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魔森編4 ~小さな仲間~

今回ものすごく長くなってしまいました


暁「ここら辺はどんな生物がいるんだろうか?

牛や豚・・・後鶏とかがいればいいんだけどなぁ」


横穴を飛び出したはいいものの地球でも馴染みのある動物はこの世界にいるのだろうか?

あんな魔物がうようよいるのでは地球にいたような普通の動物は生きていけないだろう

そうするとどんな魔物がいるのかが問題だ


暁「ふむ・・・牛から派生した感じの魔物とかか?」

しかし頭に浮かんだのは神話に出てくるようなミノタウロス


暁「無理無理!そんなのと戦いたくないな」

強い力を手に入れても相変わらずのチキン・・・もとい心優しい青年である



そんな事を考えながら辺りを散策していると巨大な猪を見つけた


暁「でっかい猪だな・・・問題は食べれるのかどうかだな『鑑定アナライズ』」


【名前 ビッグ・ボア(オス)

 危険度 B-

 状態 健康

 食用 可

 補足 強烈な突進をするので正面には立たない方がいい 】


食べられるかどうかを気にしながら鑑定すると項目が増えている

どうやら詳しく知りたいと思うとそれに合わせて変化するようだ


暁「食べられる!!正面は危ないのか・・・魔法で倒せば関係ないか

火球ファイアー・ボール』」


後ろからの奇襲に対応しきれないビッグ・ボアはそのまま炎に包まれてしまった


ビッグ・ボア「ぶぎゃぁぁぁぁぁ」

叫びながら地面に倒れ もがき苦しむビッグボア


暁「このままだと食べる場所がなくなりそうだな『水球アクア・ボール』」


炎を消すために水球を連射する

炎が消えてもダメージが大きいのか起き上がれずにいる


暁「これで止めだ!!」

倒れたビッグ・ボアの頭を殴りつけ更に地面に叩きつける


ビッグ・ボア「ぶぎゃぁっ!!」

短い叫び声を上げてピクリとも動かなくなる


暁「あまり強くなかったなぁ」

念の為『鑑定アナライズ』をかけ確認する


【名前 ビッグ・ボアの死骸

 詳細 肉が硬めだが味は良い】


どうやらちゃんと倒すことができたようだ


暁「確か血抜きをしないといけないんだよな・・・

とりあえず水場・・・川を探すか」

此処で切って血を撒き散らすわけにもいかず水場を探す事にした



近場に川があったのでそこまでボアの死骸を運ぶ

しかし血抜きをどうするか悩んだ結果

殴った拍子に折れたボアの牙にクラフト魔法を試して刃物を作ってみる事にした


暁「形を整える感じの魔法ってあるのかなぁ」

そう考えていると頭の中に呪文が浮かんできた


暁「えーっと・・・『変形フォーミング』」

呪文を唱えると牙が光に包まれ歪な形に変わった


暁「あれ・・・ん~難しいなもっとハッキリとしたイメージがいるのかな

もう一回『変形フォーミング』」

刃物というと包丁ぐらいしか思い浮かばない

光が消えると骨でできた穴あきの万能包丁ができていた

暁「おぉ!!上手くいったぞ!」


しかしどこを切ればいいのかまったく分らない

暁「うーむ・・・どうしたものか・・・首筋とか?」

そう考えていると頭に切る場所が浮かんでくる

暁「えっと・・・ここと、ここを切ればいいのか」


ボアを川に入れ頭に浮かんだ場所をを切り裂いていくと大量の血が噴出してきた


暁「これで暫く待ってればいいか」

血抜きが終わるまでさっき手に入れた木で食器が作れないか試してみる


暁「木の器は出来たが・・・ざらざらしてるのが気になるな・・・

こうクラフト魔法だし鑢みたいなのないかな」

また頭に呪文が浮かんでくる

おそらく先程から浮かんでくるコレは女神から加護を受けた影響だろう色々と便利だ


暁「ん~っと『切削シェービング』」

出来上がった器の表面が滑らかになっていく


暁「うっし!出来た!この調子で他にも作るか」

上手くいったので他にも仕上げていく



そうこうしているうちにボアから流れ出る血が無くなってきた

どうやら血抜きが終わったようなので皮と肉に解体する

肉は適度な大きさに切ってからボックスに仕舞う

スムーズに解体できたがこれも加護の影響なのだろうか


暁「とりあえず拠点に戻るか」

疑問は残るものの今は確かめる方法が無いので気にしないでおく

出来上がった食器たちもボックスに仕舞うと拠点に向かって移動を始めた



暁「ん?黄色い木の実?なんだろう『鑑定アナライズ』」

困った時の鑑定である


【名前 ソルの実

 詳細 塩の代わりに使えるがそのままでは辛いので人々に食べられる事は無い、すり潰して用いる】


塩の代わりになるのか!ここら辺には海がなさそうだしありがたい

いくつか採取しボックスに仕舞っていく


暁「ん?こっちは?」

