第32話 肉を巡る死闘
まさかこのサイズが来るとは思わなかった。いや、このサイズを想定して獣道から離れてテントを張ったが、匂いに釣られて来るなんて想定外だ。
「アイ、ヤツを引きつ「絶対嫌っ!」
「なんで!?」
「囮になれっていうんでしょ!?」
バレてた
「ならそのフライパンを寄越せ」
「投げたらこれで叩くからね!」
俺はそぉっとアイからフライパン受け取り、ヤツの斜め横を走る。
「グォ?」
「こっちだ!これが欲しいんだろ?」
「グォォン」
よし、着いてきた。これで心置きなく戦える。アイが。
少し離れたのを確認しアイに合図を送る。グランドザウラーの背中に水の矢が飛んできて悲鳴を上げている。
その口目掛けてバスターソードを放り投げた。
「ゴッ!」
声が出ないようだ。アイが止めに尻尾を切り落とす。
「余裕」
「囮嫌がってたくせに」
「肉を守りながらなんて無理よ」
「いつも俺を守ってくれるじゃん」
「肉のほうが大事」
酷い仕打ちだ。
喉奥に突き刺さった剣を解除し野営地点に戻り朝を迎えた。
半日も歩けば下山出来る距離だが、ここから魔獣が増え始め幾戦もこなさなければならなかった。
「急に増えてきたな」
「でもウルフなら食糧になるよ」
「ウルフならいいがボアは食えんからな」
麓が近付くとそれに伴いマウントウルフ、ブラックボア、ディープモンキーからの攻撃を受け始める。ディープモンキーは持ち物狙いか。
きっとグランドザウラーに追いやられて下に降りてきたのだろう。
「あっ出た出た」
「ようやく平原だ」
「ここからずっと平原?」
「少しずつ起伏が上がっていき街に着く頃には此処より高い位置になってるよ」
街まで5日の距離。
[魔獣の肉]
手早く解体、処理が出来るウルフタイプが好まれる。
ボアタイプは仕込みに時間がかかる為、旅の途中は好まれないが店で調理された肉は柔らかく美味しい。
モンキータイプは好き嫌いがハッキリ別れる味(見た目?)となる。




