表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

38/39

024 愚痴を聞くくらいの事はしてあげたいと思うけど、酔っ払いの愚痴はタダ酒を飲ましてくれると言われても、何時間も聞かされるのは嫌だよね

暇だけど


■新年


新年を迎え、正月休みも終わりを告げた。

職業訓練校の授業も始まって、学校に通うのはもう50日くらいしかない事を知る。

高卒の僕にとってはこの職業訓練校が最終学歴になる。

というか、正式にしていいのかはわからないのだけれども。

もともと高卒という肩書に、コンプレックスがあったので、ここは素直に履歴書に最終学歴として書かせてもらい、その上で次に働く職場に採用されているわけだから、良しとしようと思う。


 個人的にはあと数年間は学校に通っていたいくらいなんだけれども、経済的理由やら、親の高齢化とか、老化とか目前に差し迫った問題が山積みになっていて、もはや積んでいると言っていいくらいではあるから、泣く泣く諦めるしかないのが実情である。

 あと数年も学校に行ってたら、自分は五十代に突入しており、人生五十年下天のうちにで、もはや晩年と言える状況になる。

 もちろん、五十代、六十代のクラスメイトもいるのだから、僕などまだまだヒヨッコであるくらいなのだけれど、自分自身でそう思うのは仕方ないだろう。


職業訓練校の卒業まであと2ヶ月。

これからが地獄の始まりである。

介護過程II、Ⅲ。

医療的ケア。

内定先で企業実習一週間。

成績考査✖️2

修了式。


ネットで検索しても、介護過程が難しいと言う意見をよく見かける。

介護過程を検索しようと入力すると、予測ワードに「難しい」と表示されるくらいである。

そんな授業予定に身震いをしつつ、新年が始まったのである。



■愚痴と休日


連休の最終日、朝早くからLINEの通知音がけたたましく鳴る。

何かと思って見てみたら、職業訓練校のグループLINEだった。

内容は大したものでもなく、クラスで仲良くしている高円寺さん(仮名・45・男性)の愚痴である。


高円寺さんは、大人気無い性格というか子供っぽいというか、よく言えば曲がったことが嫌いなタイプなのだけど、どちらかと言えば、その性格は悪いほうに出ていると言える人である。


どれくらい悪い方向に出ているかと言えば、授業中にクラスの空気が悪くなるレベルで出ている。


もちろん高円寺さんの言い分もわからなくは無い。


僕たちは全くの本当の素人な状態から、縁もゆかりもなかった職業を目指そうと、職業訓練校にやってきたわけであるから、根本的には何もわかっていない。


わからないから職業訓練校に学びに来ているわけである。


もちろん何も資格も無いままに働いてる人はいっぱいいる業界ではあるが、何の意識もなく飛び込む勇気があるような年齢では無かった。

せっかく職業訓練と言う制度を使って学べるならば、学んでから働きたいと思うのは当然と言えば当然であろう。


目指す先が専門職で、さらに国家資格だと言うのならば、尚更のことである。


そのために選考試験まで受けているのだから、別にお友達を作りに来ているとか、遊びにきているわけではない。


無いのである。


そんなわけで実技講師の先生に、そんなこともわからないのかとある程度強い口調で言われれば、短気な高円寺さんが、わかりませんと強い口調で言い返すと言うのもわからなくはない。


わからないから学びに来た。

だから、わからないのは当然である。

それはわからなくはないけれど、そこでムキなって言い返すのもどうだろうか?とも思う。



僕たちが受けている授業は介護福祉士実務者研修である。

本来ならば、介護職として実務経験をそれなりに経験したことがある人が、介護福祉士を目指すにあたって、受けていなければ試験資格を得られないと言う資格である。

だから当然のように、現場での知識がある事を前提とした授業もあるのである(それが介護過程Ⅱである)。


ハローワークなり、選考試験前の説明会で、先にその事を言っておいて欲しかったと思ってもそれは後の祭りである。

前職で介護現場で働いていた数名以外は、現場の知識が全くないままに、実務者研修をテキストと、講師の板書と経験談を元にクリアしなくてはならないのである。



「わからない事は仕方ないじゃないですか?それならば、わかるように考えるなり、聞くなり、テキストを見るなりしなさい。わからない事をわからないままにして、介助をするんじゃない‼︎」



どっちもどっちと言えば、どっちもどっちなんだけど、どちらかと言えば後者の言い分の方が正しいと思えてくるのは、僕はブラック企業で働いてきた社畜体質だからだろうか?


