表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
現実世界に魔物が現れたようです  作者: 羽良糸ユウリ
第二章:チュートリアル
33/120

番外編:其の三『葵の憂鬱』

前回のあらすじ:訓練終わりに、琳は立花からイヴを触ったことによる影響がないか検査を受けるも反応なし。だが立花のパソコンには何やら意味ありげな新規ファイルが作成されていた。

 どうも皆さん! 一之瀬葵っす!



 最近色々なことが置き過ぎてちょっとテンパって困ってるっす、いきなり変な化物に追いかけられてると思ったら今度はその化物と戦うために人間辞めたりなんだりと、正直頭痛がしてくるっす。



 でも大丈夫っす!



 自分には、頼れる先輩が二人もいるんすから、大抵のことは何とかなるっす。






 今こうして、仕方なくクラスメイトの恋愛相談に付き合ってところへ助太刀に来てくれればもっと頼りになったっすのに………



 「あおいっちー、聞いてるー?」

 「はいはい聞いてますから。で、なんだっけ、家の中でセミが死んでた話?」

 「全っ然っ違うから! ていうかなんで人の家の中でセミ殺してんの!」

 「うちでそうなってたから」

 「あっ、そう、なの?」

 「いや嘘だけど」

 「嘘なの!? 嘘でセミ殺すなって!」



 この子はクラスメイトの佐藤さとう裕子ゆうこ、どこにでもいる普通の女子高生っす。そんでまぁなんで今自分がこの子の恋愛相談に付き合っているのかと言うのはごくごくシンプルな話で、告白したらフラれたそれだけの話っす。



 「まぁまぁ、私の家だって夏に庭でセミが蟻に運ばれていたんだし、そう驚くことでもないわよ」

 「いやだからなんでそんなにセミの話で場を繋げるわけ………」



 裕子ちゃんはツッコミ担当、そして今セミトークを復活させたのがいいとこの生まれの北上きたかみ鳴子なるこちゃんっす。

 二人とも裕子ちゃんのこの相談に付き合っている訳っすが、正直引き受けるべきじゃなかったす。自分、恋愛なんてのは全然したことありませんし、好きになった人が出来たこともありません。



 「つーか、セミの話聞きに二人に付き合ってもらったんじゃないんだけど……」

 「分かってるって。恋愛相談? だったっけ」

 「裕子ちゃんこれで何連敗目かしらねー」

 「確か五連敗……って何言わせてんのなるっち!」

 「自分から言ったんじゃないっすか」



 この通り裕子ちゃんはノリツッコミのできるいい子で、いじるのには事欠かないっす。実際裕子ちゃんは別にモテない訳じゃないっす、ただちょっと、がっつき過ぎてるだけなんす。



 それに比べて鳴子ちゃんは完全な「来るもの拒まず」っていうタイプで、今まで何人も告白されては付き合ってを繰り返している子っす。でもちゃんと付き合っている時はその人の彼女として出来る限りのことはするっていう、軽いのか重いのかよく分からない恋愛観の持ち主っす。



 「いいよねー! なるっちはモテモテで!」

 「裕子ちゃんだって、顔もスタイルもいいんだし。もう少し受け身に回ればいいんじゃないのかなーって」

 「受け身ねー……あ、そういやあおいっちは?」

 「え、私?」

 「あぁそう言えば、ほら、三年生に仲のいい先輩いるんだって? 確か、香月先輩と宗像先輩」

 「あー……あの二人とはなんもないって。ただの先輩」

 「とかいって、ほんとは気になったりしてんじゃないのー? 特に香月先輩の方とか」

 「気になったりって………」



 そう言われると少し意識しちゃうっす。




 実際、香月先輩と宗像先輩は下級生から結構人気のある先輩っす。二人とも顔も整ってる方ですし勉強もスポーツもそれなりには出来てますし………香月先輩とは宗像先輩より色々と遊んだりする機会も多いっすし……。



 「あらあら? もしかして図星だったかなあおいっち? 顔赤いよ?」

 「うひゃあ!! えっ嘘!」

 「うん嘘、でもその反応は……どう思うなるっち」

 「脈あり、ね」

 「本当に何もないんですって!」

 「あらあらあらあら」

 「あらあらあらあら」

 「息揃えないでー!!」

 「あ、そうだ。香月先輩のアドレス教えてよ」

 「えー……まぁいいけど」



 全く二人ともは!

 今度から軽率に恋愛相談なんか引き受けないことにするっす!








 なんてことを親に話したら、



 「でもいいんじゃない? お年頃だもの恋愛くらいしなきゃだめよ。それに一回家に泊めちゃってるんだしもう遅いわよ」

 「だからそういうことじゃないんだってば! 別に好きとかそんなんじゃないし!」

 「んー? 別に好きなのとかって聞いてないじゃない」



 親にカマをかけられたっす、というか自分が勝手に墓穴を掘っただけっすけど……。もう今日は早めに寝ることにするっす、さっさとお風呂に入って寝巻に着替えて、部屋でゆっくりするっす。



 「ふう……」



 やっぱりお風呂上がりのベッドは気持ちいっす……横になってるだけで眠たく………


 


 ピリリリリリリ……ピリリリリリリ………




 「うおっと、電話か。ん? 香月先輩?」



 スマホの画面には「香月先輩」と表示されていましたので疑うことなく電話に出ることにしたっす、どうせならついでに今日の愚痴でも聞いてもらいましょうかね。



 「もしもし先輩? どうしたんすかー」

 『あぁ、さっきお前のクラスメイトのえっと……佐藤なんとかさんって子からメッセ来てさ』

 「佐藤裕子っすか?」

 『そうそうそんな名前』

 「それで何かあったんすか?」

 『いやそれがさ、お前に話しかけてやれーって言われたんだが………』

 「じゃあ先輩、おやすみなさいっす」

 『いやいやいやいや! ちょ、ちょっとm――――』






 一切の慈悲をかけずに、自分は先輩からの電話を切ったっす。そして裕子ちゃんに電話をかけて小一時間ほどお説教しました。

 そしたら吐きました、彼女曰く『電話来たらあおいっち喜ぶかなって! 今日の事意識しちゃって思わず胸の鼓動が高鳴っちゃうかなって思ったの! ただの出来心だったんですだからお願いします許してくだs――――』とのことだったので明日朝会ったらデコピンでもしてやることにするっす。流石に女子が女子に関節技決めるわけにはいかないっすから。


 

 まぁ反省してなかったらキメるつもりっすけど。







 ともあれ、今日は一日疲れたっす。さっさと宿題終わらせて寝ることにするっす。





 でも………自分が香月先輩を、す、すすすす好き、なんてそんなこと……。






 「自分でも、分かんないっすよ…………先輩………」




 多分、その時の自分の顔は、茹蛸みたいに赤くなってたと思うっす。




 



 だって、ほんの一瞬でも、先輩と付き合ったら、なんて、考えちゃったんすから。


 そしてその妄想ときの自分は、これ以上ない笑顔だった気がしたっす。

恋愛要素ってくっそ難しいんですけど誰か助けてくれませんか。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