人見知りモード!・解除!(7)
「なら、一緒に帰ろうぜ。ついでに、また駄菓子屋で寄り道でもしながらな」
「それって、遊びのお誘いですか?」
「もちろん。それ以外のことは何も考えてないぞ」
「わぁ、是非ご一緒させてください。お願いします」
満面の笑顔、こんなに喜んでくれるとは思わなかったな。
やっぱり、友達に誘ってもらえるのが嬉しいって思ってるんだろう。
「時間は大丈夫か?」
「はい、7時までに帰れれば、問題ありません。家に帰ってもやることがないので、どうやって時間を潰そうか考えてたんです」
「じゃあ、俺が声をかけたのは正解ってことか?」
「はい、大正解です」
「ふふ、こりゃ良い男に一歩近づいたかもな」
「あたしの中では、結構な勢いで上昇してますよ」
「マジか……なら、もっと頑張らないといかんな」
「秀吾くん、あたしに好かれたいと思ってるんですか?」
「聞くまでもないと思うが、かわい子ちゃんの評価は上げておいて損はない」
「か、かわい子ちゃん?」
「うん、絵玖はかわい子ちゃんだからな。自分では思ってないかもしれないが、このクラスのほぼ全員がそう思ってるぞ。やっぱり絵玖は垢抜けてるからな」
「い、言われる程でもないと思いますけど……」
「いやいや、やっぱり都会人だよ絵玖は。髪型だって整ってるし、良い匂いするし、何ていうか、女の子してるもんな。クラスの女子よりも」
「そ、そんなこと言ったらクラスの女の子に怒られちゃいますよ~」
「平気だ、今ここには女子は絵玖しかいない。それに、悔しくてもみんな言い返せないしな」
「秀吾くん、意外にブラックな一面を持ってるんですね」
「元々俺はこんなんだ。普段から変態だ、何だと言われてるし、俺だってこれくらいのことを言っても罰は当たるまいよ。それに、こんなことで嫌われるような関係の奴らもいないしな」
「幼馴染ですもんね、みんな」
「まあ、そんなところか。とにかく、絵玖はこの村随一の美少女って自覚しておくといいぞ」
「ず、随一? ……ちょっと、難しいですよそれは……」
「まあまあ、騙されたと思って覚えとけよ。――さ、じゃあそろそろ行こうかい。準備はいいか?」
「あ、はい、大丈夫です」
「そんじゃ、レッツゴー」
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