学校に学びに来ているのだから、わからないなら聞く態度というのも見せるべきではないかと思う。


それを、わからないものはわからないだろうと言い返すのも大人げないだろう。

もちろん講師にも、もっと言い方があるとは思う。

しかし明確な力関係である、教えられる方と教える方。

ここは一歩引いて、

すみません。

ちょっと理解できませんでした。

もう一回見本を見せてもらえますか?

などと場を収める言い方もできるのではないだろうかと思う。

と言うか、心に思うことがあっても、面倒くさいので、僕はそうするだろう。


お互いに待ったなしで一歩も引かず、教室の空気は最悪になり、僕らはとばっちりを受けた中で授業を受けなければならなかった。

高円寺さんには、もう少し大人になってほしいと思うクラスメートたちは多い。


クラスの皆がどう思っているかなどと言う事を高円寺さんは知らないが、そんなことがあったので、もともと高円寺さんのモチベーションは低い。

授業は難しくなっていく中で、採用面接は受かっても、勤め先の給料が安すぎて、働いてる方が苦しいんじゃないかと思う位の金額に打ちのめされていると言う、いくつかの要素が重なってしまい、精神状態は最悪だと言う話は、本人から聞いていた。


LINEでも、それらに関する文章が入力されている。


そしてそれに誰かが答える事は無い。


今後の授業について高円寺さんが投稿した。

四捨五入で五十のオッサンが、一人グループLINEでピエロのように独白している。

一人相撲に居た堪れなくなって、


「まだ始まってもいない授業をあれこれ考えても仕方ないですよ。なるようにしかなりません」


そう送ったら、高円寺さんから速攻で電話がかってきた。


正直言って高円寺さんの電話に出るのは嫌だ。


電話と言うのは掛けた相手の時間を奪うことになる。

だから僕はよっぽど話をした方が早いこと以外は電話はしない。

電話しても、基本的には1分以内に通話は終わる。

急ぐわけでもない用事や、簡単な連絡事項であるならば、文字情報で十分である。

文字で残っていれば、自分の時間の都合の良い時に見ればいいだけであるし、記録としても残る。

しかし、僕より2つ年下の高円寺さんは電話のやり取りの方が好きな昭和の男であった。

いままで何度か休みの日に電話をかけてきたのだが、毎回どうでもいいような話を1時間以上していた。

同じ話を何度も繰り返すのは認知症を疑うレベルだったが、それは所々で舌が回っていなかったり、寝落ちされた事もあったので、アルコールのせいだったと予測している。

彼は電話魔だった。

そして話した内容も覚えていない、最悪のパターンである。


今いいですかと高円寺さんが言う。


ダメだったらどうすんだ?と思うのはこの状況に置かれたならば、きっと僕だけじゃないのだろう。


しかもまだ午前8時前である。

高円寺さんは休日となると、朝から酒を飲んでいることがある。

だから同じ話を何回も何回も繰り返す。

今までの最長の通話時間は1時間43分である。

それもこちらから用事があるんで、そろそろ……と言わなければもっと話していただろう。

その時は高円寺さんが電話の向こうで寝落ちしてしまい、通話不能になった。

その時は午前9時ぐらいから、午前11時半ぐらいまでだったのだが、その日の午後10時位にまた電話がかかってきて、午前中と同じ話を1時間ほどされたのである。

基本的に話の内容は、解決することなどはない、どうでもいいようなことばかりで、高円寺さんの愚痴である。

クラスに誰か気に食わない奴がいる。

そいつは馬鹿だ。

頭おかしい。

あいつは気にいかない。

あいつは一体どうなってるんだ。

どう思いますか?


