第二十二話
終業式兼パーティーは、少し問題もありましたが、無事に終わりました。今は夏季休暇ですが、休む暇はないです。課題を出されていますし、長期休暇ですから、大がかりな魔法研究もできますから。
「第二皇女殿下、これは」
「それはこの数式を当てはめるとできますよ」
現在はいつもの四人で課題を片付けているところです。とは言え、シグニは教える側なので捗っているか分かりませんけど。
紙の上をペンが走る音が聞こえて、時折質問する声が聞こえてきます。出されている課題も多いとは言えない量ですし、これなら明日には終わりそうです。
「そういえば、皆さんは課外学習どうするんですか?」
ありましたね。主に長子ではない方や研究職希望者のためのものです。ある程度加点にはなりますが、やる必要がないのですよね。十分成績は良いですし。ただ、魔法の研究を好きなだけやれると言うのはとても貴重ですし……。
「シグニはどうするのよ。去年確か魔塔に行ってたでしょ?」
「今年もその予定だよ。友人も連れておいでって言われてるから、行く?」
いつかによって少し予定が……。学院に入ってから中断してた研究を進めないといけないですし、論文も書かないとです。それと、知り合いの方々に連絡しないといけなくて、別の魔法研究の手伝いも頼まれていますし。
「溜め込むクセ、治しなさい?」
「わ、分かってはいるんですよ……?」
けど、その、魔法は楽しいですし、やりたくてやってますから。気が付いたら仕事が山積みになってるだけなんです。いつもはもっとちゃんと処理できてるんです。まだ学院生活に慣れてませんでしたし、次の学期からは大丈夫です。
「第二皇女殿下はどんな研究をしてるんですか?」
「天体についてです。それと、人によって扱える魔法が異なる理由についてですかね。親子でも魔法属性が違うこともありますから」
天体に関しては、完全に私の趣味なんですけれどね。星が好きなので。魔法属性に関しては、とある人から聞いて興味が沸いたからです。一卵性双生児であるルーチェと私でも魔法属性は異なりますからね。これは調べないとと研究者としての血が騒ぎます。
「研究に精を出すのはいいけれど、ちゃんと食事と睡眠も取りなさいよ?」
「分かってますよ」
前にそれで研究室を封じられたの、根に持ってるんですからね。ちょっと集中しすぎて食事や睡眠を忘れてしまっただけなのにです。酷いと思いませんか。ちゃんと魔法で体調管理しているから倒れることはないというのにですよ?
「いつの間にか研究室で干からびていたりしそうで怖いのよ」
「さすがにそんなことは……」
ないはず、です。自信はありません。【時詠み】様に昔、研究に没頭しすぎて栄養失調で亡くなった魔塔所属者がいると聞いたことがあります。さすがにそんなことしないと思いますが、いつかやりそうです。
「ご無理はなさらないでくださいね」
「無理よ。無理はしていないって言いながらいつの間にか餓死の一歩手前にいるんだもの」
あのときは、はい。ごめんなさい。研究に没頭しすぎました。まさか研究室に篭って一週間も経っているとは思ってなかったんです。あれ以来お母様が心配して一時間に一回見回りを寄越すようになったんですよね。さすがに心配かけすぎました。反省はしているんです。反省は。それを直せないだけなんです。




