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第3話「お姉様と一緒!VSギア・シスターズ」

休日の朝。

ケイの部屋では、白と青を基調としたギアフレーム、アステルが簡易版GEAR LINKの前に立っていた。

肩には、新たに取り付けられた補助フレームが取り付けられている。

「よし……準備完了!」

ケイは操作パネルを確認し、隣に浮かぶサポートAIのレイに顔を向けた。

「レイ、今日こそ新しいアステルでバトルしてみよう!」

『うん! 昨日まで練習してきた成果を見せようね、ケイ!』

「うん!……でも、いきなり強い相手だったらどうしよう……」

『もう、ケイったら! せっかく楽しみにしてたのに!』

「た、楽しみなのと怖いのは別だよぉ……!」

ケイは肩をすくめたものの、すぐにアステルを見つめ直した。

昨日までは、姉の大切な機体を自分の手で変えてしまうことに、どこかためらいがあった。

けれど、実際に自分で改造してみたことで、少しだけ気持ちが変わった。

自分の手で組み上げたパーツが、アステルの新しい一部になっている。

それが、なんだかうれしかった。

「……よし。せっかく改造したんだから、ちゃんと動かしてあげなくちゃね」

『うん! ぼくも全力でサポートするよ!』

「よろしくね、レイ!」

ケイはアステルをケースにしまい、GEAR LINKのイベント会場へと向かった。

会場は、休日を楽しむプレイヤーたちでにぎわっていた。

大型モニターには対戦中のギアフレームが映し出され、あちこちから歓声が上がっている。

「うわぁ……すごい人……!」

入口で足を止めたケイは、思わず周囲を見回した。

『大丈夫?ケイ』

「う、うん!大丈夫……たぶん!」

『また、たぶんなんだ?』

「も、もう!からかわないでよぉ!」

そんなやり取りをしながら受付を済ませたケイは、空いている対戦台を探し始めた。

そのときだった。

「うひゃあっ!?お、お姉様ぁ~!私、本当に勝てるのでしょうかぁ……!?」

聞き覚えのない少女の声が響いた。

声のした方を見ると、ひとりの少女が対戦台の前でおろおろしていた。

少女の隣には、上品な雰囲気の女性型サポートAIが浮かんでいる。

『大丈夫よ、シキ。わたくしがついているから、落ち着いて戦いましょう』

「は、はいっ!お姉様と一緒なら、私だって……!」

『ふふっ。その意気ですわ』

少女はこくこくとうなずいた。

しかしモニターに強そうなギアフレームが映し出されると、すぐに肩を震わせてしまう。

「うぅ……やっぱり怖いですぅ……!」

『シキ。深呼吸をして。焦らなくても大丈夫ですわ』

「すぅ……はぁ……。すぅ……はぁ……」

一生懸命に深呼吸を繰り返す少女。

その様子を見ていたケイは、思わずレイに小声で話しかけた。

「……なんだか、ちょっとぼくに似てるかも」

『そうかな?でも、あの子のサポートAIはしっかりしてそうだね。』

「うん。」

そんなことを考えていると、少女がこちらに気づいた。

「あっ! え、えっと……そちらの方もプレイヤーさんですか?」

「あっ、うん! ぼくは天宮ケイ。こっちはサポートAIのレイだよ」

「わ、私は野上シキです!こちらは私のサポートAIのシロお姉様です!」

『初めまして、ケイさん。わたくしはシロ。シキのサポートを担当しておりますわ』

「は、初めまして!」

ケイがぺこりと頭を下げる。

シキはシロの立体映像にぴったりと寄り添いながら、誇らしげに胸を張った。

「お、お姉様はすごいんですよ! 戦闘の分析も、作戦を考えるのも、私のことを励ましてくれるのも、ぜーんぶ完璧なんです!」

『まあ、シキったら。少し褒めすぎですわ』

「そ、そんなことありませんっ!」

『ふふっ。ありがとうございます』

シロが微笑むと、シキも安心したように笑った。

その様子を見ていたケイは、少しだけうらやましそうに目を細めた。

「……そっか。シキちゃんにとって、シロさんは大切な相棒なんだね」

「は、はいっ!お姉様がいなかったら、私なんて何もできませんから……!」

