第三十三話 すくも火のごとく
下田・玉泉寺の一間には、すでに席が定まっていた。
上座の一方に、アメリカ総領事タウンゼント・ハリス。半歩控えて、ヘンリー・ヒュースケン。さらにその後ろに、記録役らしい者がひとり。
向かいに、井上清直と岩瀬忠震。両名の後ろ、やや下がって本木昌造と中浜万次郎。さらにその外れに、朝倉藤兵衛が控えている。
行灯の火は明るすぎず、影を濃くも作らない。顔色を読み、筆先を追い、しかも言葉の棘だけは隠さぬには、ちょうどよい明るさだった。外では潮の音が、遠くから一定の間隔で届いてくる。下田という土地が、否応なく「海」を意識させる。
ハリスは、まず室内をゆっくりと見渡した。
席順。人の引き方。通詞の置かれ方。
日本側は、ここが条約そのものを断じる場ではなく、その前段を詰める座であることを、はじめから形で示している。前へ出るべき者と、出ぬべき者が、きちんと分けられている。下手に控えた藤兵衛の位置も、その一つであった。
ハリスは正面の文束から視線を上げ、ゆっくりと口を開いた。
「まず――」
声は低く、落ち着いていた。
「このたび、貴国において勅許が得られたこと。その労に対し、心からの祝意を表したい」
英語で置かれたその言葉を、ヒュースケンが一拍遅れて蘭語へ移す。本木昌造は、その蘭語を受け取り、一語も削らず日本語へ落とした。
清直と忠震が、同時に一礼する。
「御意、忝く存じます」
応じたのは清直である。声は低いが、曖昧ではない。
ハリスは続けた。
「我が国にとっても、朝廷の裁可は軽い事柄ではない。それが整ったという事実は、貴国がこの通商を一時の便宜ではなく、国家として引き受ける覚悟を示したものと、私は受け取っている」
ヒュースケンの瞳が、そこでほんのわずかに細くなった。その評価が、単なる外交辞令の域を超えていることを、彼は理解していたからである。日本側もまた、その重みを測っている。
清直が、静かに応じる。
「そのように受け止めていただければ、我らとしても本意にございます」
それ以上は重ねない。祝辞は、それで十分だった。
ハリスは軽く頷き、再び文束へ目を落とした。
――通商取極案。
すでに一通りは読んでいる。だが、交渉とは二度目からが本番だ。書かれた言葉そのものより、どこに空きを作り、どこで沈黙したかの方が、その国の本心を語る。
(整っている)
率直な感想であった。
開港地。税率。居留地。遊歩の範囲。最恵国待遇。裁判権。
いずれも、彼が想定していた線から大きく外れてはいない。清国で見たような無抵抗でもなければ、虚勢で拒む類の文でもない。抑えるべきところを抑え、譲るべきところを一度文へ置いた者の書きぶりである。
(これは、書ける者が書いた文だ)
岩瀬忠震の名が、脳裏をよぎる。文言の端々に、感情を排した理屈の匂いがある。だが、それだけではない。文を整える者の理の後ろに、現場を知る者の手触りも混じっている。複数の頭を通してきた文である。
「全体として」
ハリスは顔を上げた。
「よく考えられている。特に、税率を二割とした点は、貴国の慣習から見れば、容易な判断ではなかったはずだ」
昌造が訳す。忠震が、わずかに頭を下げた。言葉は短いが、その一礼には「易い判断ではなかった」という部分への承認があった。
ハリスはさらに続けた。
「最恵国待遇についても、条項ごとに扱うという整理は理解できる。後々の摩擦を避けるためにも有益だろう」
清直はここで、一度だけ口を開いた。
「一括して許せば、後日の細目まで、みな一緒に付いて参りましょう。ならば、最初から条ごとに境を引いておくべきと考えました」
その答えに、ハリスは心中でうなずいた。
やはり受け身ではない。譲ったのではなく、譲る位置を自ら選んでいる。
「居留地と遊歩の規定も、貴国の事情をよく反映している」
