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壁|w・)読み直しができませんでした。誤字脱字、人名間違いなどあるかもしれません。
本当に興味はないらしく、ぞんざいに手を振って話を中断させた。そうしてから、戦士はロゼの方へと歩いて行く。セフィはそれに少し警戒するが、ロゼは特に身構えることもなく戦士が来るのを待っていた。
「今日はこれで終わりでいいだろう。それにしても驚いたよ。何の話かと思ったら、訓練の場所を変えたいなんてさ」
「邪魔をしたくなかったから。……結果的に邪魔どころか心配かけちゃったみたいだけど」
ロゼが申し訳なさそうに眉尻を下げてセフィを見る。邪魔をしたくない相手はセフィのことのようだが、何のことだろうか。
「家までは送ってやるから、とりあえず姉ちゃんと話をしてきな。あたしはここで待ってるよ」
「分かった」
ロゼは頷くと、セフィの方へと走ってきた。目の前まで来ると、セフィとアリスを順番に見て首を傾げる。
「セフィ。どういう状況?」
「いやむしろ私が聞きたいんだけど……。なにこれ」
また浜中にいじめられているのかもしれない、そう思っていたのだが、どうやらその心配は杞憂だったらしい。だがなおのこと、今の状況が分からない。ロゼが浜中と普通の会話をしているなど、直接聞いた今でも信じられないほどだ。
「もしかして、セフィ、私を探してくれた?」
「まあ、うん……。母さんにも言っちゃったよ……」
「ああ、そうなんだ……。書き置きぐらいしておけば良かったかな……。でもセフィも電話してくれればいいのに」
「残念、ロゼの携帯電話はロゼの部屋にありました」
「え? ……え? まじで?」
「まじで」
ロゼの頬が引きつっている。どうやら気づいていなかったらしい。人騒がせな妹だ、とセフィはため息をついた。
「それで? ロゼはあいつと何をしてたの?」
「あいつとはひどいね。……まあ自業自得か」
戦士が少し離れた場所で自嘲する。セフィは戦士を一瞥してから、ロゼへと視線を戻した。
「訓練」
「訓練? 何の?」
「人の目をちゃんと見て話す訓練とか、あと戦いの訓練とか。たまにスキルを全て禁止した上で、対術のみでやったりもしてる。護身術になるかなって」
その説明に、セフィは口を半開きにして固まってしまう。まさかそんな訓練をしているとは思わなかった。
「あいつと一緒なのはなんで?」
「ん……。私のトラウマそのものの人だから。あの人を乗り越えることができたら、がんばれそうだから」
ロゼも自分なりに考えて、努力をしていたらしい。それを喜ぶべきなのだろうが、もう少し自分にも話してくれても良かったのではないだろうか。そんなに、信用がないのだろうか。
「あー……。セフィ」
戦士が苦笑しながら声をかけてくる。胡乱げな瞳でそちらを見ると、戦士が言った。
「ロゼはあんたに心配をかけたくなかったんだよ」
「ちょ……!」
ロゼが慌てたように振り返る。構わずに戦士が続ける。
「いつもロゼのことを第一に考えて行動してるだろ? ロゼはあんたを縛り付けていないかと心配してるのさ。それでセフィを早く解放するために、ロゼはロゼなりに頑張ってたってことさ」
「そうなの?」
そんなことは今まで聞いたこともなかった。ロゼは少し顔を赤くしながらも、小さく頷いた。
「今日も、アリスさんと一緒に遊びに行けばいいのに、私に気を遣ってたから……。セフィのことは頼りにしてるけど、縛り付けたいとは思ってないから」
「そっか……」
セフィとしては苦なんてこともなかったのだが、ロゼはずっと気にしてくれていたらしい。それでもやはり言ってほしかったと思うが、ロゼの気遣いは単純に嬉しいものだ。ロゼの頭を撫でながら、セフィは笑顔で言った。
「うん。ありがとう、ロゼ。でも私は好きでやってることだからさ」
「ん……。でも、遊びに行くとかあったら、私のことは気にしなくていいから。気にされる方が、私はちょっと辛いから……」
「分かった。そうするね」
ロゼは安堵したように、満足そうに笑って頷いた。
「ところで、セフィはどうやってここに来たの? 同じネットカフェにいるの?」
思い出したようにロゼがそう聞いてくる。そう思っても不思議ではないだろう。本来ならこのエリアは、ネットカフェからでなければ入れない場所なのだから。
「あれ、でもそれならアリスさんがここにいるのはおかしい……」
ロゼがアリスを見る。セフィも振り返ると、アリスはにこにこと機嫌良く笑いながらこちらを見ていた。少し気恥ずかしくなってロゼへと視線を戻すと、不思議そうに首を傾げているロゼと目が合った。
「えっと……」
セフィは戦士を見る。アリスに関わる話なので、聞かれてしまうのは問題だろう。そう思っていると、セフィの視線から事情を察したのか、戦士は苦笑して肩をすくめてみせた。
「ロゼ。あたしは先にログアウトしてるよ。待っておいてやるから、ゆっくりお姉ちゃんを話をしておきな」
そう言うと、戦士の姿が消えていく。次の瞬間には戦士の姿はどこにもなかった。その気遣いに素直に感謝する。以前までの関係なら考えられなかったことだ。
「それで?」
ロゼに促されて、セフィはギルドでの出来事を説明していく。ロゼは難しい表情をしながらも、黙ってそれを聞いていた。
やがて、全て聞き終えたロゼは神妙な面持ちでアリスを見た。
「アリスさんって何なの……?」
「さあ……」
セフィにも分からない。他のAIとは違う特殊なAI、という認識だったのだが、特殊さは想像以上らしい。少し考えてみるが、セフィが考えても分かるはずのないものだ。クロダに聞いても、答えてはくれないだろう。
「ねえ、アリス。ちょっといい?」
セフィが呼ぶと、アリスはこちらへと歩いてきた。
「何でしょう?」
「単刀直入に聞くけど、アリスって何なの?」
あまりにも抽象的な問いかけだ。普通なら意味が分からないと首を傾げられるだろう。だがアリスはセフィの質問に意味するところを正確に汲み取り、言った。
「私はただのAIです。ワンダーランドに存在する全てのAIのオリジナルではありますが」
「え……? じゃあ、あのNPCたちって元々はアリスみたいなもの?」
「何となく誤解を招きそうですが、まあそんな感じですね。彼らは私を参考にして作られているだけなので、私とはやっぱり違いますけど」
「なるほど!」
「セフィ、分かってるの?」
「わからん!」
だと思った、とロゼが肩を落とすと、アリスは楽しげに笑った。笑われた、とセフィが嘆き。当たり前だとロゼが鼻を鳴らす。そのやり取りを、アリスは優しげに目を細めて見守っていた。
壁|w・)さくっといきます、よー。
本当にいじめだったパターンを書いたりもしましたが、読んでいて気持ちの良いものではなかったのでわき役浜中さんは良い人化しました。




