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こんにちは。私はアメリカ人で日本人ではないので、話が変に感じられるかもしれません。でも昔から日本の物語が好きで、今回は英語のサイトだけじゃなくて、こちらのサイトにも自分の作品を投稿してみたいと思いました。この話についての質問や、アメリカのこと、何でも聞きたいことがあればいつでも答えます。気に入ってもらえるといいなと思います。

エレイナは混み合った学校の廊下を歩いていた。三つの長い棟があって、ベルが鳴ると教室の境界が一気に溶けてなくなるような、ああいう校舎だ。周りでは生徒たちが騒がしい群れになってロッカーや出口へ向かい、教師たちは教室の外に立って人の流れを捌こうとしていた。


手に持ったスマホが震えた。ビリーからだ。


エレイナは考えもせずロックを解除した。動画が再生された瞬間、胃の底がすとんと落ちた。前の晩のパーティーで、ジョーダンの膝の上に座ってる女の子。


朝からずっと感じていた周りの視線の意味が、ようやくわかった。


彼女は少しだけ顎を上げて、あたりを盗み見た。上級生も一年生も、気にも留めずに流れていく。数人が目を合わせたかと思うと、すぐに視線をそらした。顔は動かなかったが、スマホを握る両手が震えだす。腹の底にぽっかりと穴が開いたような感覚。涙が喉の奥までせり上がってくる。


ビリーから「ごめん」とメッセージ。その後に「前から思ってたけど、あいつ変だし、ずっと挙動不審だったじゃん。言わんこっちゃない、って言いたくないけど、言わんこっちゃない」。


エレイナは一度だけ強く唾を飲み込むと、駐車場へ向かって歩く速度を上げた。親指はすでに画面の上を走っている。「ちょっと黙ってくんない。今それどころじゃない」


即座に吹き出しが表示された。


「うん、ごめん。どうせあいつにはもったいないよ。なんで別れてから浮気しないんだろうね」


エレイナはロックボタンを押し、返信せずにスマホをポケットに落とした。


駐車場を出た瞬間、涙が溢れた。パーカーの袖で目元を拭い、もう一度拭った。必死で道が滲まないようにしながら。ほとんど意味をなさなかった。自宅の車庫に滑り込む頃には、胸が詰まって痛かった。


玄関のドアを閉めるなり、階段を一段飛ばしで駆け上がり、自室のドアを勢いよく閉めて、ベッドに顔から突っ伏した。


数時間後、グループチャットでスマホがまた震えた。


アイラが「大丈夫?」と聞いていた。


チャットにはビリーとラックスもいたけれど、いつもみんなの代弁者になるのはアイラだった。


エレイナは枕から顔を上げずに「大丈夫」と打った。


ラックスが「そう言うなら」と返す。


それからアイラが付け加えた。「どっかいいとこ連れてってあげる。おごるから」


エレイナは数秒画面を見つめてから、親指を立てる絵文字を落とし、スマホを枕の方へ放った。もう泣きたくなかった。といって、他に何かをしたいわけでもなかった。ただ横になって、親指でショート動画をスクロールしながら、頭の中を無理やり空っぽにしようとしていた。


二時間ほどして、ドアをノックする音。


「大丈夫?一日中部屋にこもって。ただいまも言わないし」


ママの声がドア越しに響いた。


エレイナはゆっくりとベッドから転がり落ち、手のひらの付け根で目の下を拭って、ドアを開けた。


ママはエレイナの顔を見るなり、顔をしかめた。「うわ、何があったの」


エレイナは額をドア枠に預けた。「そんなにひどい?」


「ボグダノフみたいになってる。目も顔も腫れ上がって」


「ボグダノフって何?」


「美容整形しすぎて蜂にでも刺されたみたいになっちゃった、フランス人の気味悪い兄弟」


ママはもうスマホを取り出していた。写真を掲げて見せる。


エレイナは一瞬じっと見てから、鼻で短く笑った。「やだもう。こんなひどくないってば」


「これよりマシってだけよ」


「やめてよママ。大丈夫だから」


ママは腕を組んだ。「何があったの」


「別に」


「ただの趣味で部屋でお泣きパーティー?」


「毎日ね。パーティーで有名なんだから」


ママの目が細められた。「いいから言いな、エル。何があったか言わないとビリーに聞くからね」


エレイナは両手で顔を下ろした。「ジョーダンがどっかの尻軽女と浮気した。あいつの膝の上に乗ってて、あと他に何したかわかんないし」


ママの表情はすぐに和らいだ。一歩近づき、エレイナの背中をゆっくりと円を描くように撫でた。「かわいそうに。あの子の親に話をつけようか?それとも、気が済むなら、あの一家の悪い噂を流そうか?」


