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召喚師と竜の誉れ  作者: 柴光
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第46話 折れた白翼

 


 雷竜、雲竜は白竜の念話を受け姿を消した。時を待てと。

 六体の竜が邪竜神の猛攻を必死に流し、僅かでもダメージを蓄積させている。



『見ちゃおれんぞ。コクウンの』『耐えるんじゃイカヅチの』

『そうであるが、このままではじりひんじゃ。コクウンの』『イカヅチの。儂等には儂等の役割がある』

『…そうじゃの、『全ては世界の為に』』



 ジルコートは翼や背中に魔法をぶつけている。それを厄介そうに邪竜神が尾で払おうとするが、その速度に追い付けない。

 ノワルヴァーデ、幻影竜達は頭の一つを延々と狙い続けているものの、時たま怯むくらいである。しかし、着実にダメージは入っている。

 その頭は鱗が剥がれ、青い血が流れ始めていた。


『白の眷属、もう少し頑張って』

『黒竜よ、我等の魔力は残り少ない。いざと言うときは頼むぞ』


 もう時間がない。幻影竜達の魔力は底を尽き始めている。ノワルヴァーデも蛇神竜との連戦で魔力が心許なくなってきていた。

 だが、勝機がある以上諦めるわけにはいかない。



 地上にはその戦いの余波が降り注いでいた。すでにジルコートの防壁が破れ建物がいくつも破壊され、吹き飛ばされ、燃えているものさえあった。

 住民は先の蛇神竜との戦いの時、後方へ逃げ出していた。

 その余波から仲間だけでもと、守り続けるアイだが、その盾も白竜から貰った魔力も限界に近い。


  「アイ、もう少しだけもたせて!」

「そろそろヤバいけどね。行くの?」

「ええ!ヒールラント、ミィ。やるよ!」

「おうよ!」「ニャアッ! 」


『ノワ!そっちへ行くよ!』


 アイはノワルヴァーデに念話を送った。ハイレーンにヒールラントと白虎がピタリとくっついた。


「アゲート!」

 二人と一匹は攻撃を受けていた邪竜神の頭に転移した。


 二人はありったけの魔力を自分達の剣に注ぎ、傷ついた皮膚へと突き刺した。

 白虎を残し、再び転移する。すかさず白虎はその2本の剣目掛け最高出力の雷を落とした。


「ガァァァァァァッ!!!」


 叫びを上げる頭。

 白虎はそこから飛び、ジルコートが受け止める。

 ノワルヴァーデ、幻影竜達と白竜が残り二つの頭を文字通り押さえる。


『雷、雲』

『待っておったぞ!』『行くぞイカヅチの』

『来たれ。コクウンの』


 雷竜が姿を現し、その周りを雲竜が雲となり纏わり付く。

 雷竜からは髭が無くなり逆鱗が生え、身体は細くなってゆき、電気と雲が身体を覆う。


『飛ばされるでないぞ。コクウンの』『掴まっておるわい。イカヅチの』


 光りの線が一瞬にして邪竜神の心部から背中を貫いた。

 光速。光りの速さで逆鱗による突撃を喰らわせたのだ。本当なら三つ首全てを無力化してから繰り出したかったが予想を超えた力を有していた為、今実行するしかなかった。



『離れて!』


 ノワルヴァーデが叫んだ。

 白竜が押さえていた口が開き、ブレスが白竜を襲った。

 直撃し焼かれ落ちていく白竜。


 その攻撃を最後に邪竜神が黒く輝きだし粒子となって消えていった。





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