プロローグ0 ~幼き日の約束~
まだまだプロローグです
少しプロローグは長くなるかもしれません
幼い頃探検に来た神社で一人の女性に声を掛けられた。
「そこの童や何をしに来たのじゃ?迷子か?」
桜の舞い散るなか、その人は子供目で見てもとても美しく不思議な雰囲気の人だった。
「違うよ!探検しに来たの!此処なんだかわくわくするの!」
「ほうほう探検とな?妾も一緒に行っても良いかの?」
と嬉しそうにニコニコしながら聞いてきた。
「うん! 一緒に遊ぼう!」
神社の中を探検し危なそうな場所にはさりげなくお姉さんから止められたので近づけなかったが、探検を終えた後は色々な昔遊びを教えてくれてとても楽しかったのを覚えている。
すっかり日も落ちた夕闇の中、寂しそうな顔のお姉さんとある約束をした。
「此処はあまり人が来ぬ……すっかり寂れてしまってな昔は童(わらし)のような子がよく遊びに来たものじゃ」
「じゃからたまにで良い。此処に来てあの桜に話し掛けてやってくれまいか?」
「アレはここの御神木でな、長い事人が来なくて寂しがっているのじゃ……どうか頼めぬか?」
幼いながら僕は寂しいと聞いて可哀想だと思い
「もちろん!絶対にまた来るよ!」
と満面の笑みで答えた。
その時の綺麗なお姉さんの本当に嬉しそうな顔は今でも忘れる事が出来ない。
今思えば幼い僕の初恋だったのかもしれない。