「いらない。ただ、きつくて——」


声が震えて、涙がまた溢れた。ママは彼女をぎゅっと抱きしめ、片手で後ろ頭を包み込んだ。


すぐにパパが戸口に現れた。完全に状況が飲み込めていない顔で。「なんで泣いてるんだ?」


「ジョーダンに浮気されたの」


トムの顔が歪んだ。「エル…まあ…たぶん大丈夫じゃないけど…」


「トム」アマンダはエレイナの肩越しに睨みつけた。「『大丈夫になる』って言うタイミングじゃない」


「ああ、そうだな」


トムはポケットに両手を突っ込んだ。エレイナがアマンダの肩で泣くのを、なすすべもなく見守った。娘がこんな姿なのは胸が張り裂けそうだったが、一体どうしろっていうんだ?高校生をぶん殴るのか?親をぶん殴るのか?怒鳴り込みに行くのか?ジョーダンは大人の前ではいつも悪くない子に見えたが、トムも完全には信用していなかったのだ。


しばらくの沈黙の後、トムは咳払いをした。「それで、夕飯は何がいい?今夜はテイクアウトにしよう」


彼はアマンダを指差した。「ただし、支払いは彼女な」


アマンダは大げさに目を天井に向けた。「もちろん払うわよ。私の方がトムより愛情深いから」


「ああ、どのみちお前の番だった。この前の二回は俺が払ったし」


エレイナはママの肩に顔を埋めたまま、弱々しく笑った。「カルバーズがいい。でも炭酸じゃなくてチョコレートシェイクつけて」


トムはこれみよがしに呻いた。「シェイク代が出るの嫌なんだよな。クリーム混ぜただけで八ドルだぞ」


「今夜は我慢しなよ」


「八ドルも払うんなら、俺がちゃんと満足させてもらわなきゃな」


エレイナは今度は声を出して笑った。アマンダはトムの腕を叩いた。トムも笑った。


食事の後、エレイナは少し気分が良くなった。


それからの数週間はきつかった。みんながずっと「大丈夫?」と聞いてくるか、廊下で見せかけの同情たっぷりの視線を送ってくるかで、それがどういうわけか全てを余計に悪化させた。ラックスもアイラもビリーもみんなエレイナを気の毒に思ったけれど、エレイナはもう以前の彼女ではなかった。ほとんど笑わず、冗談も言わず、周りが話している間、半分の時間はただスマホを見つめているだけ。誰もどう扱っていいかわからない雨雲みたいに、彼女は学校の中を歩いていた。


昼休み。四人はいつものテーブルに座っていた。食堂は騒がしく、あちこちで叫び声や笑い声が飛び交い、椅子が床をひきずられる音が響いている。


ビリーはしばらく自分の食事をつついていたが、ついに顔を上げてエレイナを見た。「その落ち込み、どうにかしなきゃダメだよ」


エレイナはスマホから目を上げもしない。「大丈夫だから。変なこと言わないで」


「笑わないし、冗談も言わないし、ほとんど喋らないし」


「少しは大目に見てやりなよ」とアイラ。


「見てるよ」ビリーは椅子にもたれて腕を組んだ。「ただ……またデートの世界に連れ出すか、誰か話し相手を見つけないと」


ちょうどそこへラックスが歩いてきて、隣の空いてる席にどさっと座り、バッグを床に落とした。「あのクソババア、努力不足ってもう一個Cをつけたら、私マジでキレるから」


ビリーの顔がぱっと上がった。「リンクル先生?」


「リンクル先生」


ビリーは胸に手を当てた。「あんなのに担任持たれるなんて、一番嫌いな相手にも願ったりしないわ」


ラックスはエレイナを指さした。「で、聞こえたんだけど、ゲームに復帰するって?」


「どっちかっていうと、ビリーがジョーダンのこと考えなくなるように復帰させたがってるんだよ」とアイラ。


エレイナはついに画面から目を上げた。「別にしたくないし」


ビリーは彼女の言葉の上からかぶせてきた。「ジョーダンに嫉妬させるためにゲームに復帰するんだよ」


エレイナはスマホを伏せて置いた。「わかったよ、嫉妬させるために復帰するとしよう。で、それから?今の私と誰が付き合いたいと思う?誰が今の私のそばにいたいと思う?これ見てよ」


