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うわさの真相⑤





「少し、いいかしら?」



フェリクスを思い、胸が締め付けられているアメリアに、気遣わしげなサラの声がかかる。


そういえば、サラも昨日どこかへ出掛けていた。

もちろん大丈夫だと伝えるようにアメリアがうなずくと、他の2人もサラの言葉を待つ。


「聞き込みによると、ゴシップの出所はミュリラ男爵令嬢だったわ。殿下とティリオーネ嬢が件のブティックにいるのを、彼女の友人で貴族令息のリックとジムが目撃したそうよ」



ミュリラ男爵令嬢というのは、あの授業中に窓の外の花壇で「ミュリー」と呼ばれていた女子生徒だろう。

たしかに彼女の話にも「リックとジム」が出てきていたかもしれない。

サラの言葉を聞いて、息を詰めていたレイラが驚きの声を上げる。



「まさか!聞き込みって、サラ1人で昨日のうちに発端を突き止めたの?!」






「そんなに驚くことじゃないわ。私の()()()で揺さぶれない家名はないもの」






ここまで学園中に広まったゴシップの始まりに、1人で、しかもたった1日で辿り着くなど、常人には不可能に近い。


しかし、サラは一般公開されている範囲はともかく、家のツテで国の議事録まで読み込むため、聞き込み相手本人だけでなく、その家族のことまで知っている。

ミュリラたちに行われたであろう手厳しい尋問をイメージしながら、アメリアはサラと友人であることに、いろんな意味で感謝した。


ここまで繋がった今、心配をかけないようにと隠しても仕方がない。アメリアも心当たりを告げる。



「…実は以前、古典の授業中に窓から声が聞こえて、

『第三王子殿下とティリオーネ様が王都のジュエリーブティックでデートしていたのを、リックとジムが見かけた』と誰かが話していたの。

話し声の女子生徒は『ミュリー』と呼ばれていたわ」



「まあ!それでさらに確定しましたわね。その目撃証言に根がついて葉がついて、いまの状態になったのよ。だからわたくしも、その頃にブティックで殿下とティリオーネ嬢が会ったかどうか、大叔母さまに確認しましてよ。そうしたら、1ヶ月ほど前に心当たりのことがあったそうですわ」



「え、でもさっきは”うわさ”は事実ではないと…」



「それはもちろんですわ。けれど、目撃者たちが広めたようなデートは存在しないのです」



なんとなく腑に落ちない顔になったアメリアのために、ジュリアンヌは厚めの便箋を取り出し、「今すぐ目を通した方がよくてよ」と言ってアメリアに渡す。



ここには大叔母ルーシーの証言が書き留められているらしい。

ジュリアンヌから受け取ったその手紙を、アメリアはおずおずと開いた。











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