スカウト会議 上原の推薦選手
いつもと同じで大阪難波にあるホテルの1室で、スカウト会議は行われる。
今回のスカウト会議は国内のすべてのスカウトに加え、監督以外のお偉いさんも全員揃っている。
もちろん上原さんもいる。なんかこっちを睨んでいる。減俸をくらったのは、私のせいとか思っていそうだ。
「それでは時間となりましたので、スカウト会議を始めます。今年の1位は甲子園のスター、長谷田学館の晴宮四十郎選手で行きます。それでは担当の岡田スカウト、宜しくお願いします」
「はいー」
岡田君は勢いよく立ち上がり、資料を下にぶちまけた。
「あわあわ」
あわあわと言っている人を、初めて見た。
私や他のスカウトが、一緒に資料を拾った。岡田君は今回初めて、ドラフト選手の担当になる。しかもそれが、ドラフト1位の甲子園のスターなので、滅茶苦茶テンパっている。
「岡田君、落ち着いていこう」
「はい」
私が声を掛けたが目が泳いでいて、動揺を隠せてない。
スクリーンに、晴宮四十郎選手が映し出された。
「えーっ、今回私が担当致しますのは、長谷田学館の晴宮四十郎選手です。高校歴代最高ホームランの150本を放っている長距離砲です。守備位置は一塁と三塁手が出来ますが、主に守っているのは一塁です。間違いなく球界を代表する、4番バッターになります。どうぞ宜しくお願いします」
どうにか晴宮君の説明は出来ている。
「今回は長谷田学館の晴宮四十郎選手に行くことは、前から決まっていたので反対意見はないな」
誰も反対意見はない。
「では今回のドラフト1位は長谷田学館の、晴宮四十郎選手に行くことにする。岡田頼むぞ」
「はい」
会議室に、拍手が起こった。
「晴宮四十郎選手はおそらく重複するので、くじ引きはわしが引きます」
福山GMが言った。
福山GMで大丈夫だろうか。
大阪ブルーローズは10年近くクジを外し続けていて、12球団で1番クジを外す球団と言われている。
そして10年近く前に引いたのは福山GMだが、当てたのはその1回でだけで後はすべて外している。
それなら鷲田大介監督に任したい所だが、監督はすべて外しているので任せられない。私は担当スカウトではないので、引く事は出来ない。球団社長はプロ野球選手だった元選手が引くべきと、考えている人なので絶対に引かない。
担当スカウトの岡田君が引く方が良いのではないかとそちらを見ると、テンパってまた資料を下に落としている。これ以上岡田君に負担はかけられない。ここは福山GMが引くしかないのか。
「それでは次に晴宮四十郎選手が取れなかったときの、外れ1位を誰にするのか決めたいと思います」
「はい。良い選手がいます」
上原さんが、大きな声で立ち上がった。
「今年、社会人ナンバーワンの緒方大成投手です。スタミナもあり球速も153km/h出ます。フォークの落ちも鋭く三振の山を気づいています。今ブルーローズは投手の怪我人が多く、投手不足になっています。即戦力の投手で1番は緒方大成投手です。是非、1位指名を宜しくお願いします」
私は緒方大成投手を鑑定した。
天王寺ガス 緒方大成 24才 右投げ左打ち
投手
野球脳C 成長 超早熟
最高球速153km/h 制球力C 体力B
【変化球】 スライダー 2 スローカーブ3 フォーク5
【投手能力】 ピンチB 左打者D 右打者B 奪三振能力C
【投手能力2】 変化球のキレD 球のノビD 牽制B
【投手能力3】 ピッチクロック対応C 四球出さないB
【特殊能力】 頑丈C 緩急E 一発 衰え
【未来】緒方大成 右投げ左打ち
投手
野球脳C 成長 超早熟
最高球速141km/h 制球力F 体力E
【変化球】 スライダー 1 スローカーブ1 フォーク2
【投手能力】 ピンチE 左打者E 右打者D 奪三振能力F
【投手能力2】 変化球のキレE 球のノビE 牽制D
【投手能力3】 ピッチクロック対応E 四球出さないF
【特殊能力】 頑丈C 緩急E 一発 衰え
成長が超早熟のため、もう衰えが来ている。2年ぐらいはどうにかなるかも知れないが、間違いなくすぐ使えなくなる。そんな投手を1位で指名してはいけない。
上原さんの指名を、止めなければならない。
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