#18 同じ舞台に上がった仲!(4)
ゼクレイはリノンのノリに対して、ムカつくし、感情が走って一瞬『嫌いだなコイツっ!』となったりもします。
でも同時にそのマジさを真正面から認めてる。
……好きですね、神代はそんなゼクレイが好きです。
ゼクレイは更にこー続ける。
「で、私と話した感想はどうなのよ? 殴り合いも含めてね」
おー。
それについては……大満足だ!
「そりゃあもー、サイコーに楽しかったぜ! 久し振りにあーしの生の部分を出せたって感じだし、お前もあーしが聖女だとか関係無く生の感情むき出しでぶっ飛ばそーとしてきてくれたし、何よりもそんなガチのぶつかり合いをこのゼルトユニアで出来たことがめっちゃ嬉しいっ!!」
あーしははしゃぎたい気持ちを抑えながら、その代わりにゼクレイの手をガシッと取る。
「うわっ!?」
「あーしさ、これで一皮むけた気がするんだよっ。本当の意味で、あーしはあーしとしてこのゼルトユニアでやっていけるって確信出来たんだっ! いやもーホントにお前と会って良かったぜっ、この寺院に来てくれてマジで、マジでサンキューなっ!!」
ここではあーしの思いを、ゼクレイにこれでもかって位にぶつけたぜ。
「ちょっ、いきなり圧が凄いわよお前!?」
「ごめん! でも今日があーしにとって、本当にこのゼルトユニアに来て一番嬉しい日になったからっ!」
これは、ゼクレイに会ってなきゃ感じることの出来なかった嬉しさなんだ!
ゼクレイは、最早あーしのテンションに逆らう事を諦めた感じになってた。
「お、おう……」
けどさ――。
「……私も、お前に会って良かったわよ。こんなにも真剣に疲れたのは、生まれて始めてだもの。本当にアホ程疲れたけど、でも真剣に自分の気持ちと力をぶつけた後に来る疲労感っていうのはなんだか清々しくもあるのね」
最後にはそー言って、めっちゃ良い顔で笑ってくれたんだ。
――くぅっ! なんか、気持ちがあふれてくるっ。
「ゼクレイ……。その、良かったらあーしに手を貸してくんなーかな? お前が居てくれたら、この先凄く心強いって思うから」
ゼクレイは、不思議と驚いてる風じゃなかった。
なんてゆーか、『もーこの流れにノッちまおーかな……』って感じ?
「ふっ。……まったく、ムカつくくらい相手を口説くタイミングが絶妙ね。いいわよ、お前と居ると退屈なんてしなさそうだし」
「マジか、やったー!」
無意識的に出た言葉だったけど、言って良かったぜえっ!!
あーしたちのやりとりに、ナナカが苦笑しながら言う。
「やれやれ。なんだかんだで、リノンの心の鼓動に乗せられた人――いや野郎さんが増えたわね」
「別に人って呼んでも構わないわよ。野郎でもいいし、どっちも私なワケなんだからね」
ナナカの言葉にゼクレイが微笑みながらそー答えた。そっか、本人的にはそんなもんなのかもしれねーな。
「よっし、じゃあ早速ゼクレイを奥の間に案内するぜっ」
これでまた更に楽しくなるな。あーしの聖女としての生活がさっ。
※
その直後のことだけど、エルギアドが寺院の壁をぶっ壊して逃げていきやがった。
ったく、まだ治療もしてねーってのによー。
まあここでおとなしくしてるよーなヤツじゃないとは思ってたから、よしとしておくぜ。
たださっきの子供二人が魔法で飛んで逃げてくエルギアドを見て――
「お兄ちゃんバイバーイ!」
「またねー!」
――ってにこやかに手ぇ振ってたのは、ちょっと面白かったけどな。
まー多分、またどっかで絡む日が来るんじゃねーかな? 知らんけどさ。
……そっから更に数日経って、ドナキロとデゼルも帰ってきた。
「お疲れさんだったなドナキロっ! お、なんか気持ちシュッとしたんじゃねーか?」
「なんじゃいシュッとって。ていうか、その狐耳の女はまさか例のアレなんじゃい?」
「ゼクレイよ。お前のことはリノンからよく聞いてるわ、これから仲間としてよろしくね」
「ふむ、どうやら心強い友人を得られたようですな」
その日はちょっとしたパーティーをして皆で盛り上がったぜ、へへっ。
さーて。この仲間達と一緒に、これからも張り切っていくぞっ!
――#18 おわり!
でもって第一部もおわりっ!――
さあ、これにてギャル聖女第一部の堂々完結です!
ギャルJKな状態でゼルトユニアへと転移したリノン。けどこの回へと至る中でホントのホントの、マジでイケてる聖女になったと思います。
ちょっとワガママな所もあるけど、でもそれも自分の持ち味として捨てず、だからこそ皆の心を明るく照らす聖女足り得る――。
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