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7 興味※ラフィス視点

「聖女様のネックレスが盗まれた…」


「誰が盗んだの?」


「「もしかして、ラフィス様???」」



何一つ盗っていないのにあたかも盗んだかのように疑われる。

そう、盗みは全部。俺のせい。


先ほどまで嫌というほど侍っていた令嬢たちも途端に距離を置き、全員口を噤んだ。

分かりやすい反応だ。


言われるまでも無い。

ここにいる全員が俺を犯人だと思っている。


「まさか、そんな事はしませんよ」


(実際盗んだこともあるから否定は出来ないけど)


作り笑いを浮かべながら突き刺さる視線を受け流す。


周囲は納得していない様子だ。

本当に盗んでいないのに。今回は。



でも、真っ先に俺を疑うのは間違いじゃない。

元罪人の扱いなんてそんなものだ。

ダラスティア公爵家の養子という肩書は形だけで俺を守ってはくれない。


誰も俺を助けない。

助ける素振りすら見せない。それでいい。


俺は、”誰がネックレスを盗んだか”知っている。


けれど、ここでそれを指摘するにはとても惜しい。


隣のご令嬢の指先が震えている。

多少なりと罪悪感があるのだろう。それとも自分が盗んだとバレるのが怖いのか。

どちらでもいい。


城内に隠した黒魔法でこのパーティーを台無しにする準備も出来ている。

さあ、ショータイムだ。



令嬢が俺に罪を擦り付けたその後に、彼女と素敵な話をしよう。

薄暗い、人気のない二人きりのテラスで。




「俺は知っていますよ。あなたがネックレスを盗んだ事を。


ああ、そうご心配なさらずに。あなたを騎士つきだしたりなんてしません。


ネックレスは俺が預かりましょう。


その代わり、”ちょっとしたお願い”を聞いていただきたいのです」



彼女も、周りに侍るご令嬢たちも。

全てが愛しい俺の駒であり大切な盾だ。


騎士なんかに渡してなるものか。



「疑うのでしたら、どうぞ、ご自由に調べてください」


穢れを知らない聖女の元へ、一歩足踏み出したその時、視界の端でエメラルドグリーンのドレスが翻った。



「聖女様、ネックレスを奪ったのは!」


道行く貴族を根こそぎなぎ倒しながら、ご令嬢が走って来る。

その勢いたるや、周囲の視線を一瞬で奪い去るほどだ。


淑女の「し」の字すら置いてきた彼女は、少しよろけながら俺の隣で震えているご令嬢を指差した。


「この人です!!!」


「は?」


本当に、本当に何が起きたのか分からなかった。

俺以外誰も知らない筈の犯人をいとも簡単に晒上げ、暴れるご令嬢を平手打ちで制した。


息を付いたほんの間に。

流れるような動作で。


(お嬢さん、いったいどんな魔法を使ったの?)


圧倒されている間に全てが終わっていた。

俺から距離を置いていたご令嬢たちが密着してくる。

なんとも都合の良い事で。


侍るご令嬢たちにため息を吐きながら広間を後にする。

頭の中はエメラルドグリーンのドレスでいっぱいだ。



「ねえ誰か、あのご令嬢について教えてくれないかな」


城内に施した仕掛けの事も忘れて、取り巻きに問う。

良く当たると自慢の勘が告げていた。


「彼女は俺に素晴らしいプレゼントをくれる」と

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