みたいな話を永遠にぐるぐる回ってされるのである。


そんなの知らねえよと思いながら、それでも話を聞いてあげる。


「そんなことを気にしたって、どうにかなるし。それなのに、やってもいないのに先のことを、あだこうだと心配したって仕方がないでしょ?」


そんな話をやんわりとオブラートに包んだ感じで僕ははなすのだけれども、基本的に酒を飲んでいるので、こちらの話などには全く興味はないようで、ひたすら自分の話に心を寄せて、聞いてくれる相手が欲しいだけのようである。


つまり、僕の意見など最初からら必要としていないのである。


今回の電話もまた同じような話だったので、悩んだところでどうにもできない事を、悩んでいると言う話に、僕は悩んだところでどうにもならないと言うことを言い、クラスの誰が歳上に敬意がないと言う話については、同期で年齢は関係ないと言い、それぞれいろんな人がいるのだから、友達を作りに学校に来ているわけでもないし、それはそれでいいんじゃないかと言うことを伝え、内定した就職先があまりにも給料が安すぎて就職しても生活していけないと言う話には、もともとこの業種は給料が安いのはわかっていて学校に通っているわけだし、ちょっと学校で学んだくらいの素人を、雇って高額な給料を払ってくれるような働き先はこの世にはないと言う話をした。


高円寺さんの知り合いは、トラックの運転手をしていて、手取り四十万だと言う。

四十万ですよ、四十万あるんですよと言う。

だけれどそれは、その仕事で何十年もやってきたからであって、僕たちと比べる様なことじゃないじゃないですか?などと答える。


「給料が安いって言うんだったら、前の仕事で培った技術を生かせる前と同じ仕事で就職先を探すしかないですよ」


そんな事を言うと、あの業界にはもう戻りたくないと言う。


ここまでくるとそれじゃあ、どうしろと言うのかと、温厚で有名な僕をイラッとさせて来る。


この人は単純に、連休最終日に話す相手もいないくて1人でいる寂しさを、僕で紛らわしているただの寂しがり屋な高齢者ではないかと思い始める。

プライベートで親兄弟でもない孤独老人の面倒を、なぜ僕が見ないといけないのかと、正直言わせて貰えば面倒になってきた。


ここまでは傾聴で、Iメッセージな話をしてきたが、Youメッセージな話し方に切り替える。


「高円寺さん、学校で講師の先生ともめたときに空気が重くなって、他のクラスメイトにとばっちりを与えたと言うのを自覚している?」


「……俺、講師と揉めましたっけ?」


「わからない?わかりません。の話の時」


「あの時は、わからないからわからないって言っただけで、揉めてないよ?」


「そう思ってるのは高円寺さんだけだから。あのあと講師の先生の機嫌が悪くなって、対応のハードルが上がったのわからなかった?午前と午後でクラスを半分に分けて別々の授業をしてたけど、午前組は何の問題もなく授業は進んだけど、午後組だった僕らの時は、ピリついた授業になっちゃったじゃやいですか?」


少し丸く収めるとか、納得いかない事でもその場の空気を読んで飲み込むとかそれが大人という物ですよみたいな話をした。


お互いすでに仕事が内定している身の上の高齢者であるのだから、次の職場には自分よりずっと年下の子供のような年齢の先輩、上司がいるんだから、自分の思うことだけ言っていたら、次の職場で苦労するよと進言する。


すると画面の向こうの物音が一切なくなった。


通話が切れたのかと思って見てみると、通話はまだ切れていない。


しかし物音は一切せず、画面の向こうには誰もいないような気がする。

トイレにでも行ったのか、寝落ちしたのかと思ったらそこで通話が切れた。


切れたのは人の意思があったということであり、つまり高円寺さんが切ったと言うことである。

もしかしたら、間違って切ったかも知れず、また電話がかかってくるかもと思って待っていたが、充電が切れたので二時間ほどしばらく放置してからiPhoneを再起動すると、高円寺さんからの着信記録が残っていた。

LINEを開いて見るとグループLINEに〇〇さんが退会していますと言う表示が出ている。


これは気分を悪くしたなと思ったが、知ったこっちゃないと思う。

とりあえず、着信はあったので、僕は高円寺さんとの個人ルームに


「出かけるので、出れません」と文字でトークルームに書き込む。


暫くして、意味のわからないスタンプが送られてきた

どんな意味かわからないけども、明日学校で聞けばいいと思ってそのままにした。




■介護過程Ⅱ


介護過程の授業が始まる。

今回の授業は、科学的根拠に基づいた介護をする為の、思考訓練である。

そのために、展開図を文章で書いていくのだが、それはそれで、普通に文章を書くことの特訓になると思っているので、意気込みはある。

しかし、難しい。

特に自分の思考経路は、他の人とズレていると言う自覚はある。

だからこそ不安はあるが、授業が始まるにあたっては、何もしてなクラスメイトよりも、読書量は多いし、知識は広く浅く持っているつもりである。

今回の授業が自らの地と肉になることになればいいとも思っていた。

そして、ほんのちょっぴりの自信。



介護とは意図的に目的を持って行われるものであり、介護サービスを提供する者は、提供する道筋を科学的根拠と思想に基づいて説明することが介護過程IIの授業であるという。

