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転生して優しい世界を創る  作者: MASK
第1章:始まり
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第十一話:土の精霊グランと地の領域

土の精霊グランと共に地底に降り、大地の役割について語ります

雷と風の領域を後にしたダイチは、

フロウとライゼに案内されて次なる地、

大地の精霊グランが治める場所へと向かった。


その場所は、山脈の奥深くにぽっかりと口を開けた

巨大な大穴。地面が割れ、世界の奥底へと

続くかのようなその穴の縁に、荘厳な姿があった。


「おーい、グランー! ダイチ様を連れてきたぞー!」

ライゼの元気な声が地響きのようにこだました。


現れたのは、他の精霊とはひときわ異なる

風格を持つ存在、土の精霊グランだった。


岩のように硬く、どっしりとした体格。

その背には様々な鉱石が張り付き、

まるで山の一部が命を持って動いているかのようだった。


彼は巨大な巌鎧龍がんがいりゅうの背に鎮座していた。

巌鎧龍は精霊龍の中でも最も巨大な存在で、

その背中は広大な台地のように平らで安定している。

背中を構えに使うことで、まるで動く要塞のように

世界を見渡していた。


「ふむ、創造主様か。我輩はグラン。地の奥深くにて、

大地の営みを見守る者である」


低く、重みのある声が地面を震わせるように

ダイチの耳に届いた。


「すっごいよね〜、グランってまるで山みたい」

フロウがひそひそと囁き、ライゼが笑う。


「じゃ、ダイチ様! あとでね!」

「またあとでね〜!」


ふたりは風と雷の気流に乗って、

名残惜しそうにしながらも上空へと飛び去っていった。


残されたダイチは、グランと共に巌鎧龍の背に乗り、

ゆっくりと大穴の中へと降下していく。


大穴の中は、色とりどりの鉱石や鉱脈、

そして属性を宿した魔石が静かに輝いていた。

赤、青、緑、紫、そして透明な結晶体。

それぞれが火、水、風、雷、光、闇、土の力を

微かに放っており、まるで地中そのものが

呼吸をしているような幻想的な光景だった。


「これらは大地が長い時をかけて育んだ魔力の結晶。

万象の力を蓄え、時として世界の循環を支える」


グランはゆっくりと指差しながら、

魔石や鉱脈の性質を丁寧に説明していく。


「山の隆起、谷の崩壊、森の根の広がり、

川の流れもまた地の営み。

我はそれら全ての“変化”を見守り、

必要とあらば整えるのが役目である」


ダイチは周囲の景色を見回しながら、

その言葉を深く噛み締めた。


「……グランは大地そのものなんだね」


「否、我輩はただの調律者。大地とは、常に動き、

変わり続ける存在。創造様よ、貴方様が築いた

星の土台が、如何にして命を育んでいくか……

共に見届けましょうぞ」


巌鎧龍は静かに地中深くへと進み、

神秘に満ちた大地の領域を、

ダイチとグランは共に巡っていった。

そこには、地上とはまったく異なる生態系が広がっていた。

巨大な岩の間には、硬い殻を持つ昆虫のような

生き物が無数に這い回っていた。

岩肌に同化するような色合いのトカゲのような生物は、

魔石の微光を頼りに生活し、

目を閉じたままでも地殻の震えで周囲を感知していた。


さらに、地底湖の縁には、石のようにじっと動かない

巨躯の亀のような生物が佇んでおり、

何百年も生きているかのような風格を漂わせていた。

水面の奥では、発光する魚たちが静かに泳ぎ、

深海とはまた異なる静寂の美しさを感じさせる。


「これらの生物たちは、大地の鼓動に合わせて生きている。

上の世界とは違い、光に頼らぬ進化を遂げたものばかりだ」


グランの言葉どおり、ここに住まう命たちは、

音、振動、温度、魔力の流れといった微細な変化を

感じ取りながら、静かで確かな命の営みを繰り返していた。


「地底の命も、ちゃんとこの星の一部なんだな……」


「うむ。全ての命は、大地に還り、

また新たな命を育む。破壊もまた、創造の一部である」


ダイチは、ゆっくりと呼吸しながら、

音のない地底に満ちる確かな生命の気配を感じ取っていた。

次回火の精霊登場!

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