打倒佑香! 期末テスト奮闘記(11)
「うん、そうだな。今はとりあえず、そんな感じがいいだろう……」
「? 何か言いましたか?」
「ん? ああ、絵玖の横顔は絵になると言ったんだ。絵玖だけに……」
「……ごめんなさい秀吾くん、あんまり面白くなかったです」
「うん、俺もとてもつまらないと思った。まだまだ修行が足らないな」
「修行? そこまでやることですか?」
「人生は修行だ。自分が目指す自分に近づくために日々修行は続けていかなければならないのだよ」
「……秀吾くんは、絶対に先生に向いてると思いますよ」
「いや、変態だから向かないよ。生徒に手を出しかねない」
「そうですか? でも変態なのはお口だけで、それ以外は結構紳士だと思うんですけど」
「……いや、ダメだな。俺が先生だったら体操着を巫女服とかにしてしまいかねない」
「それはもう、ある種のメディア性を含んでいそうですね」
「とにかく、生徒に手を出しそうな時点で教師として終わってるよ。もしなるのだとするなら……絵玖だけの教師になってやるよ」
「あ、あたしだけの?」
「そう。絵玖だけの……いろんな意味で」
「わぁ……何かただでは済まなそう」
「ちゃんとお金は払うぞ」
「お金を払われた時点で、絶対にただでは済まないですよね!?」
「良いではないか……絵玖太夫」
「わわ、もう完全にあっちの方向に……」
「うわー、絵玖ちゃーん、あっちの方向って何~? 絵玖ちゃーんエローい」
「……あまりの会話のテンポの早さに着いていけませ~ん」
「うん、ちょっと全開にし過ぎたようだ。ギアをニュートラルに戻そう」
「よ、よかった……このまま暴走が続くのかと思いました」
「お望みなら続けるぞ?」
「ああ~、今日は大丈夫です。もうお腹一杯ですから」
「そうか。……どうする? もうちょっとここにいるか?」
「うーん、そうですね。……じゃあ、もうちょっとだけ、眼に焼き付けてから」
「了解」
それからしばらく、俺たちは無言で景色を楽しんだ。
――その後、帰りの下り坂で絵玖が綺麗にすっ転び、制服を汚してしまったりもした。
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