ここからの文は、僕のが受けた授業と、とったノートから書かれるものであり、理解力の問題で現実とはそぐわない部分もあると予測されるので、その点に関して、信じる信じないは自己責任でお願いしたいと思う。



科学的であるためには、なぜそうしたか?と言う根拠を明確にしなければならない。


「この利用者様は病気により、〇〇と言う障害があるが、〇〇したいと言う希望をもっており、そのためにはどのような援助をすれば自立し、〇〇したいと言う希望も叶えられるだろうか。そのような仮説を為の思考訓練を積んでいくのが大事です」


 利用者様の望む生活の実現に向けて、利用者様1人1人に対応した個別的な援助を目指します。


 この利用者様はどうしたいのか?

 ここに介助する側の意思や、思いは含まない。


 アセスメント(利用者様の情報)

名前:T 男性 88歳

住所/生活環境 自宅


認定情報

要介護度2

認知症高齢者の日常生活自立度 Ⅲa

障害高齢者の日常生活自立度 A1


身体情報

身長193㎝ 体重83キロ BMI:22.52

体温:36.2℃ 呼吸:20〜22回/分

脈拍:62〜72回/分 血圧:150/90

総義歯

視力:問題なし 聴力:問題なし



主な疾患

1.アルツハイマー型認知症

去年の暮れから物忘れが多くなり、出かけて1人で家に帰れなくなった事がある。

月はわかっても、今日が何曜日で、何日であるかわからない事がよくある。

が現在は落ち着いており、歩いて20分ほどのパチンコ屋に歩いてよく行き、遅くなった時などは、タクシーに乗って1人で帰って来れる。

2.高血圧症。

45歳の時、会社で受けた健康診断で210/110を記録。それ以来、血圧降下剤を服用しており、薬と診察の為に月に一度かかりつけの病院(内科)に通院している。


服薬

血圧降下剤を複用しているが、月に5回ほど飲み忘れていた。その為、現在は7女が管理している。


生活歴

J県の山間部にある小さな農村で、11人きょうだい(姉が3人、兄が4人、妹2人、弟1人)の五男として生まれた。

父は村長もしていた農家であり、使用人もいた裕福な環境で育つ。

しかし、戦争で兄達は戦死し、姉達も嫁ぎ先の都市部で亡くなり、戦後は農地開放で土地も失ったことにより、年老いた両親と妹弟達を連れて現在のP市に転居して生活雑貨を売る商店を始める。

27歳の時に取引先の7歳年下の一人娘とお見合いで結婚。経営する商店もうまく行き、純町に店舗数を増やしていく。29歳の時に長男、翌年、長女次女が双子で生まれる。さらに翌年次男、その二年後に三男が生まれ、忙しい中でも幸せな日々を過ごす。

40歳の時に大好きだったアルコールで、体調を一時期悪くし、禁酒する。同時に当時は1日二箱吸っていた喫煙もやめる。

51歳の時に景気の悪化により、事業が失敗。多額の負債を抱えるも破産宣告し、長年連れ添った妻と離婚。

子供達と離れ、友人が管理するアパートで一人暮らしを始める。

一人暮らしをしながら友人達の仕事の手伝いをして生計を立てていたが、友人の出資で始めた飲食店が成功し、その経営を任されるのと同時に、子供達とも再び交流を持つようになる。