ハリスはそこで一拍置いた。
「私は、これを“閉鎖的”とは見ない」
昌造が訳す間、室内は静まりかえっていた。
「むしろ――慎重だ」
この評価に、日本側はすぐには応じなかった。
それでよい、とハリスは思った。
褒められたからといって緩む相手ではない。慎重という言葉が、褒め言葉であると同時に牽制でもあることを、彼らは知っている。
だが、彼の視線は、文束の中ほどで止まっていた。
(港が……薄い)
石炭、水、修船、郵便、曳船。
いずれも書かれてはいる。だが、どれも「追って協議」「地方官の裁量」「別段の取極」といった言葉の中へ収められている。名目は立ててある。だが、港が港として動くための骨組みは、まだ紙の下に隠したままだ。
(欠陥ではない。これは――空けている)
意図的に、である。
いまはそこを塞がぬ、という意思だ。港を“名”で出しても、まだ“動き”までは文へ載せぬ。ならば、その空きをどこで詰めるかこそが、今日の核心になる。
ハリスは、あえてすぐにはそこへ触れなかった。
先に、通商の表に見える条件から詰める。表の理を整えたうえで、港の実へ入る。その順の方が、日本側も退きどころを見失わずに済む。
「ただ――」
彼は声の調子をわずかに変えた。
「通商の基本条件について、我が国からいくつか提案がある」
ヒュースケンが筆を取り、清直は姿勢を正し、忠震は視線を落とした。昌造の指先だけが、膝の上でごくわずかに動く。
「まず、税率について」
ハリスは、文束から一枚を引き出して指で押さえた。
「貴国の自主性は尊重するつもりだ。だが、この二割という数字が固定されるならば、通商が著しく制限されることを、合衆国としては懸念している」
ヒュースケンが、ほぼ直訳に近い蘭語を置いた。その蘭語が場へ落ちた瞬間、空気がほんの少しだけ硬くなる。
――制限される。
昌造は、すぐには声を出さなかった。
(違う)
胸の内で、小さく首を振る。これは、拒絶ではない。まして恫喝でもない。そこでふと、中浜万次郎が先日、土佐の座で語った言葉が蘇る。
――亜米利加は、高い税が嫌ながではない。
――港が止まるがを、いちばん恐れちゅう。
――動き出した蒸気船は、石炭と水と積み下ろしが滞れば、それだけで利を失う。
昌造はようやく声を出した。
「……ただし」
語調を少し落とす。
「通商が制限される、というよりは、通商が回り切らなくなることを、合衆国として最も懸念しておられるとの意にございます。数量が伸びず、回転が鈍れば、双方にとっての利が減ずる。その点を案じておられます」
場の空気が、ゆっくりと元へ戻る。
清直が深く息を吸った。
「現状案は、我が方として“今”、提示し得る線にございます」
それは譲らぬと言うのでもなく、これで確定だと言うのでもなかった。今の線である、とだけ置く。下田奉行らしい、現場を背負った言い方である。
忠震が続ける。
「ただ、税は初めの一事にて定まりきるものでもございませぬ。通いの量、港の働き、取扱の手順――それらが見えれば、改めて論ずる余地はありましょう」
ハリスは、それを聞いて軽くうなずいた。
「よろしい。この場では、歩み寄りの余地があると受け取っておこう」
そう言って、それ以上は追わない。押し込めば、数字そのものより“押し込まれた”記憶が残る。今はそれを避けるべきであった。
「次に、居留と遊歩の件です」
辺りが再び静まる。
「貴国案では、遊歩の範囲を七里以内としている。しかし、我が国の生活習慣や緊急時の移動を考えると、この範囲は狭い」
今度の訳は、昌造も滑らかであった。すでに論点が見えているからだ。
忠震が短く応じる。
「七里は、いまの我が方が責を負いうる限りの線にございます。外へ広げれば、兵も港役人も、その分だけ薄く広がります」
それは、単なる閉鎖の理屈ではない。責任の理屈である。
