人見知りモード!・解除!(1)
7月18日
……………………。
…………。
……。
「――うん、気持ちの良い朝だ」
珍しいこともあるもんだ。いつもならば目覚ましがなったところで目覚めることなどできず、うだることが多いんだが、今日に至っては目覚ましが鳴ると共にシャキッと目が覚めた。
朝にしっかりと起きることができると、自然と気分も良くなる。
今日はなかなか、良い一日を送れるかもしれないな。
…………。
「――あ、秀吾おはよう。今日は早いお目覚めね。いつもより10分は早く起きてきてる」
「ああ、佑香、おはよう~……って、家鍵かかってたよな? どうやってお前は家に入ってきたんだ?」
「へ? 何処って普通に正面玄関からよ?」
「……鍵、空いてた?」
「ええ、空いてた」
しまった……じゃあ昨日は鍵を開けっ放しにしてしまっていたのか。
何てことだ……俺としたことが。
でも、見たところ何も盗まれていないようだからホッとした。
まあ、こんなド田舎にまで来て盗みを働こうって思う輩もいないのか。
実際、金目のものは両親が向こうの家にほとんど持っていってるから忍びこんだところで特にメリットはない。
俺の命が狙いだったら……危なかったが。
何にしても、戸締りへの意識をもう一回高めよう。
「ダメじゃないの、開けっ放しにしちゃ。誰かに入られたりしてからじゃ遅いのよ」
「最初に入ってきたのが佑香さんだったようなので、どうやら問題はなかったようです」
「まあ今日に関しては、ドアの前で待ちぼうけ喰らうことがなかったから良しとしましょう。それに、ねぼすけ秀吾を起こす必要もなくて手間が少なく済んだわ。いつもこれくらい早く起きてくれたらいいのに」
「巫女服で起こしてくれたら、すぐ起きると思うぞ」
「幼馴染でも? 頼む相手間違ってるんじゃないの? それ」
「んなことはない。巫女服姿のお前は結構活かしてるぞ」
「10点満点中何点?」
「うーん、8点くらいってところか」
「巫女服じゃなくて制服だったら?」
「……4点くらいか」
「朝ご飯抜きにしようかしら……」
「いやいや、冗談じゃないですか佑香さん。巫女服じゃなくても6点くらいはありますから~」
「どっちにしても下がるんじゃないのよ。……ここまで一つのジャンルに拘りを持つのも珍しいわよね」
「浮気しないって大事なことじゃないか?」
「まともなジャンルに浮気してほしいって思ってるわよ、私」
「巫女服はまともじゃないって言うのか?」
「……それ、本気で言ってるの?」
「もちろん、というかコスプレ全般は最早普通のジャンルに括ってもらってもおかしくはないはずだ」
「……もう一度聞くけど、本気で言ってるのよね?」
「当然だ、むしろお前はそう思わないのか?」
「はぁ……ダメねこの子。私の手には負えそうにないわ」
「そんなに落胆されると、結構傷つくんだけど……」
「もういいわ、何でも。ジャムとピーナッツバター、どっちがいい?」
「ピーナッツでよろしく」
「分かったわ」
慣れた手つきで焼けたトーストにピーナッツバターを塗っていく。




