09【現實】(番外)
本書をお読みいただき、誠にありがとうございます。
エラリー・クイーンの『Zの悲劇』を読んだ時のことです。作中の主人公はプロのシェイクスピア俳優で、数多くの舞台を経験したことで、劇中の役柄の体験を現実の人間関係や物事の対処に応用していました。本を閉じた後、私は少し考えました。「中華文化を背景に持つ探偵がいればいいのにな」と。そうして生まれたのが、この物語です。
私は幼い頃から「漢字占い(測字)」の物語を聞くのが大好きで、占い師の百発百中とも言える鋭い見立てをとても不思議で神秘的なものだと感じていました。紫微斗数や四柱推命、星座占いのように、生年月日さえわかれば命盤が出せる一般的な占いとは異なります。漢字占い師は、まず客の服装や身なりを観察し、客の悩みを聞き出してから、文字を解き明かして答えを出します。よくよく考えてみれば、これって「推理」そのものではないでしょうか?
私はずっと、占い師というのは「古代の心理カウンセラー」のようなものだと思ってきました。人は人生に迷いを感じた時にこそ、神仏に救いを求めるものですから。占い師は自らの知恵を使って人を善き道へと導くのですが、ただ神の意志を借りることで、人々を納得させているだけなのです。
こうして、ハイゼンベルクの物語が私の頭の中に飛び込んできました。十分な人生経験が必要だから、主人公は老人にしよう。老人は行動力に欠けるから、活力のある助手が必要だ。殺人事件に遭遇するには、事件を持ち込む警察官がいる。殺人事件だけでなく、日常の些細な出来事も必要だ……。そのようにして、一つまた一つと、物語が少しずつ形になっていきました。
書き進めるうちに推理小説からはどんどん離れていき、占いものやオカルト作品として見られるようにもなりましたが、皆さんにハイゼンベルクを好きになってもらえたら嬉しいです。
ありがとうございました。
20:40 友人: 占い師の先生ー
20:40 友人: 私の字も占ってよ
20:40 擇泉: ええ…= =
20:40 擇泉: 俺の小説、最後まで読んでないだろ
20:40 友人: それとも夢占いの先生かな
20:41 友人: まあいいや~とにかく夢を解き明かしてよ
20:41 擇泉: はいはい。友達ってのも一種の拷問器具だな
20:41 擇泉: こいよ
20:41 友人: 彼氏と、その元カノの夢を見たの
20:42 友人: そしたら彼らの周りに子供がたくさんいて
20:42 擇泉: それで?
20:43 友人: そしたら彼氏が私に「これでわかっただろ?」って言ったの
20:43 友人: 私は悲しくて絶望して走り去って、そこで目が覚めた
20:43 友人: すごく気分が悪い
20:48 擇泉: この半仙(※仙人見習い)の占いの視点から言わせてもらえば、それは「好散(きれいに別れる)」って意味だね。どういうことか、今から解説してやろう
20:49 擇泉: あなたの彼氏(男)と元カノ(女)、合わせて「女子」。これで「好(良い)」という字ができる。
20:49 擇泉: 子供がたくさんいる、つまり人が群れている。人が一番多い字といえば、実は「傘」という字になるんだ。
20:50 擇泉: 合わせると「好散(※傘と散は同じサンという発音)」…出会いはともかく、終わりはきれいに別れて、それぞれの道を歩むってことさ。
20:52 擇泉: 「傘」という字は、一人の大きな「人」の下に、四人の小さな「人」がいる。つまり、彼氏は何人か子供を授かるかもしれないが、
20:52 擇泉: でも…最後は結局孤独になる。そして子供たちも派閥に分かれて、一生絶縁状態になるかもしれない。
20:52 擇泉: 彼の未来は悲惨で嘆かわしいものになるさ。
21:49 友人: ぷっ
21:49 友人: 占い師の屋台でも出せば?
21:49 友人: なんでそんなにすごいのよ
21:55 擇泉: 君はもっといい人に出会えるよ
21:55 友人: だといいな、ふふっ
21:55 友人: あなたもね
22:41 友人: もう一文字占って
22:41 友人: 白
22:42 擇泉: 何を占うの?
22:42 友人: 仕事運にしようかな
22:42 擇泉: ぷっ、その字はすごくいいよ
22:42 友人: 「白手起家(ゼロからの出発)」とか言わないでよ
22:42 友人: あはは
22:43 擇泉: 「白」に「王」を足せば「皇」になる。選ばれし者(天之驕子)ってことさ。
22:44 友人: それにはまず「王」がいないとね
22:44 擇泉: そこは安心して
22:44 擇泉: 「隣の王さん」でも適当に見繕えばいい
22:44 友人: じゃあ今から「小王(若い間男)」を探してこいってことね
22:44 友人: ぷっ
22:44 友人: 隣の王さんまで出てくるとはね
22:45 擇泉: 「白」という字に「一」を足せば「百」になる。まさに、最初の一歩さえ踏み出せば、
22:46 擇泉: 残りの百歩なんて問題ないってこと。
22:46 擇泉: すべてがスムーズに進むよ。
22:46 友人: その一歩が一番難しいのよ
22:47 擇泉: ククク、その一歩は君の心の中にしかないんだよ。だって「白」の中心に「一」を入れたら「自(自分)」になるからね。
22:47 友人: ほんと、でっち上げる(うまいこと言う)の天才だね
22:49 擇泉: はいはい、そろそろ本当に休むよ
22:49 友人: はーい、おやすみ
あの時はただカッコよく字を解くことばかりに夢中で、彼女がわざわざ私の苗字である『白』を選んで占わせたことの『本当の意味』に気づけなかった。今思えば、何かとても大切なものを逃してしまったような気がする。