「ただし」
忠震はそこで一拍置いた。
「暫くの定めとして置き、後に事情を見て緩める余地はございます」
ハリスは、その一言を待っていたように頷いた。
「良い。余地が欲しいのだ」
柔らかな声でそう言ってから、次の一語だけを少し強くする。
「ただし――この“暫く”が、ただの先送りになってはならない」
昌造が慎重に訳し、続いてヒュースケンが筆を走らせる。藤兵衛は、そこでも視線を上げない。だが、その「暫く」が後日どこで線を引くかの約束であることは、座の者すべてが知っていた。
「さて」
ハリスは次の文を広げた。
「治安と裁判の件です」
ここは先ほどまでより、一段、空気が張る。
「領事裁判権は、今回の交渉において譲れない項目です」
声は穏やかだ。だが揺るがない。
「合衆国民が、貴国の法に裁かれるとなれば、多くの問題を生むだろう」
忠震がすぐに返した。
「それは、我が法が未熟であると?」
場が、わずかに張りつめる。
ハリスは即座に首を振った。
「いや。未熟なのではない。異なるのだ」
そのまま続ける。
「我々が恐れるのは、判決そのものではない。判断に至る道筋が見えぬことだ。法が違えば、手続きの意味も違う。そこで不安が生まれる」
昌造は、その言葉を少しずつ噛み砕いて訳した。
「判決の是非ではなく、その道筋が確認できぬことを、不安としておられます」
清直が一度だけ目を伏せた。下田奉行として、法と現場の間に立つ者の苦さが、その仕草に滲む。
「……法を預かる身としては、苦い条件にございます」
それでも顔を上げる。
「しかし、通商を止めぬための措置と理解いたします」
ハリスは、小さく頷いた。
「我々も、勝つ裁判を望んでいるのではない。止まらぬ通商を望んでいるだけだ」
さらに一歩、先を置く。
「ゆえに、合衆国側の領事立会の権利についても、明文化を希望する。取調はすべての国民が受ける。だが、合衆国民に不利なる取扱が生じぬよう、双方が立ち会う形が要る」
清直が、今度はすぐに答えず、忠震とわずかに目を交わした。
「貴国の求めは聞かせていただきます」
それは受諾ではない。だが、拒絶でもない。
ハリスは少しだけ待ってから問うた。
「再考に時間を?」
「必要にございます」
「結構」
彼は頷く。
「ただ――次には、方向ではなく中身を聞きたい」
その一言が、交渉の拍子を決める。ここまでは論点の置き方であった。次は譲る幅と譲らぬ骨の話になる。日本側も、それを分かっている。
一通りの主張が終わったところで、ハリスはふと、何気ない調子で言った。
「ところで」
その一語で、場の空気が目に見えぬほどわずかに変わる。
「昨年、江戸にて拝見した蒸気船だが……」
ヒュースケンの指が止まる。昌造は、しかし表情を動かさない。
「土佐で造られたと、私は聞いている」
昌造が訳す。誰も否定しない。
否定しない、という選択。それ自体が、肯定に近い重みを持つことを、ハリスは知っていた。
「性能は見事だった。速度、停止距離、操縦性――いずれも偶然の産物ではない」
そこで、声を一段落とす。
「もし、あの船が示した性能が通商においても再現されるなら、貴国の輸送能力は大きく伸びる。速く、確実に運べるという事実は、商いの価値そのものを押し上げる」
清直も忠震も、まだ沈黙を守っている。
ハリスは続けた。
「合衆国としては、その可能性に強い関心を持っている。必要とあらば、通商の円滑化という名目のもと、技術面の協力や支援を惜しむつもりはない」
ここまでは餌である。
相手がそれを餌と見るか、利と見るかを測るための。
「そして、ああした船を動かすには」
ハリスは、ゆっくりと言葉を継いだ。
「修船・補給・連絡の拠点が近くになければならない。石炭、水、修理、積み下ろし、そのいずれかが欠けても、蒸気船は商いの道具になりきれない」
