打倒佑香! 期末テスト奮闘記(7)
「3徹、したんだってさ。ミャンマー」
「何!? 3徹?」
「テスト初日から、ずっと起きっぱなしなんですか? 亮くん」
「ミャンマーの中で、最下位になりたくないって思いが最高に膨れ上がったらしくてね。これはしないわけにはいかないって、結局寝ずに教科書に齧りついて……ああなったんだってさ」
「じゃあ、勉強時間だけは俺たちとどっこいどっこいってことじゃねぇか?」
「時間だけはね? でも、そんな一辺に詰め込める程、ミャンマーのおつむは大きくないから、いくらかは吹っ飛んでるでしょうね。そこまで自分を追い込んだってのは褒めてあげれるけど」
「何だかんだ言って、最下位は居心地が悪かったってことなんかね?」
「そうじゃない? 私に言われるのも癪だっただろうしね」
「でも、大丈夫でしょうか? 何だか今にも旅立ってしまいそうな雰囲気が出てます」
「……………………」
「多分、心配するほどじゃないわ。基本一日寝れば、回復する男だから。今日は、ずっとあんな感じでしょうけどね」
「ならいいですけど……」
何はともあれ、みんな持てる力は全部出し切ったわけか。
「とにかく、お疲れ様」
「おう、お疲れさん」
「お疲れ様です」
「はぁ~い、じゃあショートホームルーム始めるよ~」
……………………。
…………。
……。
「――よし、絵玖、じゃあ行こうか」
「はい、行きましょう」
「……何処にですか~? って聞かなくていいのか?」
「聞かなくても、何となく分かってるつもりですから。あたしの勘が正しければ、駄菓子屋に連れていってくれると思います」
「うん、当たってるな。俺の思考が読めるようになってきたか」
「秀吾くんがあの駄菓子屋が好きだって情報はインプット済みなので。この時間帯、ロケーション、行くならそこなんじゃないかなと思いました」
「なるほど……やるな。というか、俺の行動が単純なだけなのか」
「いえ、そんなことありませんよ。それにあたしも、あそこのアイスキャンディー好きですから。今日も食べたいなって思ってました」
「テスト後のアイスキャンディーは格別だぞ? 普段から美味いが、一仕事終えた後に食べると、さらに体に染み渡るからな」
「それ、分かります。きっと、今日しか味わえないアイスキャンディーの味がありますよね」
「うん、きっとな」
「ますます、食べたくなってきました」
「気持ちも高まってきたところで――向かうとしようか」
「はい、行きましょう」
……………………。




