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召喚師と竜の誉れ  作者: 柴光
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第34話 粒子ビーム砲

 


「ねぇ、あれってサイクロプスよね?なんで暴れてんの?」

「ん?なんかいるんだろ」


 遠くでドデカいサイクロプスが二体暴れている。気のせいにしたかったんだが。


「見て!人がいる!」


 よく眼を凝らすと、ヤツの周囲を跳ね回る人らしき姿が確認できる。


「あれマズイだろ!行くしかないな」

「ほら!早く立って!」


 俺達は慌てて駆け寄っていく。



「試してみるか」

「なにを?」

「この前教わった転移魔法さ。コツさえ掴めれば出来るって話だ」

「魔力は足りるの?」

「俺の魔力なら2回くらいは。転移魔法は燃費が悪いからな」


 近付くとハッキリと人が交戦状態なのが分かった。その人は身軽な動きでサイクロプスの周りを跳ね、攻撃を避け2振りの短剣を振りかざす。


「やるぞ!先に行く」


 俺は転移魔法を試した。集中し行きたい所を直視し、唱える。


「アゲート」


 成功した。サイクロプスの眼の前に飛ぶことが出来た。

 突如現れた俺に驚き身を引くサイクロプスに目掛け、喚び出したクレイモアでその眼を突き刺す。

 倒れる一つ眼に身を委ね、突き刺したまま一緒に地面を目指す。

 大きな音が地を這う。無力化された一体にもう一体が眼に光を溜めて光線を射ってきた。


「あぶねぇな!仲間が焼け焦げたぞ!」


 アゲートでその光線をかわす。

 これでもう転移出来る魔力は残ってないのでもう一体はアイに任すことにした。

 が、


「眼を狙うのね」


 女?先に戦っていた一人がそう言うとサイクロプスの身体を使い、顔の前まで飛んでいく。


「とんでもない飛脚力だ」

「あれって人なの?」

「人だろ」


 その手に持つ短刀に光りが生じ、それを眼に刺し込んだ。

 そのまま崩れ行く巨人。どうやら終わったようだ。



「ありがとう。助かったわ」


 その女性はフードを取った。


「エルフとは珍しい」

「ほんとだ!何年か振りに見たよ」

「フフ、私達エルフは人里に行くことが稀だからね」



 淡い青のコートを羽織った女性は耳の尖ったエルフ種だった。亜人と呼ばれる種にはエルフ、ドワーフ、獣人がいる。彼等にとっては人間も亜人である。


 そしてエルフは人の街に滅多に来ない。たまに見掛けるが王都や栄えた大きな街でしか見たことがない。人嫌いって訳じゃなく行く必要がない、街で見掛けるのは冒険や興味を抱いて行く好奇心旺盛なエルフだそうだ。


 俺も話す議会なんて滅多にないから色々聞きたいもんだ。







[サイクロプス]

 一つ眼の巨人。

 ロプスタイプの中で力だけなら最強種に位置する。灰色の皮で被われ、顔には巨大な眼が一つあるだけで口も鼻もない。

 鈍感らしく部位を切り落としても何ら変わらず攻めてくる。




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