『そんなことはありませんわ、シキ』

イチは穏やかに答えた。

『わたくしはあなたを支えるためにいます。でも、実際に戦うのはあなた自身。あなたが一歩踏み出さなければ、わたくしの作戦も意味を持ちません』

「お、お姉様……!」

『ですから、自分のことも信じてあげてくださいね』

シキは胸元で両手を握りしめた。

「……はいっ!」

そのやり取りを見ていたレイが、ケイに笑いかける。

『素敵な関係だね!』

「……うん。ぼくたちも、あんなふうになれるかな?」

『もちろん! だって、ぼくはケイの相棒だからね!』

「……えへへ。そうだね」

少し照れくさそうに笑うケイ。

すると、シキが突然、目を輝かせた。

「あ、あのっ! ケイさん!」

「えっ? な、なに?」

「よかったら、私とバトルしていただけませんか!?」

「ええっ!?」

ケイは思わず声を上げた。

「わ、私、もっといろんな人と戦ってみたいんです!でも、知らない人に声をかけるのは怖くて……。だから、その……!」

シキはしゅんと肩を落とした。

「……やっぱり、迷惑ですよねぇ……」

「そ、そんなことないよ!」

ケイは慌てて首を横に振った。

「ぼ、ぼくも、まだまだ練習中だし……。その、よかったら……!」

「ほ、本当ですか!?」

「う、うん!」

シキの顔がぱあっと明るくなる。

「ありがとうございますぅ! お姉様、私、頑張ります!」

『ええ。わたくしも全力でサポートしますわ』

『ケイ、ぼくたちも頑張ろうね!』

「うん!」

こうして、ケイとシキの初めてのバトルが決まった。



対戦台の前。

ケイはアステルをGEAR LINKにセットし、操作パネルを確認していた。

「……よし。新しい補助フレームも問題なし」

『うん、接続状態は良好だよ。これなら、いつもどおり動かせそうだね!』

「うん……!よし、頑張ろう!」

一方、シキも自分のギアフレームを接続していた。

重厚な腕部ユニットに、巨大な杭を打ち出すためのパイルバンカーを装備した機体。

その名は、穿槍(せんそう)。

「うひゃあ……!い、いよいよ始まっちゃいますぅ……!」

『シキ。準備はできていますか?』

「は、はいっ! 穿槍のパイルバンカーも、ちゃんと確認しました!」

『よろしい。それでは、最後に作戦を確認しましょう』

イチが戦闘データを表示する。

『相手の機体はアステル。軽快な動きと回避を得意としています。』

「ううっ……。避けるのが上手な相手なんですねぇ……」

『ええ。ですから、無理に追いかける必要はありません。相手の動きを観察して、確実に攻撃できる瞬間を待ちましょう』

「わ、分かりました! お姉様!」

『それから、シキ』

「は、はいっ!」

『わたくしの言葉を聞くだけでなく、自分でも考えてみてくださいね。わたくしが予測できないことも、あなた自身なら気づけるかもしれませんから』

「……私自身で……」

シキは穿槍を見つめた。

「……はい!頑張ります!」

両者の準備が整い、対戦フィールドが展開される。

今回のフィールドは、荒れた岩場を模した地形。遮蔽物は少なく、広い範囲を見渡せる。

『GEAR LINK 、バトルスタート!』

開始の合図とともに、アステルが走り出した。

「まずは距離を取って、相手の動きを見よう!」

ケイの操作に合わせ、アステルは岩場を駆け抜ける。

「シキ、追わなくて大丈夫です。まずは相手の動きを確認しましょう」

「は、はいっ!」

穿槍は両腕のパイルバンカーを構え、その場でアステルの動きを見つめていた。

「……動かない?」

ケイは戸惑いながらも、アステルを側面へ回り込ませる。

「だったら、こっちから……!」

アステルが一気に距離を詰めた。

その瞬間。

『シキ、今ですわ!』

「は、はいっ!」

穿槍が踏み込んだ。

重い機体が地面を蹴り、パイルバンカーを突き出す。

「うわっ!?」

アステルはとっさに横へ飛び退いた。

直後、巨大な杭が地面へと打ち込まれる。

轟音とともに岩場が砕け、破片が周囲へ飛び散った。

