「ヒューゴの不思議な発明」
今年のアカデミー賞は「ヒューゴの不思議な発明」と「アーティスト」の一騎打ちになり、「アーティスト」が圧勝した。
しかしヒューゴの方が近年のアカデミー賞作品の中でも屈指の傑作だった。
犯罪映画などを得意とするマーティン・スコセッシ監督が子供向けファンタジー映画を撮影したということで、私など首をかしげていた。死ぬんじゃないかとヒヤヒヤした。
しかし、結果的にはヒューゴはマーティン・スコセッシ監督の最高傑作にして、映画史に永遠に残るべき記念碑的作品になった。
子供向けファンタジー映画の中に巧みに映画の歴史がとかしこんであるのである。
リュミエール兄弟により映画が発明され、黒澤明、エイゼンシュテイン、チャップリン、フリッツ・ラングなどの天才が育ててきた。
その中でジョルジュ・メリエス監督という忘れられた偉人がいる。
第一次大戦前、たくさんの人気映画を作ったが第一次大戦後はパリでおもちゃ屋さんをやるなど忘れられていた。そして現代に至る。
しかしマーティン・スコセッシ監督はそのおもちゃ屋さんに出入りする少年少女の冒険を描きつつ、ジョルジュ・メリエス監督が復権するというストーリーに仕立て上げた。
そのジュヴナイルの部分と、映画の歴史を描く骨太の部分の融合。
そしてその全体に説得力、面白さを持たせるため、数々の名作映画の名シーンの再現を盛り込み、とにかく素晴らしい。
ファンタジーと歴史の融合がどんな風に着地するか、涙とともに確かめて欲しい。
美的にも素晴らしい。
また主要キャストの演技が素晴らしい。
今年のベストワン候補。