清直の指が、膝の上でごくわずかに動いた。
ハリスは、その小さな動きを見逃さない。
「よって」
彼は淡々と続けた。
「土佐の主要港――浦戸を、開港地に加えるべきだと考える」
要求ではない。協力だ。
そう聞こえる口調で置かれた一語であった。
一瞬、沈黙が落ちた。清直も忠震も、すぐには口を開かない。反論もしない。即答しないという選択。
(ほう)
ハリスは内心で息を吐いた。
(これは、用意がある)
でなければ、ここまで静かではいられない。
浦戸を求められることを、日本側はまったく予期していなかったわけではない。
清直が、ようやく言葉を選ぶ。
「公儀としては――本件、改めて協議いたしたく存じます」
理由は述べない。逃げも、拒絶も、していない。
ハリスは表情を変えなかった。だが、その眼差しは一段だけ深くなった。
「代案がある、ということか?」
忠震が、静かに応じた。
「浦戸ではなく」
一拍。
「宿毛を以て、開港地と致したく」
その名が置かれた瞬間、場の空気が変わった。
ハリスの思考が、わずかに跳ねる。
(スクモ――)
知らぬ地名ではない。だが、少なくとも彼の頭の中で、浦戸や長崎のように、最初から港として立っている名ではなかった。
豊後水道。四国の西。航路図の上では、脇へ寄った位置にある。
(なぜ、そこだ)
しかも、その名を出した日本側に、迷いがない。
清直は視線を伏せぬ。忠震もまた、いま初めて思いついた代案を差し出した者の顔ではない。
宿毛という一語は、押し返すための言い逃れではなく、問われる前から座のどこかに置かれていた札のように響いた。
ハリスは、すぐには言葉を継がなかった。
玉泉寺の外から、ひとつ、波の音が届く。
遠く、一定の間隔で寄せては返す音である。
室内では、誰も動かない。
ヒュースケンは筆先を止めたまま、ハリスの次の一語を待っていた。
昌造は、膝の上の手を静かに重ねている。
そして、下手に控えた藤兵衛だけが、なおも視線を上げずにいた。
その沈黙が、かえって目立った。
(……なるほど)
ハリスは、そこでようやく一つの感触を掴んだ。
浦戸を求めた時、日本側は驚かなかった。
拒みもしなかった。
そして、代わりの名を即座に出した。
つまり彼らは、「浦戸を求められるかもしれない」という前提で、この場へ来ている。
しかも、その時に何を差し出し、何を守るかまで、すでに座の外で詰めてきている。
ならば、ここで問うべきは地名そのものではない。
宿毛という港が、本当に“通商の港”として回るのかである。
名だけなら、いかようにも出せる。条文に載せるだけなら、どの港でも港になる。
だが蒸気船は、名では動かない。
石炭。水。曳船。修船。積み下ろし。検疫。通詞。港役人。
その一つでも欠ければ、港はたちまち「地名」に戻る。
ハリスの視線が、文束からゆっくり離れた。
まず清直を見る。次に忠震を見る。
そして、最後に下手へ向いた。
藤兵衛は、まだ何も言わない。
だが、ここまでの座の運びからして、宿毛という名の背後にある実務を知っている者がいるとすれば、この男を措いて他にあるまい、とハリスには思えた。
ハリスは、少しだけ身を起こした。
「浦戸ではなく、宿毛」
その一語を、あらためて口の中で確かめるように言う。
「結構」
声は穏やかであった。否定ではない。
だが、受け入れでもない。
「私は、港の名で判断したいのではない」
ヒュースケンが蘭語へ移し、昌造が日本語へ落とす。
その訳が場に置かれるまで、ハリスは次を言わなかった。
「判断したいのは、その港が、条文の上だけでなく、実際に通商を支え得るかどうかだ」
清直がわずかに姿勢を正し、忠震は目を細めた。
藤兵衛だけは、なお動かない。
「宿毛が、補給と修船と連絡の港として、どこまで整っているのか。あるいは、どのように整えうるのか」
