表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/8

出会いの日

初投稿となります。

至らぬ点も多く投稿も遅いですが、何卒よろしくお願いします

ーー自己観測ーー

全ての生き物が、自己を自己として認識するための依り代である。

そして観測している限り、何処にいても何時でもその個体はその個体として存在できるのだ。


====================


日の光が瞼を暖めて黒を色付けていく


「ふぅああ”あ”あ”ぁんぬぅん」


朝が来た。伸びをしながら日のさす窓を眺める。…とりあえずトイレに行こう。


「…ふぅ」


体を震わせて息子をしまい、消臭剤をまく

別にしなくても良いのではと思うかもだけど、これをしないとうるさい奴が、我が家にはいるのだよ。

洗面所に向かうと階段からのっそのっそと姉が降りてきた。


「おはよう」

「…おはよう。アンタちゃんとまいたんでしょうね?」

「まきましたぁー それぐらいちゃんとやりますぅ〜」

「あっそ」


いけ好かない奴だ。

洗面所に立ちさっさと顔を洗う。美形とは程遠い顔だが、もうどうしようもないと諦めている。

友達曰くブサイクでは無いらしいが、見てて面白い顔なんだとか。まぁそれでも軽く10年以上見てきてるのだ。愛着はあるーー変えれるなら直ぐに変えたいがーー

リビングに入り、用意されているコーヒーを飲みながらニュースを見るのが日課だ。

げ、今日の昼から雨かよだるいな


「優子、今日午後から雨だってさ」

「げぇーマじ?萎えるわぁーー」


制服に着替えた姉が入ってくる。

どうせ送ってもらえるくせに何に萎えるんだか

あ、彼氏と遊んで帰るとか昨日言ってたっけ?まぁどうでもいいか。

朝食を済ませた俺は直ぐに着替えて家を出る支度をする。雨+今日は月曜日だ。人が多い。早め早めに出ないと後が大変だ。


「じゃあ行ってくる」

「ん。いってら」


玄関から出る直前に一言伝えると、リビングから素っ気ない返事が返ってくる。

ここ5年はずっとこの調子だ。

中学受験で失敗してから俺への興味が失せたらしい母は干渉してくる事が無くなった。

俺としても自由が利くので構わないのだが……


おっさんの鼻息が耳に当たる事以外特に不満もなく学校に着く。

甘い青春などない。汗と飯と制汗剤の臭いで出来た男子校だ。良い所と言えば力とエロ知識があれば不自由をする事は無いって所だけ。

そんな事を考えつつ俺は自分の教室に入室した。


====================


雨のお陰で部活は筋トレにメニューが変わっていたので早々に抜け出し、帰路についている。

スタメンから外されるかもだが、それは別にいい。

一年の時からずっと出張っているんだ。たまにはベンチスタートさせてもらいたい。

ぶーたれて帰っている時の事である。

ブーブーと携帯が振動する

誰からだ?と見ると、そこには『旅行にお姉ちゃんと行ってくるから、よろしく』と書かれていた。

わぁ!フットワーク軽いね!


「じゃねーよ…他に言う事あんでしょ まったく」


ハぁ…とため息をついて携帯をポケットにしまって前を見た時である。


「みーつっけた♪」


見慣れない姿をした女の子が立ち塞がっていた。


「えっと…どちら様ですか?」

「古い知り合いだよ」

「え、そうでしたっけ?完全に記憶違いだと思うんですけど」


女の子の容姿は整っていると言わざるをえない。

身長は女子にしては高く、髪は銀色、目は碧く、胸は控えめ。うむ。絶対に知り合いではない。


「まぁ覚えてないよね〜記憶消えてるし。説明するのも面倒だからついてきてくれる?」

「嫌です」


誰がついていくか。


「まぁまぁそう警戒しないで 大丈夫よ。キャチセールスとか宗教勧誘じゃないから。安心して、ね?」


手を拝む様に合わせて近寄ってくる。

いかん。ろくな事にならないと脳が警告している。


「すみませんが俺は用事があるので!さいなら!!」

「あっ!ちょ!待ってってばーー!!」


伊達にアメフト部で鍛えてはいない。50メートル6秒台には女子では早々追いつけまいさ。

多少の遠回りをするハメになったが無事に帰宅できた。

何だったあの女は。学生狙うとか絶対まともな事では無いだろう。


「たたいまー」


扉を開けて家に入る。

人気が無い。マジで旅行に行ったらしい。

ひょっとしてと思い、リビングを覗くと思った通り食器が未洗いで置いてある。それぐらいしてってくれよな…

トボトボと階段をのぼり自室に入って横になる


「あの女のせいで無駄に体力使ったなぁ…」


自分が外人か、イケメンなら口説いたであろうか。

あれだけ美しいのだ。そのうち噂ぐらいは聞くかもしれないなぁと思いながら、俺は目を閉じた。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