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神罰デバフ100連発 vs 天才ゲーマーのハメ技100選。無能運営の嫌がらせを全て最強バフに変えて世界を完全攻略する  作者: ヨグー
第1章:サバイバル・初期エリア編

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第11話:スタミナ消費激増の泥沼? ただの無限レベルアップエリアだわ

 無音の世界をシステムログで支配し、新スキル『心眼(初級)』を手に入れた直後のことだった。


 ──ドロリ……。


 空間から染み出した不気味な紫色の粘着液が、俺──切磋拓磨せっさ たくまの全身にまとわりついた。

 まるで全身に超強力なトリモチを塗りたくられたかのように、指一本動かすだけで凄まじい疲労感が襲いかかり、息が激しく乱れる。


【警告:神罰第009号『底なしの泥濘』が発動しました】

【効果:本個体の全身が不可視の精神的泥濘に囚われます。適用中、移動、攻撃、スキル発動を含むあらゆる行動時のスタミナ消費量が通常の『100倍』に激増します。スタミナがゼロになった場合、強制的に強制気絶スタン状態となります】


「ひゃーーはははは! 動けば動くほど自分で自分の首を絞める、泥沼の呪いだ!」

 天界のモニターの向こうで、クソジジイ神が待ってましたとばかりに歓喜の声を上げる。

「一歩歩くだけで息が切れ、剣を一振りすれば気絶する! この状態で、周囲から迫り来る無数の魔物をどう捌く! さあ、なぶり殺される未来を受け入れよ!」


 神の言葉通り、ゲームにおいて『スタミナ消費100倍』は、実質的な行動不可能ロックを意味する最悪のクソ仕様だ。

 さらに悪いことに、新スキル『心眼』のレーダーが、周囲の霧の奥から無数の小型魔物『泥粘土どろねんどスライム』が、俺を包囲するようにじわじわと這い寄ってくるのを捉えていた。


 だが、俺は激しい息切れのなか、完全に冷え切った目でログの『解除条件』を凝視していた。


【神罰第009号・解除条件:本効果が適用されている状態で、スタミナが最大値の『1%未満』の極限状態を、累計30分間維持する】


「……なるほど。スタミナ切れの絶望感をじっくり味わえって仕様(嫌がらせ)か」


 普通なら、スタミナが切れた無防備な状態で30分も魔物の群れに囲まれたら、なす術なく貪り食われてゲームオーバーだ。

 しかし、俺の唇はニヤリと吊り上がっていた。


「おいクソ運営。お前、スタミナシステム(リソース管理)の基礎設計がガバガバすぎるぞ。『スタミナが減った状態』の判定が、ただの現在値の割合だけで計算されてるなら──その無防備な気絶時間を、俺にとっての『絶対安全な無敵時間』に書き換えてやるよ」


 俺は迫り来るスライムの群れを前に、あえてその場から一歩も動かず、その場で新スキル『瞬歩』を連続で発動させた。


 シュバシュバシュバッ!


 スタミナ消費100倍の状態で、超高速移動の瞬歩を連発する。一瞬にして体力が限界まで削り取られ、わずか3回ステップを踏んだだけで、俺のスタミナバーは完全に消滅した。


【スタミナがゼロになりました。強制気絶スタン状態に入ります】


 世界が暗転し、俺の肉体がドサリと地面に倒れ伏す。

 だが、俺の意識は、先ほど手に入れたばかりのスキル『反転魔導(初級)』のシステム領域へと逆接続を仕掛けていた。


「──『反転魔導』、発動。俺に適用されている『強制気絶(行動不能)』のベクトルを完全反転──『絶対睡眠(完全回復)』へと書き換える」


 キィン……!


 本来なら魔物に襲われて即死するはずの気絶状態。しかし、反転のプログラムによって、俺の肉体はシステム上『一切の外部干渉を受け付けない、超急速回復の無敵シェルター(セーフティモード)』へと強制移行した。

 スライムたちが俺の身体に乗り上げ、押し潰そうとする。だが、絶対睡眠状態にある俺の肉体は、システム的に「環境オブジェクト」と同じ扱いになり、あらゆる攻撃判定がスカスカとすり抜けていく。


「な、何をしている下等生物……!? 魔物の群れのド真ん中で、なぜ熟睡しているのだ! 仕様変更されたはずの攻撃が一切当たっていないぞ……!? ひ、引き起こし判定がバグっているのか……ッ!?」

 天界のクソ神が泡を吹きながら立ち上がる。


 前世のブラック企業時代、毎日徹夜続きだった俺は、デスクの引き出しに頭を突っ込んで『システム上は気絶(過労)』しながらも、脳内では『次のタスクの処理(睡眠)』を両立させて生き残ってきたんだわ。強制気絶のバッドステータスを、安全な休憩時間バフに変えるなんてお手の物だ。


 世界のシステムは、俺のスタミナが「1%未満」であることを検知し、冷徹に解除条件のタイマーを回し続ける。


【極限状態の維持:5分……15分……25分……】


 周囲のスライムたちは、目の前にある「無敵の肉塊」を攻撃できず、ただ周囲をマヌケに跳ね回る。


 そして、きっかり30分が経過した瞬間──。


──ピコーン!


脳内に大音量のシステムファンファーレが鳴り響いた。


【スタミナ極限状態を30分間維持しました──条件を達成しました】

【神罰第009号『底なしの泥濘』が完全解除されました】

【個体名:切磋拓磨の魂に、神格の剥ぎ取り(逆接続)を実行します】

【解除ボーナス:常時パッシブスキル『金剛不壊(初級)』を獲得しました】


パリンッ! と全身を覆っていた紫色の粘着液が消し飛び、俺はむくりと跳ね起きた。

スタミナは全回復。それどころか、新たに手に入れた『金剛不壊』の恩恵により、肉体の質量が何倍にも強化され、周囲に群がっていたスライムたちが、俺が立ち上がった際の発勁(衝撃)だけで一斉に圧殺され、光の粒子へと弾け飛んだ。


【適用中の神罰デバフ:残り91個】


静寂が戻った森のなか、天界のモニターの向こうから、「あ、あばばばば……っ!? 动けなくする呪いなのに……自ら気絶して無敵になって30分間やり過ごすなど……そんな横着グリッチが許されてまるかぁぁぁーッ!!」という、クソジジイ神の完全にプライドが崩壊した悲鳴が響き渡る。


俺は新スキルの強固な拳を握り締めながら、天を見上げて、これ以上ないほど冷酷に言い放った。


「動いて攻略しろなんて仕様書テキストには一文字も書いてねえんだよ、無能運営。──さあ、残りのデバフ(ゴミ仕様)、全部まとめて持ってこい」


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