須貝絵玖登場! 転校生は元アイドル!?(6)
――キーンコーンカーンコーン。
そしてホームルームの時間がやってくる。
「よし、完璧だ! これなら誰に見られてもいいぜ」
「ツンツン具合がパワーアップしてやがる」
何処からどう見ても、亮の頭はホストの髪型だ。
先生から注意されても仕方ないレベルだぞ。本人は誰に見られてもいいと言っているけど、あの頭を見て寄ってくる奴は果たしているんだろうか?
「いよいよご対面だぜ。ドキムネだぜ……」
「相変わらず古いぞ、言葉のチョイスが……」
「――あ、来たんじゃない?」
ガラガラ。
「はぁ~い、みんなおっはよ~」
まずは先生が単身で入ってきた。しかし、ドアの前には人影がいるので、一人で来たのではないってことが分かる。
「ふふ、何か今日のみんなはワクワクしてるね~。先生には分かるわよ、当ててあげようか? どうしてワクワクしてるのか」
「そんなのいいから、早く転校生と合わせてください」
「うわ~、亮くん先生を蔑ろにするの~? というか、今日はすごい頭してるね亮くん。文字通り頭大丈夫?」
なるほど、二つの言葉がかかっているわけですな? 先生にしては上手いことを言った。
「転校生が来るんで、気合いを入れてみました。どうです? 似合ってるでしょ?」
「私はちょっとみんなと年齢離れてるからそれがいいかは分からないな~。今はその頭でもいいけど、授業が始まったら少し大人しい感じに戻してね? 気が散って先生たちが授業に集中できなくなっちゃうから~」
「え? マジっすか? せっかく時間かけてセットしたのに」
「等身大の自分で会ってくれたほうが、嬉しいものなんじゃないのかな? ん?」
「……今日は大雨でも振るか? 先生がもっともなことを言ってるぞ」
「ちょっと、ちょっと秀吾くん。失敬だな~、先生はいつでももっともなことを言ってます~、そんなこと言われるなんて心外です~」
「そのわりには語尾がとっても変になってます~、先生~」
「真似しないでください~、先生怒ってるんです~」
「ごめんなさいでした~、話を進めてください~」
「……絶対、ドアの前にいる転校生さんは、このクラスの人間に不信感を抱いてるだろうな~、マイナススタートかもな」
「――とまあ、前置きはこのくらいにして。じゃあ、みんなも待ち詫びてるようだし、早速紹介しましょうか。言っとくけど、本当にびっくりするからね? 私も昨日初めて会って、びっくりしちゃったから。――じゃあ、入ってきて~」
――ガラガラガラ。
ドアが開き、ついに転校生とご対面だ。入ってきたのは――