【名前 カミラの実

 詳細 山椒の仲間。山椒よりも辛味が強いので人々から敬遠される、すり潰して用いる】


どうやらここら辺は薬味の群生地のようだ

これ幸いとボックスに仕舞っていく




採取に夢中になっていると辺りが暗くなってきた


暁「ヤバイな完全に暗くなる前に拠点に帰らないと」

暗闇のなかこの森を移動するのは避けたい



急いで拠点に帰ると何かが飛び出してきた

とっさに腕で防ぐが腕に噛み付かれてしまう


暁「痛っ!!ってチビウルフか気がついたんだな!よかったよかった」


暁のステータスの前にはチビウルフの噛み付きではあまりダメージを与えれないみたいだ

怖がらせないようにゆっくりと頭を撫でながら語りかける


暁「驚かせたよな・・・ごめんな?お前のお母さんは助けてあげられなかったんだ

でもお前が無事でよかったよ

腹減ってないか?お肉を取ってきたんだ一緒に食べよう」


そういってボックスから肉と器を取り出して地面に置く

最初は離そうとしなかったが根気強く語りかけるうち敵意が無い事は伝わったのか腕から離れ肉を食べ始める


暁「いつつつ・・・『癒しヒール・ボール』」

痛みが引いてから自分の分の調理を始める

チビウルフは此方の様子を興味深げに伺っている



下味としてすり潰したソルの実とカミラの実を塗りこむ

味を馴染ませている間に落ちていた大きめの石を『変形フォーミング』で平らに加工して『切削シェービング』で表面を滑らかにする


暁「このままだと割れたりしそうだよな・・・丈夫にする魔法は・・・」

やはり頭に呪文が浮かんでくる

どうやらこのクラフト魔法はかなり色々な事ができるらしい


暁「ん~これか『硬化ハードニング』」

見た目の変化は無いがおそらくは成功だろう


石で囲んだ焚き火の上に今作った石の板をのせる

コレで肉を焼く準備が出来た。油はビッグ・ボアの脂身を使うことにした

石板が十分に熱くなったのを確認して下味をつけた肉をのせる


じゅぅっと肉の焼ける音がした

チビウルフは音に驚いて飛び跳ねたりしていたが肉が焼けたいい匂いが漂ってくると大人しくなって調理の様子を眺めている

その期待するような様子に小さめの肉もだして一緒に焼き始めた



火が通っているのを確認すると皿に移し、小さい肉をチビウルフの前に置いてやる


暁「いただきます!さぁお前もお食べ」

暁が肉を食べ始めるとチビウルフも肉に齧り付き(かぶりつき)始めた


暁「うん!うまいな!これなら肉もそのままでも美味しいだろうな

ソルの実とカミラの実が味を引き立ててくれて更に美味しく感じるな」


チビ「がう!」

どうやらチビウルフも焼いた肉が気に入ったようだ

空になった皿を暁の前に銜えて持ってきた


暁「ははは!! おかわりが欲しいのか?ちょっとまってな」

そういうとまた肉を取り出し下味をつけると焼き始めた

チビウルフは暁がまた肉を焼き始めたのを見ると尻尾を振り回して喜んでいる




お腹一杯食べて一通り片付け終わるとチビウルフと一緒にのんびりする


暁「お前のお母さん助けてあげられなくてごめんな?」

チビウルフを撫でながら言う、するとチビウルフが暁の顔を舐めてきた


暁「やめろっくすぐったいってば!ははは!よしよし」

しかしこれからどうするかが問題だ・・・このまま森に返しても生き延びる事はできないだろう


暁「俺と一緒に来るか?」

チビ「がう!!」

尻尾をぶんぶん振り回しながら咆える


暁「よしよし!じゃあ俺達は仲間だな!」

頭を撫でてやると嬉しそうにじゃれ付いてくる


暁「お前本当にいい毛並みだよなぁ・・・

よし!お前の名前は『シルク』だ!どうだ?」

暁がそう言うと嬉しかったのか飛びついてきた


暁「よしよしシルクこれからよろしくな!」

シルク「がうっ!」

1人と一匹は暫くじゃれ付いていたが今日の疲れが出たのか暁が寝てしまった



暁が寝た後シルクは暁に寄り添うように横になると外の警戒をする

寝てしまった暁の為に夜番をするようだ


母を倒した魔物から自分を助けてくれた・・・

敵だと思い攻撃してしまったのに笑って許してくれた・・・

美味しいお肉を分けてくれた・・・

母が死んでしまい一人ぼっちになってしまった自分を仲間だと言ってくれた・・・

そんな優しい暁の為に頑張ろう!


暁の顔を一舐めすると やる気に満ちた目で周囲の警戒に戻る


こうして異世界に来てはじめての夜は更けていった・・・

3/23更新 【お知らせ】

毎日投稿から間隔を空けようと思います


遅くても1週間、2~3日間隔に変更します

上手く書ければすぐにでも投稿します


投稿に少し余裕を持とうと思います



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