ひねくれ者と純粋な女の子
次の朝、
今日は佳苗さんに病院を案内する日だ。
お互い検査とかあっちの家族の面会とかあるせいで案内は夕方からとなった。
まあ、今(自分の検査の終了13時ごろ)は暇です。。
基本的に病院なんて苦しくて楽しみもない地獄だ。患者によっては明日死ぬかもしれないし、もう退院出来る人だっている。
に関して言うと僕って死にもしなければ、退院なんて来ない一生をここで過ごすんだよなぁ。
最近は日々の生活に嫌気しか感じていなかった。
よく、聞く言葉に人は生きてれば必ず良いことが起きるという言葉だ。
正直に僕はこの言葉が嫌いだ。綺麗事も良いところだ。ただ、死んだら良いことも悪いことも無いのが世の定めで、あながちこの言葉に嘘は無いのも事実だ。この気持ちがわかるだろうか。この言葉に表せられない気持ちが…。
そもそも、僕にとっての良いことって何なんだろう?いや、人類の感じる良いことの方が分かりやすいな。
まあ、きっと答えは一つだろう。
当たり前すぎて気づかない人もいるかもしれないが考えた事が達成された時だろう。
患者のほとんどは退院だろうな……
太陽が落ちてきて窓から見える夕日がきれいだ。
気づくともう夕方だった。
どうやら寝てたらしい。ベッドであんな事考えてたらそりゃ寝そうだ。自分の正当性を感じる。
「はぁ、死ぬって何だろうな〜?」
おもむろに言ったその言葉に反応して彼女が反応する。
「きみ、なんて事考えているんだよ?
それに、病院でその言葉は不謹慎じゃないかな?」
突然現れた佳苗さんに驚き体制を崩す。
「あ、、ごめんね
おどかすつもりはなかったんだけど…
でもさ、誰でも死んだら嬉しい気持ちになる人なんていないよ。きっと。
私だって君が死んだら悲しいし、君も私が死んだら嬉しくは感じないでしょ?」
少し重いその言葉に少し戸惑った僕だった。
「もちろん、嬉しくなんかは…………
それよりそろそろ病院案内(探検)始めましょう!」
まるで話を逸らすかのようにして病院案内を始めた。
「まず、この病院は4階建てで今居るのは二階です。
では、分かりやすいように一階から順番に案内して行きますね。」
「うん、お願いね。」
あのあと、特に会話もなく黙々と案内を始めた。
「一階は主に外来や受付とかですね!
あえて言うなら売店があります!ここが結構品揃えが良くて良いんですよ!!それに、長期入院者は割引とかあってここ(病院)で一番好きなところです!」
ついつい、熱く話してしまった。
「長期入院者は割引あるんだ〜
まあ、私には縁のなさそうかな…」
そのセリフには重くて何かひめられたモノを感じた。
「まあ、そうですよね
早く退院するに越したことなんて無いですもんね。」
「次は二階ですが、ここは知っての通り僕達の病室ですね、あとはこの前言ってた院内学校があります。場所は病室から左に曲がって直線最後の突き当りを右ですね。」
少し違うが不登校みたいな物の僕がまたここに来るとは思っていなくて新鮮味を感じる。
「あーここなんだ。結構分かりにくなぁ…
それに、机が3個しかないけど………」
彼女は苦笑いした様子だ。
正直僕も3個しか無いことには少し驚いた。
「もしかすると、人が少なくて今は受けられないかもしれないですね、、」
「そっか、まあしょうが無いよね。」
悲しい顔の彼女はやはり、まだ中学生なんだと言う事実を再認識させる。
「三階はMRIとか手術室とかですね。
さすがに、一人でここに来ることはないと思うので案内はここまでですね。」
「まあね…
あれ?4階は??」
「すいません、4階は立入禁止(霊安室)です。」
「ああ、そうなんだ!」
帰りは特に関係のないことを少々話して病室に戻った。その頃には外からの明かりは消え僕たちは無情な蛍光灯の光に照らされていた。
「今日は案内ありがとね!」
「いえいえ、そう言えば外には大きな広場があって来週打ち上げ花火が上がるらしいですよ。」
僕は何度も見て、ありがたみを一切感じないイベントだったが、中学生はこんな物好きだろうという先入観で紹介して見た。
「あ!そうなんだ!見たいな〜
じゃあ、もし見れたら一緒に見ましょ?良いよね?」
幼さの残るその表情は素直に可愛い(愛嬌がある)と感じた。
「あ、はい!ぜひ!!」と言って今日のところはおやすみをした。




