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#03 命の灯火
彼女は、何を言われたのか判らないと。歓びから絶望まで一気に突き落とされたような目で、ただただ見つめてくる。
「俺を……殺せっ」
絞りだすように再度突き付けたのは、やはり、自身の存在を消してくれというもので、その意味を頭で理解した彼女は機械仕掛けのマリオネットのようにぎこちなく首を横に振った。
できない。
できるわけがない。
だって………!!
聞いたことのない悲痛の声で、大きなルビーの瞳からはらはらと涙が零れる。
…あぁ、泣かせているのは俺か………
彼女の泣き顔は今まで何度も見てきた。
時には共に悲しみ、時には支えた。苦笑して、無言で怒られたこともあった。
全てが愛しかった。
この少女は命を賭して護る。たとえその手段が彼女が望まない形だとしても。
それでも自分の所為で泣かせるつもりはなかったのだ。
今の自分にはそんな事を伝える資格もないが。