「な、なんて威力……!」

『直撃は避けられたね。でも、あの攻撃を何度も受けるのは危険だよ、ケイ!』

「う、うん……!」

ケイはアステルを後退させた。

しかし、シキは追撃を仕掛けず、再び構えを整えていた。

「……あれ? 追ってこない……?」

『シキは、こちらの回避行動を確認しているようですわね』

イチの分析に、ケイは目を見開いた。

「そっか……!ただ闇雲に攻撃してるわけじゃないんだ……!」

ケイはアステルの足元を確認した。

岩場には、先ほどのパイルバンカーによって砕かれた岩が散らばっている。

このまま同じように回避を続ければ、動ける場所が少しずつ限られていく。

「レイ、攻撃を避けながら、少しずつ横に回り込もう!」

『了解!でも、焦って操作を重ねすぎないでね!』

「う、うん……!」

ケイは深呼吸した。

回避したあと、すぐに次の操作を入力しない。アステルの体勢を整え、それから次の行動へ移る。

昨日、何度も練習した動作を思い出す。

「……今だ!」

アステルが攻撃をかわし、岩場の陰へと滑り込む。

今度は体勢を崩さなかった。

「やった……!ちゃんと動けた!」

『やったね、ケイ!練習の成果が出てるよ!』

しかし、喜んだのも束の間。

『シキ、右側へ!』

「は、はいっ!」

穿槍が岩場を回り込み、アステルの進路を塞いだ。

「えっ!? もう回り込んできたの!?」

『移動先を予測していたんだね!』

穿槍のパイルバンカーが、再びアステルへ向けられる。

「うわわっ……!」

杭が撃ち出される。

アステルは身をひねって回避したが、杭が装甲のすぐそばをかすめた。

ケイの表情が強張る。

もう少し遅れていたら、直撃していたかもしれない。

『ケイ、落ち着いて! まだ戦えるよ!』

「……うん!」

ケイは操作パネルを握り直した。

怖い。

アステルが傷つくことも、せっかく改造した機体が壊れてしまうことも、やっぱり怖い。

それでも、昨日とは違う。

自分にはレイがいる。そして、自分自身も少しずつ練習を重ねてきたのだから。

ケイはアステルを動かし、シキの攻撃を誘うように距離を詰めた。

「えっ!? こ、こっちに来たぁ!?」

『シキ、慌てないで! 相手の動きを見て!』

「は、はいっ!」

シキは穿槍を構える。

アステルが一気に接近する。

シキは反射的に攻撃を繰り出そうとした。

しかし、その直前。

「……待って!」

シキの動きが止まった。

「お姉様、相手は……!」

『ええ。あなたの攻撃を誘っている可能性がありますわね』

「じゃ、じゃあ……!」

『どうするかは、あなたが決めてください』

イチの言葉に、シキはぎゅっと拳を握りしめた。

怖い。

相手が何を考えているのか分からない。失敗したらどうしよう。

けれど、シキはイチの言葉を思い出した。

自分自身で考えること。

お姉様が支えてくれるからこそ、自分も一歩を踏み出さなくてはいけない。

「……わ、私だって……!」

シキはパイルバンカーの照準をわずかにずらした。

「ええいっ! こっちですぅ!」

杭が撃ち出される。

アステルは回避しようとしたが、杭は機体そのものではなく、進路上の岩へと突き刺さった。

「えっ!?」

岩が砕け、アステルの足元へと崩れ落ちる。

「うわっ! 足場が……!」

アステルの動きが一瞬止まった。

シキはその隙を見逃さない。

「お、お姉様! 今ですぅ!」

『ええ、シキ!』

穿槍が踏み込む。

左右のパイルバンカーが、アステルを挟み込むように構えられた。

「しまっ……!」

ケイは操作パネルを動かした。

アステルは崩れた岩を蹴り、ぎりぎりのところで攻撃を回避する。

しかし、左肩の装甲がパイルバンカーの先端に触れた。

警告音が鳴り、モニターにダメージ表示が浮かび上がる。

「アステルっ!」

ケイの声が響く。

一瞬、手が止まりそうになった。

けれど、ケイは歯を食いしばり、アステルを後退させた。

「……まだ、終わってない!」

『ケイ……!』

レイが驚いたように声を上げる。