その三年前に元妻は肺癌で亡くなっていた。

73歳の時に仕事は引退し、経営は後進に譲った。

それからは子供や孫達、そしてひ孫や玄孫に囲まれて暮らしているが、基本的にはマンションで一人暮らしである。

子供達には同居するように求められた事があったが、1人がいいと断っている。

朝は午前5時前に起きて、ポケモンGOをしながら散歩するのを日課としており、家に帰って大好きな朝風呂に入った後、朝食を食べ血圧硬化剤を服薬。

テレビで朝の情報番組を見た後に外出し、大好きなパチンコを打ちにいく(1パチ)。

夕方、買い物をして家に戻ると、夕食である。大好きなカップ焼きそばをおかずにご飯はどんぶり一杯くらい。

血圧が高いので、水分補給を1日に1500mlは摂取するように言われており、大好きな缶コーヒー(ブラック)や緑茶でとっているが、1500mlに届かないことも多い。

 去年の暮れから物忘れが多くなり、今日が何日であるかわからない時があるようになった。

所用で公共交通機関を使って、時折行っていた隣町の知人宅から帰る途中に、家の帰り方がわからなくなり、隣の県にいってしまった事がある。

(その時は交番に行き、近所に住んでいる娘に迎えに来てもらった)

子供達の勧めもあり、医療機関を受診。

アルツハイマー型認知症と診断される。



主訴【本人・家族の要望】

・若い頃、家族には迷惑をかけたので、迷惑をかけないように1人で暮らしていきたい。

・インスタント食品が大好きだが、体にはよくないと言うことはわかっている。

・水分を1日に1500ml以上飲めと言われているが、そんなに飲めない。

・パチンコは毎日行きたい。時々四円パチンコを打ちたいが、行くまでに疲れる。

・孫達、ひ孫達とは毎日でも会いたい。

・流石に歳なので、歩いて出かけるのは疲れるのではないかと思う。


家族の思い

・一人暮らしは流石にもう厳しいと思う。

・子供達の誰かと、一緒に暮らしてほしい。

・インスタント食品が大好きすぎて、ほとんど主食のようになっているが、体のことを考えて控えてほしい。




ADL

寝返り/起き上がり・座位保持

自立している。

歩行/移動/移乗/

自立している


こんな感じでアセスメントを書き、

次はアセスメントからの情報収集である。

この情報収集する時に重要なのは、この利用者さんのアセスメントを読んで、

その中で問題があると思うテーマを三つ探し出し、そのてーまに必要だと思われる情報を拾っていく


テーマ

移動・健康・参加……


テーマが決まったら情報を拾います


健康

 

  要介護度2

  認知症高齢者の日常生活自立度 Ⅲa

  障害高齢者の日常生活自立度 A1

  身長193㎝ 体重83キロ BMI:22.52

  体温:36.2℃ 呼吸:20〜22回/分

  脈拍:62〜72回/分 血圧:150/90

  総義歯

  視力:問題なし 聴力:問題なし


  アルツハイマー型認知症

  高血圧 血圧硬化剤服用

  水分摂取1日1500ml以上水分摂取を医師から指導

  ・

  ・

  ・


こんな感じで情報を集めたら

情報に数字をつける

健康

 

 ①要介護度2

 ②認知症高齢者の日常生活自立度 Ⅲa 障害高齢者の日常生活自立度 A1

 ③身長193㎝ 体重83キロ BMI:22.52

   体温:36.2℃ 呼吸:20〜22回/分

   脈拍:62〜72回/分 血圧:150/90

 ④総義歯

   視力:問題なし 聴力:問題なし


 ⑤アルツハイマー型認知症

 ⑥高血圧 血圧硬化剤服用



情報の分析・解釈をする

 健康

 ①②③⑥⑤


 ・血圧の薬を飲み忘れないようにする

 

その為にはどうしたらいいのか?

 子供達に管理してもらう

 在宅介護のヘルパーさんにお願いする。


 どうすればそれができるのか、介護の方法を書きなさい




こんな感じでまだ半分も書いてないけど、この作業を学校で9時から12時までやってお昼から16時40分まで書いたものをみんなの前で読み上げ、横で聞いている先生にダメ出しをされる(良ければ褒められる)と言う作業を6日間繰り返した。


もちろん、こんなのは学校にいる間だけで終わるはずもなく、翌日の課題は家でもやるわけである。

そりゃあ、睡眠時間は二時間とかになるよね。

最終日は評価の対象になるので、ボールペン書きである。

悪筆な僕はそれだけで気が滅入ったが、何とか課題を出せるレベルにできた。


考え方がわからないのか、情報収集のところまで徹夜しても書けなかったクラスメイトは真っ黒な顔をして、真っ白な用紙を虚な目で見ていた。

みんな心を病んだのではないかと心配するレベルだった


愚痴を聞くほど暇じゃ無い

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