っているのだ。

 このまま何処かへ行ってくれていれば良いのだが、戻ってくる可能性もある。

 しかし、いつまでもこの村にはいられない。


「多分ですけど。屍竜と化した友に恐れ、何処かへ行ったと思いますよ」

「だと良いんだけどな」

「もし戻ってきても今のボクなら負ける気しません!」

「言うようになったじゃないか」

「お二人から勇気と、ジルさんからは渇を貰いましたから」

「勇気なんて逆に欲しいよな」

「お二人は人間なのに、竜に立ち向かっていく姿は圧巻です。ボクも見習いますよ!」

「フルメタルちゃんはそれで十分だよ」

「全くだ」


 談笑を終えて床に着き、朝を迎えた。



「本当に大丈夫なんだな?」

「はい!鋼竜が戻ってきても次は負けません!そのうち他の魔物も戻ってくると思います。」

「そうか。元気で暮らしてくれよ」

「元気でね」

「有難う御座いました!お気をつけて!」


 銅亜竜と別れ、村を後にした。

 ここから南下すれば大きな街であるクインテットに到着する。

 随分遠回りになったがようやくたどり着ける…はずだ。



 村を出てその日の夜中、平原の木陰でテントを張っていたのだが、魔獣の群れに襲われることになった。


「速い!」

「見極めて攻撃するんだ!」

「言われなくても!!」


 レオンタイプのケーニッヒレオーネは群れで狩りを行う習性があり、一体一体が力が強く、何より速い。速いだけのウルフタイプとは訳が違う。

 その群れに苦戦を強いられていた。


「サキ!」

「おうよ!」

 アイが叫ぶと共に雷魔法を放ち、それを避けたレオーネの後方から剣で斬り裂いた。


「やっと二体目かよ」

「後四体もいるなんて」


 コイツ等は召喚をさせてくれる時間も与えてくれない。

 人の身でこの数を相手するのは骨が折れるどころか生き残れるかも怪しい。


 俺へと走ってくるレオーネに剣を投げたが避けられ、横からも一体飛びかかってきた。横のヤツの方が速く、俺は剣で下から払おうとしたが、頑丈で巨大な爪に防がれた。

 少し遅れて正面から来たヤツは盾を構えていたのにも関わらず突進され、体勢を崩した俺に二体の牙が襲いかかってきた。


「ゆけ!エリュテイア!」


 その声が聞こえたとほぼ同時に、俺へと迫りくる二体が隕石のような焼けた岩により弾き飛ばされ、動かなくなった。


「後二体じゃ、頼むぞ」


 アイと交戦してた二体も焼き払われた。


 あっという間に四体のケーニッヒレオーネを倒したのだ。



「大丈夫じゃったかの?其奴等はしつこくてのぉ」

 そこに居たのは鞘に収めた剣を杖代わりにしているお爺ちゃんだった。








[ケーニッヒレオーネ]

 メスのレオンタイプの魔獣で、群れで狩りを行う。魔獣の中では一位二位を争う素早さで、魔法は使わないが爪と牙による攻撃は骨をも断つ。





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