冒険者編9 ~ 宿屋の主人の想い ~
今回は別の人視点です。短めですがご了承ください。
本当はこの章が終わってから休閑話として入れようかと思っていたのですが此処で入れました。
累計アクセス50,000、ユニークアクセス12,000ありがとうございました。
心よりお礼申し上げます。
これからもお付き合いいただければ嬉しいです。
お礼が言いたいがために、予定を変更してしまいました。
申し訳ございません。
今日は面白い人族が来た
今まで表面だけ礼儀正しく装った奴等は見てきたが、どいつもこいつも私を見るなりいやらしい目で見てきたがその人族は違った
奴隷に好かれ、従魔にも好かれた黒目黒髪のまだ少年と言ってもいいような幼さがあった
その人族は不思議と気にかけてしまいたくなる……そんな雰囲気だが、しっかりとした子だった
その子が狩って来たという素材を見せてもらって驚き思わず詰め寄ってしまった
ベテランでも近づくのを嫌がる魔森の魔物の素材だったからだ
確かに魔森の外に出てきた魔物を狩ったりはするが、『マンティス』は滅多に森の外に出てこない魔物で危険度も高い魔物だ
そんな魔物の素材を4体分も持っていたのだ、驚くなという方が無理だろう
マンティスが外に出たならギルドから討伐依頼が出るはずだがそんな話しは聞いていない
たまたま外に出ていたマンティスを最初に発見して倒したか、魔森の中で倒したかのどちらかだろう
少なくともマンティスを倒すだけの実力がその子にはあるということだ
私でも単身でマンティスを倒す事はできるが、魔森の中でとなると話しは別だ
魔森は魔物のレベルが高く、他の場所よりも強い
そしてなによりも魔森の中の魔物の数が多いのだ
マンティスと戦っていると音を聞きつけた他の魔物が近づいてくる
素早く出来るだけ音を立てずに戦わなければ魔物に囲まれ戦い続ける事になる
時間をかければかけるほど音と血のニオイに誘われ多くの魔物が集まり、一箇所にとどまる事は死を意味する
魔森の奥に行けば行くほど魔物は強くなり数も増える
その為、魔森を開拓する事は難しく、外側の木を切り倒せば音を聞きつけた魔物達が森から押し寄せてくる
音を立てず数本切り倒しても魔森の木の再生能力の高さから数日で元通りになってしまう
数で攻める事も出来ず、少数ではかなりの腕が無ければ生きのこる事は出来ても奥に進む事なんて出来ない
魔物避けの香もあるが魔森の中でもレベルの低い魔物にしか効かない
そんな特殊な場所でマンティスを4体狩り、その他にもビッグボア等も狩っている
それだけでも興味を引くというのに礼儀正しく奴隷や従魔にも優しかった
奴隷にいたっては体を欠損しているにもかかわらず一人の人として扱い大事にしているようにも見えた
そして極め付けがその奴隷がこぼした言葉だ
『魔森の中に拠点があり、元奴隷達が暮らしている』
そんな事ありえるのだろうか……普通に聞いただけではとてもじゃないが信じる事は出来ない
だが、その子は魔森の魔物を狩るだけの実力を持っている
素材を見せてもらった時に実力を見るために戦った為、それは間違いないだろう
素人くさい動きながらも、どこか一流の冒険者の様な動きも見せていた
面白い……純粋にそう思った時だった
コレまでにも感じた事のあるビリッという衝撃と体の奥底から湧き上がる不思議な高揚、そして心臓がキュッと締め付けられるような切なさ
コレまでにも似たような事があった
危険な相手にはビリッとした後に不快感が、安全で信頼できる相手には安心感があった
だが今回は違う
心地よい高揚感と切なさ、いったいなにを意味するのか最初は分らなかった
だがその子を目で追う内に、美味しいと笑顔で食事をする様子にだんだんと引かれている自分がいるのが分った
「あぁ……神様。 今まで良い相手が見つからなかったけど……この子なんだね」
ついに現れたと思った
自分が生きてきた500年ほどの時間でやっとその相手が現れたのだと
縁の加護を得たと両親に告げたとき、娘の幸せが約束されたと喜ばれた
縁の加護を得たものは必ず幸せになれる相手とめぐり合う事ができると言われていたからだ
その相手と会うため力をつけた、自分を守りその相手も守れるようにただがむしゃらに力をつけた
奴隷に落ちないため、相手と幸せになる為……ただ必死だった
だがこの500年、そんな相手は現れなかった
外見で寄ってくる男や冒険者家業で稼いだ財産を目当てでよってくる者、奴隷にしようと邪な気持ちで寄ってくる者達が多かった
中には同性が迫ってきたりもしたが生憎私にそんな趣味は無かった
ハイエルフである私でも500年という年月はとても長かった
このまま相手はいないんじゃないかと不安に思う事もあった
その日、ついにその相手が現れたのだ
皮肉にも相手は亜人族に嫌われる人族だった
だが、そんな事はどうでもいい
この子は亜人だからと差別せず、まして亜人でも差別するハーフすらも差別しない心の持ち主だ
間違った方に進むのなら正せばいい
傍に居て支えてあげればいいのだ
もう放さない、絶対にこの子に着いていく
自然と覚悟も決まっていた
待ちわびた人が来たのだ、それも仕方ないだろう
断られるかもしれない、拒絶されるかもしれない
いきなり飛びついたなら引いてしまうだろう
だからゆっくりと時間をかけて進めていこう
この子は色んな相手に好かれるだろう
多くの伴侶を持つ事になるだろう
それだけの魅力をその子からは感じたのだ
だが、そんな事は関係ない
何人嫁ごうが私はこの子の傍に居たいのだ
だからまずは魔森の拠点とやらについていこう
そこでこの子の仲間に入れてもらおう
傍に居ても良いと認めてもらおう
その為にはまずこの子に説明しないといけない
恐怖とこれからへの期待で可笑しくなってしまいそうだ
乙女なんて柄じゃないと思っていたが、ドキドキして死んでしまいそうだ
不安と期待……頭の中がグチャグチャでよく分らない
でも心地よかった……コレが恋なのだと
友人や周りの仲間に言われてもピンとこなかったが今なら分る
こんなにも心地よいものなのだと
自然とこぼれる笑みに気づき更に笑みを深くする
さぁ、これからの計画を考えるとしよう
断られても何度でも頼み込もう
絶対に逃がさない、私の愛する人よ
【2018.12.19】 生存報告
【現状】体調を崩しガチで死にかけ、転職し仕事に追われ
もう小説は諦めようかと思っていました
ゆっくりとでもこの物語が続けばと思います。
[次]PCのデータも吹っ飛んでますのでまだ待ってください。
少しヤンデレっぽかったですかね?
長い間、待ち続けた結果なのでお許しを(笑)
マリアンはヤンデレでは無いと……わ、私は信じてますよ




