黄色に憧れる緑
ハラリ、ハラハラ。
パサ、パサリ。
両脇に生える、スラリと高い木々。
地面に広がる黄色。見上げた先にも、空を覆ってしまいそうな黄色。
黄色の葉の隙間から零れる、澄んだ青い空から落ちてくる、淡くて白い光の筋。
手を伸ばすと、鮮やかな黄色の葉は、届きそうな程に近いところにあるのに、いつも頭ひとつ分遠くにあって届かない。
パサリ。
足元に舞い落ちるイチョウの葉。
見上げた先に存在する葉は、いつも鮮やかな黄色。なのに、落ちてくるものは、いつもどこかに緑色が残っている。
ハラリ。
1番近くにあった木の、1番近い葉が、木から離れた。
ハラハラと、私の目の前で踊るように落ちる葉は、カサ、と音を立て、私のつま先の前に落ちる。
屈んで拾い上げたそれは、上の方がまだ緑色。木と共にあった時は立派な黄色に輝いていたのに、決心してそこから離れてしまうと、誰にも見向きされない未熟な緑の混ざった黄色い葉。
イチョウの葉は私だ。
木から離れられないのに立派に見えている葉も、決心して離れたのに、未熟な部分が目立つ葉も、今の私だ。
悔しい。悔しい悔しい悔しい。
私はまだ、木と共にいる時しか、立派でいられない。
そこから離れてしまうと、未熟な部分が目立つ、半端者でしかない。
悔しい。
サワサワ。カサカサ。
木の葉が揺れる。耳に葉が擦れる乾いた音が届く。
悔しいけど、諦めてなるものか。
私の道は、まだまだ終わっていない。
両脇に生えるイチョウ並木は、ずっと遠くまで続いている。
私の人生は、まだまだ終わりを迎えない。私の夢は、まだまだこれからだ。始まったばかりだ。
カサリ。
キッと、終わりの見えない道を睨みつけ、私は足を踏み出す。
地面に広がった、未熟な葉を糧に、私は上を目指して進む。
私の夢は、始まったばかり。終わりは、ずっとずっと遠い未来。
ハラリ。
視界の隅で、新しく葉が舞い落ちた。
その葉に残る未熟さも、私は忘れはしない。
いつか、木から離れて舞い落ちる葉も、私が胸を張れるような、立派に黄色く色付いたものになることを願って、そうなることを心に決めて、私は前に進む。
イチョウ並木は、ずっとずっと先まで続いている。
私の道は、どこまでも続いている。
最初は届かない恋心を思い描こうとしました。でもイチョウで表現するならもっといいものがあると思い、こんな形になりました。
仕事でも、部活でも、人生でも、自分の理想の形や憧れがあると思います。そこに近付く努力の過程を書きました。
伝わると嬉しいです。




