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第6話 焼失の空に ~ 残されたひとつの希望 ~

大切なものが失われる瞬間。


昨日まで当たり前だった景色。

聞き慣れた声。

帰る場所。


それらが一夜にして消えてしまった時、

人は何を思うのだろうか。


これは、

三人の少年たちが

初めて目にした残酷な現実。

山を駆け回り、木々を飛び移りながらの狩りを終え――。


ようやく凪人たちへ追いついたとき、

ヒカルは叔父の表情が強張っていることに気づいた。


「叔父さん……どうしたの……?」


凪人(なぎと)は答えない。


ただ、その視線だけが遠くを見つめていた。


ヒカルもつられるように顔を上げる。


そして――息をのんだ。


「……燃えている」


村が、炎に包まれていた。


黒煙が空を覆い、

赤く燃え上がる炎が山肌まで染めている。


「助けに……行かなきゃ!」


ヒカルは反射的に駆け出した。


「ヒカル、待て!」


凪人の叫びが背中を打つ。


だが近づくだけで、

炎の熱気が肌を焼くようだった。


誰も、簡単には近づけない。


日は沈みかけ、

やがて炎は少しずつ勢いを失っていく。


黒い煙だけが、静かに空へ昇っていた。


焦げた匂いが、胸の奥まで刺し込んでくる。


凪人たちは言葉を失っていた。


ただ、握りしめた拳だけが震えている。


「ヒカル……忘れるな」


凪人が低くつぶやく。


「これが、“奴ら”のすることだ」


「叔父さん……“奴ら”って……?」


「今はいい。

みんなを探しに行くぞ!」


焼け跡の前で、ヒカルは立ち尽くした。


「……何もない……」


崩れ落ちた家々。


焼け焦げた木々。


笑い声があったはずの場所には、灰だけが残されていた。


「父さん……母さん……」


震える声が続く。


「マヤ……

テル……

クレア……」


名前を呼んだ瞬間、

視界がにじむ。


涙が頬を伝って落ちた。


そのときだった。


「凪人!

こっちに来てくれ!」


仲間の声が響く。


「今行く!」


凪人が駆け出す。


ヒカルも、その後を追おうとした。


だが――。


足元で、何かを踏む感触があった。


視線を落とす。


そこにあったのは、

淡い桃色の花を模した髪飾りだった。


マヤが大切にしていたもの。


今は赤く染まり、泥と灰にまみれている。


「……マヤの……」


ヒカルの声が震えた。


胸が強く締めつけられる。


(村を襲った“奴ら”って……誰なんだ……?)


叔父が知っていた、村と家族の真実。


「何なんだよ……“奴ら”って……」


日が暮れていく。


静まり返った焼け跡の中で、

ヒカルはしばらく立ち尽くしていた。


胸の奥へ、重いものが沈んでいく。


それでも――。


まだ終わったわけじゃない。


ヒカルは、

凪人、弁、嵐の背中を追いかける。


焼け跡の熱だけが、

夜の空気に変わっていた。


最後までお読みいただき、ありがとうございました。


村を包んでいた穏やかな日常は、

この日を境に大きく姿を変えていきます。


失われたものは戻らない。

けれど、その中にも消えなかった想いがあります。


絶望の中で残された小さな希望が、

やがて彼らを前へ進ませる力になるのかもしれません。


次回もお付き合いいただければ幸いです。


※本作品は作者の創作をもとに制作しています。

物語やキャラクター、世界観は作者が考案し、AIとの対話を通じて物語の完成度を高めています。

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