魔森編3 ~初戦闘と拠点~
「なっ! ぶへぇっ」
絡み付いてきた蔦に引きずられそのまま地面に叩きつけられる
「ぎゃっぎゃっぎゃっぎゃぁぁぁぁ」
急いで体勢を立て直す、チビウルフを確認してみたが無事のようだ
ホッとしたのも束の間 蔦が鞭のように襲い掛かってきた
「なんなんだコイツは!! 『鑑定』」
【名前 コンフュツリー(オス)
危険度 A
状態 健康
補足 テリトリーに侵入したモノを迷わせる香を発している】
迷わせる香……こいつのせいか!!
マンティスと同じランクの魔物……逃げ切るのは無理か
「ぶっつけ本番だが……やるしかないか……ツリーって事は植物系か?
とりあえず『火球』」
スキル一覧にあった全属性初級魔法……ぱっと頭に浮かんだのはゲームでもよくある火の玉のイメージだった
バレーボールより少し大きいサイズの火球がコンフュツリーに向かって飛んでいく
「おぉできた! よかった!!」
コンフュツリーに火球が命中する
「ぎぃぃぃあぁぁぁぁぁ……」
一気に燃え上がり苦しみ始めるコンフュツリーの様子に己の魔法の威力の高さに驚く
暫くもがいた後地面に倒れ動かなくなるコンフュツリー
「しんだ……のか? 『鑑定』」
【名前 コンフュツリーの死骸
詳細 非常に丈夫、木材に加工し使われる】
どうやら死んでいるようだ
「ははは……よかったぁ~」
初めての戦闘による心労からか身体から力が抜ける
「倒せたのは良かったけど……魔法はこんなに威力が高いものなのか? それとも加護の御蔭なのかな?
とりあえず女神様方ありがとうございます、無事生き延びる事ができました」
実際の一般的な初級火魔法『火球』は野球ボール程のサイズで此処までの威力は出ないのだが他と比べる事のできないこの状況
コレが普通なのだと自分に言い聞かせ生き延びるためなら躊躇無く使おうと心に決める
「ステータス・スキル」
【スキル一覧
・ボックス
・ステータス
・鑑定
・自動言語補正
・クラフト魔法
・全属性初級魔法
・属性球 消費 MP 5 】
さっきの『火球』はこの『属性球』に含まれるのだろう
全属性って事は全部の属性の『球』が使えるのだろう
消費MPを見る限り使い勝手も良さそうだ
「色々と試したいけど先を急ぐか」
これ以上魔物と戦闘は避けたい
魔法を使えば倒せるだろうが精神的な疲労が大きすぎる
「よっ……ほっ……ほっ」
木の枝を飛び移りながら移動していく
しかしチビウルフは一向に目覚める気配が無い
目が覚めて暴れられても困るので今は眠っていてくれた方が良いのは確かだ
木の上から確かめてみた限りではあと少しのようだ
次は迷わされないように魔物がいないか注意しながら進む
ようやく山についたこちら側は土砂崩れでもあったのか岩がむき出しだ
「やっとついたな……いい感じの洞窟があればいいんだけどな」
辺りを見回してみると手ごろな高さの場所に横穴を見つけた
なかを覗いてみると浅い横穴で10mほどで行き止まりだった
「地面から高さもあって丁度いいな、とりあえずは此処を拠点にすればいいか」
横穴に入ると地面にそっとチビウルフを下ろしてクッションになりそうな落ち葉と焚き火のための枯れ枝を集めに横穴を出る
暫く落ち葉を拾いながらあたりを散策していると倒木があったので枝を払い幹は手ごろな大きさに切ってボックスに仕舞っておく
薪にしたりクラフト魔法を試すにはちょうどいいだろう
一抱えの落ち葉を横穴に持って帰りチビウルフをその上に寝かせる
入り口の近くに落ちていた石を組み小さな焚き火を作る
幸い風は吹き込んでは来ないので煙は気にしなくても大丈夫なようだ
「とりあえずはこれで大丈夫かな? 後はこのチビだけど……試してみるか癒し球……とかでいけるかな? 『癒し球』」
白く光る玉が飛び出しチビウルフに当たると光に包まれた
成功したのか確認のため『鑑定』をかけてみると状態が健康になっていた
「よかった……後は目が覚めるまで待つだけか。 それにしても狼だし食べるの肉だよな……」
小動物を探して狩らないとこの子が餓えてしまう
「一度保護すると決めたからにはキチンとしないとな」
チビウルフが餓えさせない為、動物を探しに横穴から飛び出した




