6話
「そら、やってみろ」
「え?いやいや、いきなりやってみろと申されましても…」何故か変な敬語になってしまった。
「方法なら今教えただろう。想像してボン!じゃ」
いきなり砕けたなこのおじいさん。
更に説明を待ってみたが一向に話し出す気配はなく、期待のまなざしでこちらを見ている。しょうがない、やってみよう。
「まずは、想像…」手のひらを見つめ、その上に火が浮かび出るのをイメージする。
「そして念じる!」出ろ出ろ出ろデロデロでろ!
瞬間、勇都の視界は光で覆われた。視力を奪われ、周りの状況を確認できない。
「なんだこれ!失敗したのか!?」
「そうではないぞ。よく見てみろ」
老人の声と共に勇都に視力が戻ってくる。また魔法だろうかと思いながら周囲に目を配る。
異変は頭上にあった。今までそこに存在した木の屋根がなくなっており、真っ青な空と明るい太陽が顔を出している。よく見ると、周りの木々が少し焦げているようにも見える。
「これって、もしかして…僕が?」
「まあ、そうじゃな。念じる力が強すぎたためにこうなってしまったと考えられるな」
「そんな…おじいさん調整とか言ってなかったじゃないですか。おじいさんの家も壊しちゃったしどうするんですか!」
「まあ家はまた直せばいいからいいとして、問題は調整じゃな。魔法の規模の大きさは精神力に応じるのだが…君がそれほどの精神力を持っているとは思えないしな…」
さらっとひどいことを言っているんじゃないかそれは?
「瀕死状態の兵士の魔法がいきなり強力になったという話もあるが君はそうも見えないし」
「いや、原因はこの際置いといて対処方法を教えてくださいよ」せっかく魔法を使えるようになったのに使うたびに視力を失っていたらたまったものじゃない。
「う~ん。まあどっちにせよこれから君は様々な魔法を学ぶ予定だからそこで教わると思うよ。」
勇都は思わず頭を抱えた。
言っていることが分からない。予定?何でこれからのことをこの人がわかる?というかこの人キャラが安定してなくないか?
「それじゃあ予定より少し早いけども魔法スクールに転移しよう。」
「は?魔法スクール?なにそれ、というか転移!?」
ソイッという掛け声とともに老人が手を一振りすると、勇都の周りが円状に光る。やがて光は筒となり勇都を包み込む。
「それじゃあいってこいユウシャよ君の冒険はこれからだ」
『てめえ!ジジイ!説明しやがれ!』突然のことに講義しようとしたが何故か声が出ていない。目の前が歪む。




