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須貝絵玖という女の子(7)――絵玖視点
「……じゃあ、待ってるからな」
「はい。…………」
行ったかな? 秀吾くん――!
「えほ、げほっ……! はぁ……はぁ、う、ぐふっ……! ダメ……大きい咳をしちゃうと……聞こえちゃう、抑えなきゃ……えほっ! さっきまでは、大丈夫だったのに、どうして……学校で、こんな風に……まだ、薬は持つはずなのに……げほ、えほっ!」
予備の鎮静剤は、一応持ってるから……投与するのは早いかもしれないけど、使わなきゃ……。
「はぁ、はぁ……ぐっ、げほっ……!」
針を刺し入れ、薬を体に注入する。
「はぁ、はぁ……んっ、はぁ……」
……少しずつ、発作も落ち着いてきた。鏡で自分の顔を見ると、口の周りが自分の血で汚れていた。もちろん、口だけじゃなく、洗面台は真っ赤に染まってしまっていた。
自分のものだと分かっていても、こんなに大量の血を見ると気分が悪い。それと同時に、恐怖感も込み上げてくる。でも……。
「ダメ、ちゃんとするの、絵玖。……ここで泣いたら、秀吾くんの前に出られなくなる」
気持ちを、切り替えなくちゃ。あたしは蛇口を捻り、吐き出した血を水で洗い流し、口元も綺麗に洗い流す。ちゃんと痕跡を消さないと……。
「――うん、大丈夫。行こう」
あたしはトイレを出て、秀吾くんの待つ教室に向かった。