ケイは傷ついた肩を確認しながら、再びアステルを構え直した。

「ぼくは……アステルと一緒に戦うって決めたんだ!」

その言葉に、レイはうれしそうに微笑んだ。

『うん!最後まで一緒に頑張ろう!』

両者の機体が、再び向かい合う。

アステルの肩にはダメージが残っている。穿槍も、パイルバンカーを繰り返し使用したことで、動きにわずかな隙が生じていた。

『ケイ、相手の攻撃後に、ほんの少しだけ動作の遅れが出ているよ!』

「本当!?」

『うん。パイルバンカーは強力だけど、攻撃のあとに姿勢を整える必要があるみたい!』

ケイは相手の機体を見つめた。

攻撃を避けるだけでは、勝つことはできない。

けれど、相手の動きを観察し、次の行動を考えることなら、自分にもできる。

「……よし。レイ、攻撃のタイミングを合わせて!」

『了解!』

ケイはアステルを走らせた。

シキもパイルバンカーを構え、迎え撃つ。

「お、お姉様ぁ!来ますぅ!」

『大丈夫。落ち着いて、シキ!』

二機の距離が縮まる。

シキがパイルバンカーを撃ち出す。

ケイはその動きを見極め、アステルを横へと滑らせた。

杭が空を切る。

そして、攻撃を終えた穿槍に、一瞬の隙が生まれた。

「今だぁっ!」

アステルが踏み込む。

しかし、ケイは攻撃を繰り出す直前で、わずかにためらった。

ここで無理に攻撃すれば、アステルの肩に負担がかかるかもしれない。

その一瞬の迷いを、シキは見逃さなかった。

「え、えいっ!」

シキは機体を旋回させ、残ったパイルバンカーをアステルへ向ける。

『ケイ、危ない!』

ケイは慌てて操作を入力した。

しかし、アステルの体勢が整うまでには、ほんのわずかな時間が必要だった。

パイルバンカーがアステルの胴体へと迫る。

『TIME UP!』

試合終了のアナウンスが、会場に響き渡った。

両機の攻撃は判定によって中断され、大型モニターに結果が表示される。

判定勝ち――シキ。

「……えっ?」

ケイは呆然とモニターを見つめた。

「ぼ、ぼく……負けちゃったんだ……」

胸の奥が、きゅっと締めつけられる。

アステルを守りきれなかった悔しさ。もっと上手に動かせたはずだという後悔。

けれど、それ以上に強く感じたのは、相手の強さだった。

シキは、あんなに怖がっていたのに。

自分で考えて、攻撃のタイミングを見極めて、最後まで戦い抜いたのだ。

「ケイ……」

『大丈夫?』

ケイはしばらく黙っていたが、やがて小さく息を吐いた。

「……悔しいなあ」

『うん……』

「でも……楽しかった!」

ケイは顔を上げた。

「もっと練習して、次はちゃんと勝ちたい。アステルのことも、もっと上手に動かせるようになりたい!」

『うん! ぼくも一緒に頑張るよ!』

一方、対戦台を降りたシキは、まだ信じられないといった様子で立ち尽くしていた。

「……か、勝った……?私が……?」

『ええ。よく頑張りましたわ、シキ』

「お、お姉様ぁ~!私、ちゃんと戦えましたぁ……!」

『ええ。最後まで自分で考えて、よく戦いましたね』

「うぅ……!お姉様のおかげですぅ……!」

『ふふっ。わたくしは少し助言をしただけですわ』

シロは優しく微笑んだ。

『あなたが頑張ったからこその勝利です』

「お、お姉様……!」

シキは目元をぬぐい、改めてケイの方へと向き直った。

「あ、あのっ! ケイさん!」

「えっ? な、なに?」

「今日はありがとうございました!私、すごく楽しかったです!」

「……うん! ぼくも!」

ケイは少し照れくさそうに笑った。

「でも、次は負けないからね!」

「そ、そうですかぁ……!で、でも、私も負けませんからぁ!」

シキは震えながらも、しっかりとケイを見つめた。

その姿を見て、ケイは笑顔になった。

「……うん。お互い頑張ろう!」

「は、はいっ!」

そして、シキはふと思い出したように口を開いた。

「そ、そういえば……ケイさんって、すごくかっこいいですよね!バトル中も一生懸命で……!私、同年代の男の子と対戦するのは初めてだったんですけど、こんなに楽しいバトルは初めてでした!」

