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悪役令嬢としての役割、立派に努めて見せましょう〜目指すは断罪からの亡命の新しいルート開発です〜  作者: 水月華
第4章

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108.怒涛の日々


 その後、寝てしまったジルベールは、マルセルとドミニクに回収された。


 近しい彼らでもジルベールが無防備に寝ているのは初めて見たらしい。


 とても驚いた表情をしていたので、優越感を感じた。


 マルセルがおんぶしても起きる様子のないジルベールに、どれだけ公務を詰め込んでいたのだろうと思う。


「マルセル様、殿下は寝ていらっしゃいましたか?」

「……途中で無理やり休ませました」

「……お疲れ様ですわ」


 その遠くなった目に全てを察した。


「殿下、レティシア様に啖呵を切ったくせに、自分が追い詰められていてはまだまだですね」

「コレット様」


 コレットの表情は少し不満気だ。


 まあ他者から見れば、あんなにレティシアの体調を気にしていたのに、自分が体調管理できないのはどうなんだと思うのは仕方ないかもしれない。


 それにしても、意外とコレットはジルベールに塩対応だ。


「追い詰められたというか、自分を律するためには公務に集中するしかなかったというか……」

 

 マルセルがジルベールを庇う。確かに何かに集中したい場合はあるだろう。


「貴族の方ってあまり趣味とかないですよね。刺繍などしている方もいますが、あれも趣味とは少し違うみたいですし」

「大体品位を高めるためですね。綺麗なものが出来るほど、教養があるという風にとられるそうです」


 言われてみれば、趣味という趣味はないかもしれない。その全てが何かしらの評価に繋がるようなことばかりだ。


「そろそろ帰ります」

「ええ。皆様お気をつけて。コレット様は、泊っていかれますよね」

「はい。この時間だと女性一人になるのは危険だからと、セシルさんが言ってくれました」


 コレットと一緒に、マルセルとドミニク、寝ているジルベールを見送った。


「さて、すっかり遅くなりましたね」

「ええ。早く休みましょうか。……ところで、コレット様」

「何でしょうか?」


 先ほどの話で、レティシアはある思いが芽生えた。


「もし、よろしければ……また一緒にお菓子を作っていただけないでしょうか?」

「え」

「で、殿下が喜んでくださったのが嬉しくて……。それにとても楽しかったので。あの、お忙しいなら大丈夫なの――」

「嬉しいです! ぜひ、また作りましょう!」


 恥ずかしくなってしまい、早口で喋ってしまう。


 そんなレティシアを遮り、コレットは嬉しそうな声を上げた。


 ニコニコ嬉しそうに笑うコレットに、レティシアはホッと息を吐いた。


「良かったです。またよろしくお願いします」

「はい!」


 こうして、レティシアにとって怒涛の一日は過ぎていったのだった。



 ◇◇◇



 けれど怒涛な日はこれで終わりではなく、むしろ始まりだった。


 レティシアにとって、ある程度予想できたことではあるけれど、それでも忙しいものは忙しい。


 まず陛下と王妃に挨拶するために、久しぶりにドレスを着る。これはあらかじめ、ジルベールが手配していたドレスを着ることになっていたので、準備することは大変ではなかった。


 ただ久しぶりのコルセットが苦しかったのは、辛かった。


 陛下も王妃も、再びレティシアが戻ったことに喜んでくれた。ジルベールの弟達も、喜んでくれていた。ある意味一番の被害者である彼らが歓迎してくれたのが、レティシアは嬉しかった。


 その流れで婚約者としての書類も作り直すことになった。レティシアは最初の予定の通り、リュシリュー公爵家から別の家、ドミニクに聞いた通りナミュール侯爵家に養女となった。


 ドミニクが義兄ということになり、違和感がある。ドミニクも違和感があるようで、それはお互い様、慣れるまでゆっくり進んでいこうという話になった。


 ドミニクの両親も、兄2人も厳格そうな人たちだった。しかしドミニクをある程度自由にしていたことからも、ちゃんと柔軟さも感じられる人たちだった。


 ちなみにドミニクが宰相を目指すと決めてから、ビシバシ教育をしているらしい。


 養女になる書類は、元の家、即ちリュシリュー公爵家当主の印が必要だ。本来であれば、バンジャマンも同じ空間にいる必要があったけれど、レティシアはまだ顔を合わせたくない。


 レティシアの意志を尊重してくれたのだ。これからも基本的にレティシアが出席する社交界にも、バンジャマン達は出席しない旨も伝えられた。


 諸々の後処理が終われば、リュシリュー公爵家は男爵家にまで降爵される予定だと聞いた。


 何となく複雑な気持ちになるのが、レティシアには不思議だった。もともと破滅させたかったのに、本当にそのような状態になると知っても心から喜べなかった。


 そのことをジルベールに話すと、レティシアが更に強くなったからだと言われた。


 レティシア自身に変わったという自覚はないが、皆が変わったというのだから変わったのだろう。


 書類関係でも膨大な量だったが、大変だったのはその先だ。


 そう、ジルベールの婚約者に戻ったことで、ジルベールが立太子することになりその発表のための準備が大変だったのだ。


 全て詳らに説明するわけには行かないが、説明はしないといけない。


 立太子の件については、振り回された弟達のことが心配だったが、歓迎ムードだった。


 曰く、ジルベール以外に務まる人間はいないと思っていたから、納まるところに納まって良かったとのことだ。


 予想はしていたが、レティシア達はその忙しさに目を回していた

いつも読んでくださりありがとうございます


作者は豆腐メンタルなので、過度な批判や中傷は御遠慮いただけると幸いです。

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