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須貝絵玖という女の子(1)

7月27日


――今日も今日とて学校なんだが、今日はいつもの授業を行う日とは違う。


我が学校は、テストが終わった翌日の授業は全てホームルームとなり、学年ごとそれぞれ自由な時間を過ごすことができるんだ。


レクレーションをするもよし、友人同士で別々に好きな時間を送るもよし、真面目なクラスはテストの振り返りをするところもあるかもしれない。

 

俺たちのクラスはというと――最上級生ではあるが、今日くらいはいいだろうということでレクレーションを行うようだ。人数が少ないクラスということもあって、机を向き合わせて円を作り、何をするか決める。今はその真っ最中だ。


「さて、何をしましょうかね」

「うーん、一年から、結構いろんなことやってきたよな。正直ネタがなくなってきた感は否めない」


「それはそうだけどね。でも、このまましゃべってるだけっていうのも味気ないでしょう」

「まあそうだわな」


「先生は? 何かありませんか?」

「あう~……暑い、暑いよ~……」


 クーラーも扇風機もないこの教室、先生は誰よりも早くこの暑さにやられていた。まるで犬のように舌を出し、机に上半身を投げ出している。


気持ちは分からないではない、今日の天気予報によれば、村周辺の土地は先日よりも気温が上昇し、昼間には最高気温は35度を越える程になるらしい。


まだ完全に日は昇っていないけど、既に午後並の気温になってるんだろう。


「うう、太陽め~、私たちが苦しむ姿を見て笑ってるんだな~? 何てドSなの~」

「いや、夏は暑いって相場は決まってるじゃないですか……」


「そんな解答、先生は求めてません~。はぁ~、涼しいところに行きたい。涼しいところでアイスを食べたい~」


「……じゃあ、みんなで川辺に行って涼みますか? もちろん学外であっても学校生活に変わりはないので、アイスは食べることはできませんけど。どうですか? 先生」

「え? いいの~? それって私だけの意見にならない?」


「いいわよね? みんな」


 佑香の問いかけに、みんな頷く。何でもいいと思っていただけに、あっさりと決まった。


「承諾はでましたよ、先生」

「やった~、行こう行こう~! 川だ、水遊びだ~、わ~い!」


「……完璧にガキだな。この教室で一番年下に見える」

「亮くん聞こえてるよ~? 点数下げちゃうよ~」


 だがしかし、耳は歳以上に老けているようだ。


「秀吾くーん、亮くんと一緒に川にロープ張るのお願いしてもいい? ないとは思うけど、危険な部分に入らないように。何かあったら先生の責任が問われるから~」

「はぁーい、分かりました~」


 ……何も言うまい。先生の行動には、必ず自分の立場を守るためにあるってことだ。まあ、ロープ張ること自体は間違いではないからな。


「じゃあ、俺たちは先に行く」

「あ、二人とも。何か持って行ってほしいものはある?」


「あるか? 亮」

「うーん、特には……あ、じゃあバケツだけ持ってってくれ。暇な時に川エビとか採るかもしれんから」


「バケツね、分かったわ」

「じゃあ、行くか」


「おう」


 ……………………。



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