勉強会日和とはこのことだ!(5)
…………。
「ふう、ご馳走様でした。とっても美味しゅうございました」
「お粗末さまでした。喜んでいただけて光栄です」
「また機会があれば、ご馳走していただけると嬉しいのですが……」
「わたくしなどでよろしければいつでも腕を振るわせていただきますよ。電話一本ですぐに駆けつけ致します」
「……グッ!」
「……グッ!」
うん、徐々に息も合ってきてるな。さて、朝食タイムが終わったところで。
「――絵玖よ」
「はい、何でしょう?」
「今日は、何か俺に用件があってここまで来たのか? もちろん、用件がなかったとしても構いはしないけども」
「ああ、そうでした。……秀吾くん、あたしが休んでる間、ずっとあたしのノートを作ってくれてたんですよね? せっかくだから、そのノートを受け取らせてもらおうかと思って来たんです。月曜日まで預かってもらうのは申し訳ないし、何よりテストが近づいてきてるんで勉強をしなければいけないし……できれば、それに関してのアドバイスも、秀吾くんにいただけないかな~と思いまして」
「ああ、ノートな。別に行ってくれれば俺がお前の家に届けに行ったのに」
「気付いた時には、足が動いちゃってたんで」
「そんなに、俺に会いたかったのか?」
これは冗談で聞いたつもりだった。だが絵玖は――。
「それはもちろん、ベッドに寝たっきりの時、ずっとそれを実現するために治そうと思ってましたから」
何て答えを返したもんだから、俺は――
「……………………」
「? 秀吾くん?」
何て返せばいいのか、言葉に詰まってしまった。所謂自爆である。
「いや、絵玖は良い子だなって思ってさ。何だ、俺も会えなくて詰まらなかったから、今はすごく嬉しいぞ」
「ホントですか? 嬉しいです」
ニコリと笑顔。……うん、何とも可愛い笑顔だ。
「じゃあ、俺たちの努力の結晶を渡そう――と言いたい所なんだが、残念なことに今この場にそのノートはないんだよな」
「え? 学校に置いてあったりするんですか?」
「いや、預かってるのが俺じゃなくて佑香なんだよ。俺たちに託したら無くすかもしれないからってよ」
「そうだったんですね。……じゃあ、あたしはお邪魔する家を間違ってしまいました?」
「そんなことはないぞ。絵玖が来てくれて俺のテンションは上がったし、美味しいご飯を食べて元気になった。来てくれたのは決して間違いではないぞ」
「そう言ってくれると、ホッとします」
「それに、ちょっと良い事を思いつきもした」
「良い事ですか?」
「せっかく休日で、絵玖の体調も回復した。そして勉強を教えてほしいと要望を出してくれている――今から佑香と亮に電話して、勉強会を開こうぜ」
「べ、勉強会ですか?」
「ああ。みんなで協力して勉強すれば、分からないとこを分からないままにすることもないし、グダっちゃうことも少なくなる。テストで良い点数を出す可能性も上がる。メリットしかない案だと思わないか?」
「でも、大丈夫でしょうか? 佑香さんも亮くんも、自分のやりたいことがあるんじゃ」
「この田舎でこの時期だったら、やることなんていつも一緒さ。勉強してるか、グッタリしてるか、それぞれ家の手伝いしてるかだよ。電話かけたら、二つ返事でOK出してくれるさ。……亮は勉強得意じゃないから、渋るかもしれないけどな。とりあえず、心配は要らないと思うぞ」
「そうですか?」
「――証明してみせよう。ちょっと待ってな」