そこでハリスは言葉を切り、視線を藤兵衛へまっすぐに向けた。
「詳しい説明を、お聞かせいただきたい」
【史実解説】日米修好通商条約
史実の条約交渉で大きな争点となったのは、まさに作中で扱ったような項目です。
たとえば開港・開市の場所、関税、領事裁判権、居留や遊歩の範囲などで、条約本体は全十四条、さらに貿易章程が付属しました。条約の結果、日本は神奈川・長崎・箱館・新潟・兵庫の開港と江戸・大坂の開市を約し、同時に領事裁判権を認め、関税も条約と付属章程の中で定められる形となりました。
税率について言えば、日本に関税自主権がないことが大きな問題でした。もっとも、安政五年(1858年)の段階では、のちによく知られる一律5%が最初から全面的に課されたわけではありません。
付属の税則では、食料・建材などは5%、多くの一般商品は20%、酒類は35%といった区分が置かれていました。これが、のちの慶応二年(1866年)の改税約書で、ほぼ輸出入一律5%に近い低率へ改められ、日本にとっての不利がいっそう決定的になっていきます。
■作中資料『通商取極素案』※創作
一、通商並開港之儀
一、異国通商之儀は、双方和親信義を重んじ、相互之利を図るを以て本旨と為す。
一、右通商之為、左之港々を以て開港地と定む。
一、武蔵国 横浜
一、肥前国 長崎
一、蝦夷地 箱館
一、右三港は、追って相応之支度相整い候上、通商之用に供すべきものとす。
一、摂津国兵庫港之儀は、港湾之整備並びに治安之情況相調い候後、改めて協議之上、開港之可否を定む。
二、交易之法並関税之儀
一、開港地に於ける交易は、相互自由之商取引を許すものとす。
一、輸入並びに輸出品に課すべき関税は、原則として従価二割之率を以て之を定む。
一、関税之取立並びに品目之区分、検査之方法等は、追って双方協議之上、別途章程を以て之を定む。
三、最恵国待遇之儀
一、本取極に基づき定めらるる諸条項は、将来他国と締結する通商之約定に於いて、同等之利益を許与する場合、同様之待遇を及ぼすものとす。
但し、港湾・関税・遊歩・居留等、各条之適用範囲並びに実施方法については、其都度協議之上、定むるものとす。
四、居留並遊歩之儀
一、外国人之居留は、開港地に於いて指定せらるる区域内に限る。
一、右区域外に於ける居住・営業・滞在は、之を許さざるものとす。
一、遊歩之範囲は、原則として開港地より七里以内と定め、其範囲・時日・方法等は、地方官之定むる所に従うべし。
一、軍事施設・造船所・港務関係地、其外差支有之場所への立入は、之を禁ずるものとす。
五、港務並補給之儀
一、開港地に於いては、外国船に対し、石炭・水・食料等之補給を許可するものとす。
一、曳船・修船・碇泊等之取扱については、開港地之実情に応じ、地方官之裁量を以て之を行う。
一、右港務之詳細手続は、追って協議之上、定むるものとす。
六、郵便並運送之儀
一、書状・荷物等之郵送並びに運送之方法については、双方協議之上、別途取極を定む。
七、裁判権之儀
一、外国人に対する刑事・民事之裁判は、当該国領事之裁断に任すものとす。
一、日本官憲は、必要に応じ、取調に立会うことを得。
一、港内並びに居留地之治安維持は、日本官憲之管掌とす。
八、通商品目之儀
一、輸入品目としては、布類・鉄器・薬品・書籍其外之諸品を許す。
一、輸出品目としては、茶・生糸・海産物・漆器・銅其外之産物を許すものとす。
九、総則
一、本取極は、両国永遠之和親並びに通商繁栄を期する為、誠意を以て遵守せらるべきものとす。
一、本素案に記されざる事項については、其都度協議之上、信義を以て之を定むるものとす。
※作中では、幕府はあえて横浜・長崎・箱館の三港のみを提示しています。