「…………えっ?」

ケイの笑顔が固まった。

レイも、シロも、ぴたりと動きを止める。

「……男の子?」

「は、はいっ!あっ、もしかして言い方が失礼でしたか!?ご、ごめんなさいぃ!」

シキは慌てて頭を下げた。

「ち、違うよ! あの……ぼく……」

ケイは視線を泳がせながら、小さな声で告げた。

「……ぼく、女だよ?」

「…………」

「…………」

数秒間の沈黙。

「えええええええええっ!?」

シキの絶叫が会場に響き渡った。

「お、おおお女の子ぉ!?ケイさん、女の子だったんですかぁ!?」

「う、うん……。よく男の子に間違われるけど……」

「そ、そんなぁ! わ、私、ずっと男の子だと思って……!あああ、どうしましょう、お姉様ぁ~!」

『シキ、落ち着きなさい。ケイさんが女性であっても、先ほどのバトルの結果は変わりませんわ』

「そ、そうですけどぉ~!」

ケイは困ったようにうつむいた。

「うぅ……やっぱり、変なのかな……ぼく……」

『そんなことないよ、ケイ!』

レイがすかさず声を上げた。

『ケイはかっこいいからね!』

「れ、レイっ!?そ、そういうことじゃないよ……!」

『ふふふ』

シロは微笑みながら、ケイに向き直った。

『ケイさん。シキがすみません。

ですが、引っ込み思案なこの子にバトルを楽しめる友人が出来た事が心の底から嬉しいんです。』

「……シロさん」

「私、全然気づかなくて……! ご、ごめんなさい、ケイさん!」

シキはぺこぺこと頭を下げた。

「ううん、気にしないで。慣れてるから……」

「な、慣れてるんですかぁ……!?」

「うん……」

シキはしばらくケイを見つめていたが、やがて少し照れくさそうに笑った。

「……えへへ。なんだか親近感が湧いちゃいました」

「えっ?」

「私も、もっと自信を持って戦えるようになりたいです!だから……次も、絶対にバトルしてくださいね!」

ケイは驚いたように目を瞬かせた。

そして、すぐに笑顔になる。

「……うん!今度はぼくが勝つからね!」

「お、お手柔らかにお願いしますぅ~!」

『ふふっ。シキ、次はもっと練習が必要ですわね』

「は、はいっ! お姉様!」

『ケイ、ぼくたちも負けていられないね!』

「うん! 次は絶対に勝とう、レイ!」

『もちろん!』

レイとシロは、互いに顔を見合わせた。

『シロさん。これからも、シキとよいライバル関係を築いていけたらいいね!』

『ええ、レイさん。わたくしたちも、よいサポートができるよう頑張りましょう』

『うん!』

こうして、ケイとシキは初めての対戦を終えた。

ケイはまだ、戦うことへの恐怖を完全には克服できていない。

それでも、自分だけの戦い方を見つけるために、また一歩を踏み出した。

そして、シキもまた、シロに支えられながら、自分自身の力で戦うことを少しずつ覚え始めていた。

『ケイ、今日のバトル、悔しかったね……』

「うん。でも、次は絶対に勝つよ! もっとアステルを動かせるようにならなくちゃ!」

『その意気だよ! ……あれ? ケイ、あそこにいる人たちって……』

「えっ?……あっ!ユウリさんとシキちゃんたちだ!」

「お前、ケイ達を倒したんだってな?今度はオレと勝負だ!」

「ひゃああっ!?ど、どうして私がこんなに気合いの入った人と戦うことにぃ~!?」

『落ち着きなさい、シキ。わたくしがついていますわ』

「は、はいっ!お姉様……!」

「アステルとブレイカーがぶつかりあったらどうなっちゃうんだろう?」

『ふふっ、ほかの人のバトルから学ぶことも多いからね!』

「さあ、勝負だ!」

「お、お手柔らかにお願いしますぅ~!」

次回、共闘心機!ギアリンクバトラーズ

第4話「激突!ユウリVSシキ!」

『心を合わせて、ギアリンク!』

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