彼女はスマホを取り出し、ジョーダンとのメッセージを表示した。あの女が一緒にいた夜に届いたおやすみのメッセージが、まだそこに残っている。


「別れてすらないんだよ」エレイナは静かに言った。「ただお互いに連絡しなくなっただけで」


ラックスが低く口笛を吹いた。ビリーを見る。そして二人同時に笑い出した。アイラにもうつった。


エレイナは無表情で待った。「終わった?」


ビリーは目尻を拭い、まだ息を弾ませていた。「うん……で、それってまだ恋人同士ってこと?」


「厳密には違うとは言えない」


ビリーは片方の肩を上げて落とした。「私、厳密には自閉症だけど、そうは見えないって言われるし」


エレイナの鼻から短い笑いが漏れた。「いい指摘だね」


「誰か男とつるんでみたら?」ビリーはテーブルに身を乗り出した。「話してるように見せかけるとか。嫉妬させるの」


「私はいろんな男に無限のトーク期間を与えて回るハーピーじゃないんだけど」


ラックスはテーブルの上のパンくずを弾き飛ばした。「さあね。でもせめて何か仕返しくらいしなきゃ」


エレイナは頭を椅子の背に預けた。「仕返しはしたいよ。せめて私の方を見て嫉妬させたい」


「誰かとフェイク交際しなよ」とビリー。


エレイナは頭を戻した。「フェイク交際?」


「そう。嫉妬させるために付き合ってるふりして、その後、何もなかったみたいにフェイク破局するの」


エレイナは視線をテーブルに落とした。親指がスマホケースの縁をゆっくりとなぞる。


「誰が私とフェイク交際したがる?誰がフェイク交際したいなんて思う?」エレイナの指がテーブルをトントンと叩いた。「相手は墓場まで持っていかないとだし、芝居は続けなきゃいけないし、ちゃんと嫉妬させなきゃいけない。少なくともハンサムじゃなきゃ。でも無名のやつじゃダメ。それだとあいつは気にしないか、嫉妬させようとしてるってバレる。それが終わったら潔く身を引いて、人が何か言っても対処できなきゃ」


アイラが、なくしたイヤリングでも探すみたいに食堂を見回した。「うん、それって可能なのかな。誰か知ってる?」


「いない」


ラックスは椅子を後ろ二本足で傾けた。「コールは?」


「ダメ。今エヴァと付き合ってる」


「ああ、そうだった」


ビリーはこめかみに指を押し当てた。「ウィルは?ダメ。あいつは喋るか、飽きるか、本気で好きになるかだ」


「つまり基本的に誰もいない」とアイラ。


「誰もいない」とエレイナ。


ラックスは椅子を元に戻した。「私も誰も思いつかない。みんな喋るか、大事にしすぎるかだよ」


ビリーの手がすっと上がった。「わかった」


「何?」アイラが聞いた。


「ローム・ライリー」


「絶対いや」エレイナの全身が固まった。「あいつこそ喋って大事にする第一位だよ。教室にもまともにいられないやつじゃん。親友がスクールカウンセラーって、学校にいる時間のほとんどをあの部屋で過ごしてるからだし」


「なんで知ってるの?」ラックスが聞いた。


「私、あの部屋で自習の時間取ってるから」


「ああ、あれいいよね」ラックスの目が夢見心地になった。「私も必要だわ」


「取ってるの?」アイラが聞いた。


「まだ。でも欲しいんだよね」


「自習時間、いくつか貯められるかもよ」アイラが言った。「A日とB日で二つずつ」


「夢だね」とラックス。


「で、ロームは?」ビリーが聞いた。


「なんでそんなにローム推しなわけ?」エレイナが聞いた。


ビリーは指を折って数え始めた。「面白がって喋らない。自分以外の誰も気にしないから、破局した後の噂も気にしない。フェイク破局にも乗ってくる。変なことは言うかもだけど、変に触ってきたりはしない。で、まあ、人気もあるし、ハンサムだし」


「やば、彼女の言う通りだ」とアイラ。


ラックスはテーブルの端を掴んだ。「うん、何これ」


エレイナはため息をつき、額を手のひらに落とした。「うーん、どうかなあ…」


ビリーは手を伸ばしてエレイナの手首を弾いた。「とにかく聞いてみようよ。彼は秘密を守れる。私は今まで彼から何か漏れたのは聞いたことない」


エレイナは顔を上げ、三人をそれぞれ見た。「わかったよ」


終礼のベルが鳴った後、四人は出口のドア近くで落ち合った。廊下には駐車場へ向かう生徒たちが溢れている。


エレイナは首を伸ばして人混みを見渡した。「ロームってどこにいんの?」


ビリーが即答した。「メイソンとケイレブと一緒」


「で、メイソンとケイレブとロームはどこ?」


ビリーは東の廊下に向かって適当に手を振った。「さあね。探しに行こ」


すぐに見つかった。メイソンのロッカーのところに立っている。メイソンがスマホを取り出してケイレブに何かの動画を見せていて、ロームはその隣で、画面に映る意味不明な映像にすっかり没頭していた。


「見ろよ、噛み砕いてる。止めろ」とローム。


メイソンはもう笑いながら動画を止めた。


「この敏感さがわかるか?わかるか、敏感なんだよ!」ロームは動画の男を真似て、大げさに腕を振り回した。


ケイレブは笑って前かがみになった。


「彼女は詐欺師だ。何が問題なんだ?彼女は役者で偽物だ。自分はチーズケーキだって主張してる。で、ゾーラン・マムダニとつるんで、チョコレートミルクをすすりながら共産党宣言を読んで、『我が闘争』のオーディオブックを聴くんだ。彼らは何も信じていない」


この時点でメイソンはロッカーにもたれて笑いをこらえきれずにいた。


エレイナはゆっくりと振り返り、友人たちに「本気?」という顔を向けた。ビリーは構わず彼女を前に押し出した。


「お前らが彼女の話を聞くのは、彼女が美人だからだ」ロームは続けた。「もし彼女がケイレブみたいな顔だったら、一文無しで実家にこもって、社会主義だの資本だの叫んでるだけだ。でも彼女はあのルックスだから、毎時間SNSにいられるんだ。それにトランプは三十年もエプスタインのために踊ってたくせに、急に『誰?』だってよ」

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